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みんなの「特別塗装」ブログ


マドとデザイン

2016/03/01 00:00
旅客の利用する車両にほぼ確実に存在しているのは、いうまでもなく窓だ。大型ガラス製造の進化により眺望を求める車両は大胆に大きく、反面軽量化の要請により新幹線では面積が小さくなったりしてはいるものの、客席があればほぼ窓は存在する。またその窓の配置は、車体の塗装などのデザインと影響しあう要素と言える。
国鉄時代の車両では、食堂車―新幹線36形だとかスシ24等に見られるように、たとえ通路でしかなくても窓を設けるのが通例だったし、洗面所なども明かり取りとしてすりガラスの窓を設置するのはごく普通だった。いまでは改造設置も含め洗面所に窓は取り付けられなくなったし、そのほかにも今頃になって数が増え出した食堂車のキッチンとか、イベントスペースを設置する際に窓が大幅に埋められてしまうケースも多く、それはときに車体の印象をも変えてしまうことがある。

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521-7002

  • 山陽新幹線 姫路←西明石 2014-8
  • D810, AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR, ISO320


山陽新幹線で〔こだま〕として使用されている500系新幹線。300km/h運転はすでに不可能で、スピードでのフラッグシップトレインではなくなったが、その人気はいまだに衰える気配もなく、同系モチーフの公式キャラクター「カンセンジャー」は駅構内で放映されるマナー講座の主人公をつとめるなど、JR西日本の大事なコンテンツとして扱われている。その500系と、息の長い鉄道おもちゃである「プラレール」、プラレールには欠かせない電池「エボルタ」がコラボレーションし、2014年7月から「プラレールカー」が運転を開始した。
専用編成となったV2編成1号車の座席はすべて取り払われ、プラレールのジオラマや遊具などを設置したフリースペースとした。春・夏休み等などは非常に賑わいを見せた「プラレールこだま」は、当初2015年3月までの予定を半年延長したほどだった。V2編成はかつてW2編成として登場しており、先行製作車のW1編成とのすれ違い試験用として、運転台脇に設置された小窓が特徴である。

外から「プラレールカー」とわかる装飾は、出入口脇に貼られた「プラレール」のシールだけというもので、もうすこし大胆にしても良かったのでは……と思ったものだが、これに代わって登場した「500 TYPE EVA」は編成全体を装飾するという驚愕のデザインとなった。2015年の山陽新幹線開業40周年を記念して、「新幹線:エヴァンゲリオンプロジェクト」が始動、2015年11月から運行を開始した。アニメ界のマイルストーンのひとつといえる「新世紀エヴァンゲリオン」の放送開始から20周年という節目もあって、このコラボが実現した。

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521-7002 (500 TYPE EVA)

  • 山陽新幹線 姫路←西明石 2015-12
  • D810, AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR, ISO125

TYPE EVAは「プラレールカー」だったV2編成。「初号機」のイメージで塗装されているが、とりわけ1号車は客室窓まですべてデザインが覆いつくしているのが目を引く。個人的にこの作品にはほとんど興味は持たなかったのだけれど、旅客車なのに窓がまったくないという特異な姿はとらえる価値があると思い、「プラレール」時代と同じ〔こだま741号〕で西下するV2編成の姿を、同じ場所でとらえてみた。客室の窓は全部埋めたのに先頭部の小窓だけしっかり残してあるのは、プロトタイプとして通じあうからだろうか。
広告規制の絡み (参照) もあって、「TYPE EVA」以外に作品を明示するものはなにも存在しない (ということは「プラレール」の控えめな配置もそういう事情だったのか……)。しかしひとたび車内に入れば作品の世界観であふれていて、なかでも窓を覆った1号車は展示・体験ルームとして、事前予約した人のみが入室、コクピット搭乗体験ができるようになっている。なお公式サイトによれば、3月15日からは予約なしで入室は可能になるとのこと。

上越新幹線にこの春からデビューする世界最速美術館「現美新幹線」は、そのコンセプトもさながら、車両片側だけだが6両編成中4両が窓なしという、これまた思い切ったデザインとなる。大胆な塗装・ラッピングや窓配置の車両がひきも切らず登場し、車両そのものへの関心もつきることがない。
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つどい2014

2014/01/01 00:00
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いします。

たくさんの魅力的な車両が登場した2013年の新車から年頭を飾る車両はどれにしよう……「ななつ星in九州」、あるいは午年だから「ポニー」C56とか、考えた末に決めたのは「つどい」である。
ご存じのとおり昨年は伊勢神宮の一大行事、二十年に一度の式年遷宮であった。これに向けた観光客の増加に応じて近畿日本鉄道(近鉄) が投入したのが、50000系 観光特急「しまかぜ」。2-1列の革張りシートに二階建てビュッフェ車両を連結した2編成は、輸送力重視の近鉄特急にあって異色の車両だが、現在もなお利用が好調で第3編成の増備が決まっている。そしてもうひとつが観光列車「つどい」。伊勢神宮のお膝元、伊勢市駅から山田線・鳥羽線・志摩線を経由して終点の賢島(かしこじま) まで走る列車だ。で、「しまかぜ」でもなくこの車両をなぜ選んだかというと……

モ2014 近鉄

モ2014

  • 近鉄志摩線 松尾←加茂 2013-12
  • D7100, AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR, ISO160

近鉄、特に通勤系車両の系列分けの複雑さはよく知られるところ。試作車で1系列、量産型で新系列、仕様が変わると別系列、投入路線が違うので別系列……路線ごとに車両の定規(車両限界) がすこしずつ異なっていたこと、南大阪線の軌間が1,067mm (一般路線が1,435mm) であること等が遠因である。それでも1990年代にはかなり統一が進み、「シリーズ21」と呼ばれる2000年代の車両では、仕様がほとんど同じになってきた。
今回「つどい」車両に抜擢され大改造を受けたのは、大阪・名古屋線むけ車両2600系グループの一員である2000系 (この時点でなんだかおかしい気がするが、採番の都合のようだ)。3両編成の2107編成(ク2107-モ2013-モ2014) が、独立した2013系を名乗ることになった。2107編成は2000系内で唯一トイレ付きだったことで改造種車になったようだが、語呂の良さも一因ではなかろうか。なお2600系は4扉車でありながらボックスシートを配置し、編成内にトイレも設けられた長距離および団体輸送むけ車両であった。

モ2014 近鉄

モ2014

  • 近鉄山田線 明星←明野 2013-12
  • D7100, AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR, ISO160

外装は車両ごとで左右がほぼ同じイラストが並んでいて (配置は一部入れ替えられていることがわかる)、列車が走る伊勢志摩の名所風物がモチーフである。座席はすべて窓側を向いており、賢島方3号車の定員が最も多い。その外装は志摩の海、リゾートレジャーの代表ともいえるゴルフ(近鉄賢島CCがイメージか)、賢島駅の特別駅長も務めた志摩マリンランドのペンギン、そして英虞湾の海女さん。踊る女性は「パルケエスパーニャ」(鵜方駅からバス) のフラメンコステージ。運転台(助士側)直後には子供用運転台が設置されている。

モ2013 近鉄

モ2013

  • 近鉄志摩線 松尾←加茂 2013-12
  • D7100, AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR, ISO160

2号車は厨房を備えたフリースペース車両 (車端部に座席あり) で、車内イベントや軽食の提供が行われる。外装はもっとも大胆で、フグ・タイ・伊勢エビにアワビと海産四天王のイラストが一部の窓も覆って展開する。散りばめられた丸は英虞(あご) 湾の名産、真珠のイメージだろうか。現在「アーバンライナー」が定着している名阪特急は、一時期「パールズ」という名称で走っていたし、プロ野球近鉄球団のチーム名は創立当初「パールス」であった。

ク2107 近鉄

ク2107

  • 近鉄山田線 明星←明野 2013-12
  • D7100, AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR, ISO160

伊勢市方1号車は半室が「風のあそびば」というフリースペースで、開け放ったドアの一部がスリット状になっていて外気を取り入れられる。南海「天空」、JR東海「Train117」などでもおなじみのスタイル。外装テーマは伊勢、遷宮なった神宮とその門前「おかげ横丁」。右側の窓なし区画は改造の決め手となった(?)トイレ、左側運転台後に見える「人影」はパルケのキャラクター、ダルとチョッキー(人形)。

「つどい」の運行はすこし変わっている。2往復4本の列車は伊勢市からではなく、まず賢島からスタートするのだ。また伊勢市の駅構造は折り返し不可のため、到着した列車は車庫のある明星(みょうじょう) まで回送される。つまり列車としては2往復だが、車両自体は明星〜賢島間を3往復している計算となる。
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開店! おぃしい広島

2013/08/31 00:00
2011年10月、「うどん県」という衝撃的な広告で世間の注目を集めた香川県。ことでんも「ぞぞー」と応援しているが、これに対抗して(?) 翌年3月、「おしい! 広島県」という一見自虐とも取れるキャッチフレーズでアピールをはじめたのが広島県だ。一部の名勝を除くとなかなか知られていない広島の隠れた名産・魅力をアピールする狙いだが、「おしいはおいしいの一歩手前」という意味も込められているという。
それが功を奏したかどうか、2013年夏季のデスティネーションキャンペーン(DC)は広島である。「せとうち広島・宝しま」をコンセプト、「行かなきゃおしい! 広島県」をサブコピーに据えて、県内全域で展開されている。協賛のJRグループでは「サロンカーなにわ」「トワイライトエクスプレス」の団臨(呉線乗り入れ)を筆頭に各種イベント列車も設定され、31日からなつかしの急行〔ちどり〕が復活運転を行う (キハ48 2両)。DCをアピールするラッピング車は広島車両所の115系L-12編成(4両編成)が選ばれ、「まんぷく宝しま号」として7月から運用を開始、広島東洋カープ応援の「カープ電車」L-13編成につづくフルラッピング車となった。ちなみにL編成は体質改善車30N/40Nの転換クロスシート車である。

「宝しま号」ラッピング最大の特徴は、広島県の名物を扱うお店をトリックアート風に描いたデザインである。乗降扉は店舗の入口と重なり、なじみの店、あるいは人気店に入るように乗車できる。また窓もそれぞれの店の雰囲気を反映し、外から見ると乗客もラッピングの一部分として構成されているのが楽しい。黄一色化が進む「おしい! 広島支社」にあって、秀逸の一本といえよう。DC期間中だけというのが実に「おしい!」
そのDCも後半にさしかかったところで、ようやくL-12の撮影に行けた。線路脇の雑草が伸びてくるのはこの時期致し方ないが、影響の少ない場所をなんとか探し通過を待つ。所定より少し遅れて現れた白い電車が通過するとにわか雨になった。

クハ115-2008

クハ115-2008


撮影順番と逆になるが、「宝しま号」を広島方から順番に見ていこう。号車札は付いていないが、便宜的に下関方を1号車とする。
下関方1号車は、広島の食としてまず思い浮かぶお好み焼き。大阪と覇権を競うところだが、実際には広島県内のお好み焼き屋は全国一の数を誇るそうだ。「広島焼き」とも呼ばれる、やきそば または うどんをはさんだ重ね焼きが当地の定番だ。入口脇にはビールサーバーの容器にキャベツの詰まった野菜かご、看板犬までいる。外にも待ち行列用の椅子が並んでいるが、もちろん座れません。

モハ114-2006

モハ114-2006


2号車はおしゃれな喫茶店、あるいはケーキ店? いずれにしてもスイーツのお店だ。この春には県内で「ひろしま菓子博2013」が開催された。入口脇に「広島レモンのスイーツあります!!」という看板がある。あまり知られていないが(というか私も知らなかった)、広島は日本一のレモン産地であり、新名物として発信をはじめている。その一方で「もみじまんじゅうあります!!」ともあるのは、さすが広島というべきか。

モハ115-2006

モハ115-2006


3号車はラーメン。いまや全国区といえる尾道ラーメン、それに汁なし担々麺に呉冷麺と3軒が並んでいる。脇に置いてある岡持とビールケースはラーメン屋らしく、また尾道の店ではネコが客を招いているようだ。「ようこそ広島県へ」ののぼりは、実際に店の脇や道路に立てられていてもおかしくない。

クハ115-2104

クハ115-2104

  • 山陽本線 中庄→庭瀬 2013-8
  • D7100, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO250

岡山方4号車は酒蔵。灘・伏見と並ぶ日本三大酒どころである西条(東広島市) がモデルだ。なまこ壁には仕込みと同時に杉玉が下げられるが、すっかり枯れた色になっているので新酒ができあがった頃か。山陽新幹線の東広島駅舎は酒蔵をイメージした造りになっていて、中に大きな杉玉がつり下げられている。現在橋上駅舎化工事の進む山陽本線の西条駅も、以前構内で杉玉を見た記憶がある。店の前に積まれる酒樽は「宝島(タカラシマ)」、このDCにあわせて仕込まれたもののようだ。

ところで当編成を含む広島区のL編成は21運用だそうで、運用範囲は山陽本線(岡山〜岩国)を中心に呉線・可部線となる。「宝しま号」の充当列車は公式には発表されず、いろんな目撃情報や「流れ」をもとに予測するしかない。広島に投宿した私はお好み焼きを食べたあと、各所情報から運用を調べにかかった。するとその日は糸崎に滞泊のもよう、それはいい。だが翌早朝には岡山方面への上り列車となり、その後も昼間は岡山〜三原の往復ばかりではないか。岡山に泊まれば楽に撮影できたはずなのに……
しかたなしに広島からわざわざ普通列車で倉敷方面へ向かう。しかも午後には広島地区へ戻るため新幹線で折り返さざるを得ず……なんとも非合理的なことで、そういう意味では「おしい!」撮影であった。なお「おしい! 広島県」は2013年7月いっぱいで終了、8月からは「やっぱり、おしい! 広島県」が始まっている。
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ぞぞーとすするはなし

2013/08/10 00:00
岡山を発車した快速〔マリンライナー〕は1時間弱で終着「さぬき高松うどん駅」(高松)へ。うどん県の玄関口を出ると正面に玉藻(たまも) 城とも呼ばれる高松城址があり、その堀 端にある高松築港駅から「ことでん」高松琴平電気鉄道の電車が出発する。高松築港〜琴電琴平の琴平線、瓦町〜長尾の長尾線、瓦町〜琴電志度(しど) の志度線という3路線を営業し、15〜30分間隔で走る電車は地域の気軽な足となっている。

ことちゃん
同社は2001年に事実上の倒産を経験している。これは子会社としていた百貨店「コトデンそごう」倒産 (「そごう」の経営破綻が引き金だった) の余波を受けたもので、民事再生法のもとで再建が図られ、2006年に再生計画が完了した。このとき、それまでの同社の略称「コトデン」が、ひらがなの「ことでん」に変えられている。
そのさなか突如登場したのが、イルカの「ことちゃん」。同社サイトの紹介に「大人の事情により」とまで書かれるキャラクターは、今はやりの「ゆるキャラ」とは一線を画している。というのも、倒産前のコトデンが地域からの信頼を失いつつあったという事情が絡んでいるからだ。「コトデンは、要(い)るか?」つまり琴電は地域に必要なのか? という自問から生まれたキャラクターだったのだ。
新米駅員として2002年から勤務を開始したことちゃんは、同社自体の再生への取り組み、サービス改善策なども手伝って人気が定着。四国初のICカード乗車券「IruCa」の名前およびカード図柄に登場した。さらに、さきごろ行われた「全国ご当地キャラ総選挙」にも出馬して地区予選を勝ち抜き、本選でもみごと得票3位を獲得した。
(右上: 琴電琴平駅改札付近には駅員手作りのことちゃん・ことみちゃん人形が、月替わりで乗客を迎える)

当然のこと、旅客の目に触れるあらゆる場所にことちゃんは登場する。そのもっとも大きいものが電車・バスへのラッピングだ。長尾線には「ことちゃん遍路号」、志度線は「ことちゃん源平号」が走り、琴平線は「ことちゃんこんぴら号」のあと2011年から「ことちゃんひやく号」。「ひやく」とは、同年に開業100(ひゃく) 周年を迎えたことを記念し、さらなる飛躍(ひやく) を願ってつけられたもので、沿線の名所旧跡とことちゃん、ことみちゃん (2003年に恋人として登場、2011年に結婚) が車体いっぱいに装飾されている。
……で、どのあたりが背筋の凍る話なの!? と思った方。タイトルをもう一度ご覧ください。

1204 高松琴平電鉄

1204

  • 高松琴平電鉄琴平線 羽床←滝宮 2013-8
  • D7100, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO160

高松方1204の後部には、さぬきうどんをすすることちゃんのどアップ。「ぞぞー」という擬音がまたツボに入ってしまい、個人的に同編成は「ひやく号」というより「ぞぞー」と呼んでしまう。ちなみに大好物は「釜玉 (かまたま)」とのこと。ぽっこりしたおなかはうどんの食べ過ぎ、先の「総選挙」でも「うどんをもっとおいしくたべます」とある公約の一方「そのうちやせます」……
ことでんも他社出身車が活躍する「動く車両博物館」。1200形はもと京急700形で、18m車としては希有な4扉車である。1,435mm軌間で車両寸法が似ていることもあって京急からの譲渡車両は多く、ほかに先代1000形、先代600形が走っている。かつて一部駅でホームとの隙間が大きく危険であったため、3扉車は中央扉を撤去する改造を受けていたが、改良工事が済んで以降はそのまま入線するようになっている。
琴平方1203にはパートナーのことみちゃんが「もっ」とショートケーキを食す。ケーキ屋さんでアルバイト中、ぽっ (都合により省略) ……閑話休題、この「ひやく号」は当初1年間運行の予定が翌年まで延長、そして現在もなお運行中。土休日の運行日とダイヤは同社サイトの特設ページで公開されている。

1203 高松琴平電鉄

1203

  • 高松琴平電鉄琴平線 羽床←滝宮 2013-8
  • D7100, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO160

琴平といえば「こんぴらさん」でおなじみ金刀比羅宮(ことひらぐう)。ことでんはその前身を金比羅電鉄→琴平電鉄とし、金刀比羅宮への参詣客輸送を主目的に敷設されたが、ほかにも坂出から琴平急行電鉄 (1930-1944休止)、多度津・坂出 (善通寺経由) から琴平参宮電鉄 (1922-1963) が路線を延ばし、JR四国 土讃線の前身である讃岐鉄道 (→山陽鉄道→官有鉄道→国鉄) とあわせ、4路線が小さな門前町へ乗り入れていた。
江戸時代、神仏への参詣は庶民に許された唯一の旅行だったが、同時に大変な苦労を伴うもので、金刀比羅宮にも犬を代参させた「こんぴら狗」の逸話が残る。そんな参詣の願望を果たすものとして、鉄道など交通機関が門前まで伸びてくるのはある意味当然で、伊勢神宮や出雲大社への鉄道敷設も然り、宮島航路もその類型といえる。

1205 高松琴平電鉄

1205

  • 高松琴平電鉄琴平線 羽床←滝宮 2013-8
  • D7100, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO160

車両の更新・冷房化もすすめられ、戦前生まれの車両が走っていた長尾線も2007年に置き換えが完了した。なお旧型車のうち4両が動態保存され (2009年に近代化産業遺産に認定)「レトロ電車」として毎月1回の特別運行を実施しているが、ことしは「うどん県・時間旅行物語」キャンペーンへの協賛企画として、7月6日〜12月1日までは毎土休日と大幅に運転日が拡大されている。



「ことちゃんひやく号」に描かれる名所は? →こちらから (ちなみに反対側も同じ絵柄です)
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上州の風に吹かれて

2011/09/15 00:00
「ググッとぐんま」デスティネーションキャンペーン(DC) 開催中の群馬県、9月は「群馬鉄道月間」と銘打って県内の私鉄も参加したイベントが実施されている。県内を走る鉄道は、JR東日本と東武鉄道のほか、中小私鉄では上毛電気鉄道と上信電鉄、旧国鉄足尾線を受け継いだわたらせ渓谷鐡道。

県庁所在地、JR両毛線の前橋駅からレトロ調シャトルバスに乗ると5分で中央前橋駅。緑濃いケヤキ並木の道を歩いても15分くらいだ。この駅を起点とする上毛電気鉄道は、上毛三山のひとつ 赤城山の麓を走り西桐生まで25km、他線との接続駅は特急〔りょうもう〕も乗り入れる東武線接続の赤城のみで、両端とも単独駅というめずらしい路線だ。
同鉄道の目玉は、本線運転用としては現在日本最古の電車であるデハ101。バラスト散布やイベント向けに時折運転される日は、昔懐かしい釣り掛けモーターの高らかな響きを楽しむことができる。

クハ724 上毛電気鉄道

クハ724

  • 上毛電気鉄道 上泉→赤坂 2011-6
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO250

一般車は何度かの車両入れ替えを経て700型に統一された。京王電鉄から井の頭線3000系を一部先頭車化して譲り受けたもので、3000系は東急車輛製造が米バッド社のライセンス供与を受けて製造した、初期のオールステンレスカーだ。薄いステンレス板の強度確保と歪み隠しのため外板は「コルゲート」という蛇腹状の折り目がつき、光が当たると強く反射する一方でふっくら丸みを帯びた車体はやさしさも感じる。前頭部の上半分はFRP成型によるもので、京王時代は7色に塗り分けて「レインボーカラー」と称した。
18m級3扉の軽量な冷房車とあって、大手私鉄から退いた車両もローカル私鉄の車両更新にはうってつけの出物といえ、上毛のほかには松本電気鉄道(→アルピコ交通)、岳南鉄道 (静岡県富士市)、北陸鉄道 (金沢市)、伊予鉄道へ譲渡されている。あえて難点を挙げればワンマン運転には運転室と前扉が離れすぎるところだが、多くの会社でそうしているように扉付近に置いた運賃箱まで座席を取り払っている。
前面マスクの色は当初薄青緑(フィヨルドグリーン) だったが、のちに編成ごとに塗り分けるようになり、現在は8色の「レインボーカラー」。714-724編成は窓に魚類のイラストを正面と側窓に貼り付けた「はしる水族館」で、718-728は風鈴とアジサイやアサガオの造花を車内に飾った「風鈴電車」となっている。

商業の中心地にある県内最大のターミナル高崎駅。駅ビル「モントレー」は三つの山を意味する仏語からで、新宿経由で伊豆急下田へ走った臨時特急〔モントレー踊り子〕や、165系の新前橋色が通称「モントレー色」だったことを思い出す。
上信電鉄はJR駅構内の片隅、0番のりばから発車する。かつて製糸工業で栄えた富岡を経て、ネギとコンニャクイモの産地 下仁田まで34km、すこし手前には珍駅名・南蛇井駅 (→なんと読む?) がある。県内で完結する路線に「信」がつくのは、長野県佐久地方への延伸を目指していたからだ。高崎以外で接続する鉄道路線はない。
この鉄道の注目車両は「デキ」とよばれる2両の凸型電気機関車 (デキ1形)。大正時代にドイツから輸入された古豪は「上州のシーラカンス」とも称される。貨物列車の牽引機として長年活躍し、現在はイベント用として動態保存されている。一時運転を見合わせていたが群馬DCを前に修理され、ことし4月に本線復帰した。

クモハ153 上信電鉄

クモハ153

  • 上信電鉄 西山名→馬庭 2011-7
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO250

全面広告車が多いのも同電鉄の特徴で、産地と名高いことからコンニャク製品に関するラッピング車が2編成。それらに劣らず目立つ車両が、全身をシマウマ模様に装ったクモハ153-154である。富岡市にある「群馬サファリパーク」の広告で、上信線の各駅にも動物たちの顔写真が貼られて観光客を誘う。ただシマウマ電車に乗って最寄り駅の上州富岡で降りても、バスはないのでタクシーで向かうことになるが。
この車両は西武鉄道の801系だったもので、最近同社では西武から中古車を購入して自社の旧型車両を置き換えている。1編成は松本零士氏の代表作「銀河鉄道999」イメージのラッピング車両となり、この編成は「999号」として特定の列車に運用されている。

ところでシマウマの模様は縦縞? それとも横縞? 縞の向きは、学術的には頭を上、尻を下に置いた場合に見える模様の方向で決まるのだそうで、つまり「ヨコシマなシマウマ発見!」なんて騒ぐまでもないこと (CMでの話ですが) だった。ひるがえって鉄道やバス車両で一般的な横方向ストライプや上記ステンレスカーのコルゲートは、生物学的には縦縞だということに……。
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ばす・おん・れーる

2010/08/30 23:00
「レールバス」――rail (鉄道) なのか bus (バス) なのかよくわかりにくい言葉だが、現在も時刻表のJRページに混ざって載る第三セクター鉄道ページの一部、「全便レールバスで運転」という注釈に気づいた方も少なくないだろう。
レールバスとは、きわめて閑散な区間の輸送にむけて西ドイツ(当時) などで実用化された小型車両で、バスのボディと鉄輪を組み合わせたものだ。ただし DMVや軌陸車と違い、鉄道軌道専用である。
国内では南部縦貫鉄道のキハ101・102 (1997年まで営業し現在は動態保存) が著名。国鉄でも北海道のローカル線などで試用されたが、品質や耐久性の低さ、輸送力と需要のバランスに欠いたことなどから普及しなかった。

1980年代に新生レールバスとして富士重工から小型2軸車 "LE-Car II" が登場。軽量なモノコックボディにエンジン・ドア・窓・エアコンなど自動車汎用部品を多用した低コストの車両は、ちょうど国鉄の特定地方交通線の転換時期に重なり、引き継ぐ三セク会社の立ち上げに好適な車両として重宝された。
最初2軸車だった車両 (現在紀州鉄道に2両残存) は輸送の実態に合わせて2台車ボギー車となり、車体も「バス」とは似ても似つかぬほど大型化していくのだが、ほとんどの会社が単行〜2両のワンマン運転で、整理券と運賃を降車時に払う路線バスと同じような方式になったことを強調する意味で、「レールバス」の名称が使われたと考えられる。

AT-552 会津鉄道

AT-552

  • 会津鉄道 南若松→門田 2010-8
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

会津南部を走る会津鉄道 (西若松〜会津高原尾瀬口)。国鉄会津線が特定地方交通線に指定されたのを受けて鉄道存続のため第三セクター会社が設立、暫定引継ぎのJR東日本から1987年7月に転換開業した。先立って鉄道公団により建設中だった野岩線がこちらも三セクの野岩 (やがん) 鉄道として開業し、その先の東武線を含む相互直通運転を行っている。浅草駅では東武〜野岩〜会津 (西若松まで) の通し乗車券を券売機で販売しており、窓口では会津若松までの4社連絡券も購入可能だ。

開業当初の車両は、新潟鉄工 (現・新潟トランシス) 製の軽快気動車 "NDC" AT-100, 150, 200。富士重の LE-Carとくらべ車体構造は従来の鉄道車両に近いが、レールバスと呼んだ事業者もあった。
NDCにしても初期車の経年淘汰が進んでおり、同社でもAT-100の1両をのぞき初代は廃車された。寿命10〜20年というのは鉄道車両としては短いほうで、各地の三セク鉄道が抱える問題のひとつだ。旅客数が漸減し転換交付金 (国鉄からの切り離しにあたって給付され、赤字補填などの基金として積み立てていた) も底をつく中、これら車両の修繕・更新費を計上しなければならない各社の懐事情が察せられる。
会津は野口英世の故郷 (生家は現在の猪苗代町) であり、最近の同社車両にも英世の姿が登場する。AT-502, 552は現行千円札の肖像となったのを記念したもので、ほかに英世の母シカがしたためた手紙の本文そのもの(!) を載せた「ふるさと列車」も走る。

AT-351 会津鉄道

AT-351

  • 会津鉄道 南若松→門田 2010-8
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

萱葺きの駅舎を持つ湯野上温泉 (ゆのかみおんせん) 駅などもよく知られているが、いま会津鉄道といえば芦ノ牧温泉 (あしのまきおんせん) 駅のネコ駅長「ばす」だろう。駅周辺に住み着いた もと野良(♀) が2008年に名誉駅長へ任命され、たま執行役員同様 駅の利用者増やグッズ売り上げで営業に貢献しているそうだ。
そんな「ばす」が2010年2月、トロッコ車両に登場。先代のAT-300 (もと国鉄キハ30) が老朽廃車となった代替に新製されたAT-350形である。特製の制帽をかぶり、車体に描かれた擬似窓から身を乗り出て隣をうかがい、かと思えば壁にしがみつきながらずり落ちる姿が微笑ましい。車内もばすの足跡や森の動物たち (イラスト)、特製ばす消印が押される郵便ポストなど、いろいろ楽しめそうだ。
この「ばす」が描かれたAT-351は、レールバスタイプのAT-103 (お座敷車)、JR東日本から購入したキハ40改造AT-401 (展望車) と3両編成「お座トロ展望列車」を組む。トロッコ車のオープン窓は寒冷期にはガラスをはめ込み、お座敷も掘りゴタツという雪見仕様となる。
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四角四面

2010/05/01 10:00
新宿をターミナルに八王子や相模原、ミシュランで高評価の高尾山方面へ路線を延ばす京王電鉄。京王と略される鉄道の正式社名は1998年まで京王帝都電鉄だった。「帝都」という響きはいまでは古風だが、この名前は京王と帝都が合体したもので、帝都電鉄は現在の 井の頭線(渋谷〜吉祥寺) のこと。同線はもともと小田原急行電鉄 (現・小田急電鉄) の傘下にあった。
京王線の前身である京王電気軌道・玉南電気鉄道も、戦時統制で東京急行電鉄へ合併させられたが、戦後の分離時に井の頭線は京王側に移動してきた。このため京王線は世界的にも珍しい 1,372mm軌間の鉄道路線である一方、井の頭線はJRなどで一般的な 1,067mm。明大前で交差する両線の線路は当然つながっていないし、新型車両の導入も全く別々に行われている。

クハ6890 京王

クハ6890

  • 京王相模原線 京王永山←若葉台 2009-2
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO500

人口増加で通勤ラッシュが激しくなってきた1970年代、関東の大手私鉄各社は国鉄並みの20m両開き4扉車を導入する。京王帝都は1972年から京王線にこの6000系を製造し、たちまち主力車両になった。都営10号線(→新宿線)の乗り入れに際しても同系が増備され、同線向けのATC装置を装備することから6030番台を名乗る。
前代の5000系が裾を絞り前面も曲線主体で構成されていたのに対し、6000系の印象はとにかく四角四面だ。アルミサッシの一段下降窓はもとより、扉窓に行先・種別表示器、戸袋窓まで角張った造形は、ほかの鉄道車両にはほとんど見られない。重々しくもあるが、統一された寸法がすっきり感じさせるところもデザインの妙だろうか。京王では編成中のパンタグラフ2個以上を原則とし、またその位置も八王子寄りに統一されている。このため増結2両・3両の八王子・橋本方先頭は非電動車でありながら「前パン」を持ち、機関車風の勇ましい姿に魅力を感じる人も多かった。

さらに1980〜90年代、大手私鉄各社は独自のラッシュ対策を打ち出した。通勤車のドアは1.3m幅のもの4つが通常だが、小田急では1000形のドアをなんと2mまで広げ、営団地下鉄 (現・東京メトロ) は東西線で1.8mワイドドア、日比谷線の一部車両を3→5扉とした。京王帝都は多扉化を選択、6000系の扉を4つから5つに増やした6020番台を1999年からラッシュのピークに投入する。いずれも乗降をスムーズにして、列車の遅延を少しでも減らそうという目論見だった。
しかしこれらはあまり成功したとは言えない。ワイドドアはドア付近にかえって人が溜まりやすく、多扉車は扉位置が列車によって変わることで整列乗車への影響が大きい。ドアに食われて減った座席数も、昼間運用ではサービス低下につながった。そのため小田急の2mドアは改造で1.6mまで開口を制限、京王でも扉の減少改造(5→4)という特殊な工事を行った (すでに廃車されている)。

クハ6772-デハ6072-デハ6022-クハ6072 京王

クハ6772-デハ6072-デハ6022-クハ6072

  • 京王動物園線 多摩動物公園 2009-12
  • D700, AF Nikkor 50mm F1.4D, ISO400

京王では2010年度中に全車両をVVVF制御車に置き換える計画である。ほかの仲間は2001年からの9000系導入と引き替えに廃車され、現在は朝のごく一部と支線系統に残るに過ぎない。
そのなかで1編成4両は、動物園線 (高幡不動〜多摩動物公園) 専用車としてワンマン改造とラッピングが行われた。5扉のままだが、1駅間3分という走行時間なら問題にならないということだろう。装飾はもちろん、終点にある東京都多摩動物公園の動物たち。頭上では多摩都市モノレールもラッピング車を走らせているが、そちらがコミックタッチなのに対し、当車は売店で売っていそうなぬいぐるみ風のファンシーなイラストになっている。両者見比べ、乗り比べしてみるのも面白いだろう。
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スイスイ・スゴニモ・ハヤカケン

2010/03/19 23:00
3月13日から、JR東日本の「Suica」と福岡地区のIC乗車券・電子マネー相互利用がはじまった。SuicaグループはJR東日本と東京モノレール, 東京臨海高速鉄道 (りんかい線), 埼玉新都市交通 (ニューシャトル), 仙台空港鉄道, 伊豆急行 (同日より)。福岡地区はSUGOCA (JR九州), nimoca (西日本鉄道: 電車・バス), はやかけん (福岡市交通局: 市営地下鉄) の三社局。福岡では3つのICカードが相次いでサービスインしたものの互いに使えない不便があったが、ようやく解消された。
交通系カードの基幹システムとなったSuicaは、これまでにJR各社のKitaca, TOICA, ICOCAそして関東私鉄のPASMOと相互乗り入れを果たしており (Suica以外を基準にした相互利用の可否は別なので注意)、Suica 1枚で北は岩見沢から南は大牟田まで動き回ることが可能になった。携帯電話に組み込むモバイルSuicaなら新幹線だって乗れるし、東海道・山陽新幹線のEX-ICサービス(有料) を追加することで 青森県から熊本県まできっぷを持たずに移動することも可能である。…熊本県? SUGOCA南端の荒尾駅(鹿児島本線) は県境を越えているのだ。まあその前に西鉄高速バス「ひのくに号」で、熊本市の中心まで行けてしまうのだが。

Suica普及の一翼を担っているのが、キャラクターのペンギンではないだろうか。車内広告やポスター、テレビCMなどにも積極的に出演(?)し、各種グッズの売れ行きも好調ということで後発他社も追従した。現在の「ゆるキャラ」ブームにも相通じるものだが、面白いのはこれらに固有の愛称がほとんどついていないこと。ペンギンはずっと「Suicaのペンギン」で通しており、Kitaca「エゾモモンガ」 PASMO「ロボット」 TOICA「ヒヨコ」、そしてSUGOCAは「カエル」……ICOCA「イコちゃん」のほうがむしろ例外だ。これらもSuicaにならったものだろうか。
西鉄nimocaはイタチの仲間 フェレットを選んだ。シンプルなラインで大きな瞳がかわいらしい。PRのため電車やバスにラッピングも行い、電車では天神大牟田線の看板車両8000系が選ばれている。

ク8046 西日本鉄道

ク8046

  • 西鉄天神大牟田線 端間←味坂 2009-8
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO400

    むせるような夏の日、西鉄電車を撮りに降りた端間(はたま) 駅。田んぼの広がる筑紫平野のど真ん中、気温は高いけれど吹く風でなんとかしのぎ、ワイドアングルやアップと好きなように撮影。それでは本命(?)のラッピング車両を……と思っていたら頭上に怪しげな雲が沸き立ち、たちまち大粒の雨! たまらず近くのビニールハウスに逃げ込んで雨宿りさせてもらったが、その間に下り大牟田ゆきが通過してしまった。
    やむなく、戻りの福岡(天神) ゆきを待つ。博多から乗る「ひかりレールスター」の時刻が迫っており、時間ぎりぎりの選択であった。

    モ8044 西日本鉄道

    モ8044

    • 西鉄天神大牟田線 端間←味坂 2009-8
    • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO400

      天神大牟田線は西鉄電車の基幹路線で、九州一の大都市・福岡市と県南の大牟田市を結ぶ。同線を含む現有路線網はすべて福岡県内で、トンネルがひとつもないのも特徴だ。特急(料金不要) は30分間隔で走っており、福岡(天神)〜大牟田間の所要1時間とかなりの俊足ぶりを発揮する。南半分は需要の少なさから単線区間が多いけれど、特急どうしが離合する箇所のみ複線とすることで待ち合わせ停車 (運転停車) を回避しているのが妙技。
      1000形・2000形につづく特急用車両8000形は1989年の登場で、赤と白のコントラストが鮮やかだ。車内は転換クロスシート (車端ロング) を配置し、さらに運転台直後は特大窓を持った展望席12席と、料金不要の優等列車としてはなかなかのものだ。
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      624 DOOOOOORS!

      2009/12/21 06:24
      2009年は「山手線命名100周年」。開業とか全通でなく、命名を基準に周年を祝うというのも珍しい話だが、同線が私設の日本鉄道が敷設した (1885年) 路線だった関係もあるだろう。
      山手線 (赤羽〜品川・池袋〜田端) という名前が最初に使われたのは1906年の国有化前 (1901年) で、現在に続く電車運転 (1909年12月) や環状運転の開始 (1925年)、「まあるい緑の山手線」を定着させた103系投入 (1963年)、戦後「やまて」とされた読みを本来の「やまのてせん」で公式に設定 (1971年) ……と、同線にはいろいろな節目があったりする。

      ともかく、今年10月12日は当時の鉄道院が赤羽〜品川、池袋〜田端、大崎〜大井聯絡所間の路線名称を山手線と定めた1909年から100周年。これを記念してJR東日本では9月7日から12月4日まで「山手線で逢いましょう。」キャンペーンを開催、あわせて東京総合車両センター所属の クハE231-502 以下11両編成を茶色 (ぶどう色2号) の旧型国電に見立てたチョコレート色でラッピングし、同期間に一般営業運転した。
      山手線でのラッピング車はよく見られることで、この車両もチョコレートでおなじみ明治製菓が特別協賛した広告電車の扱いだった。車号や所属標記を国鉄形ではおなじみの書体 (スミ丸ゴシック) にしているあたり、芸が細かいとは感じるけれど、フィルムを貼り付けるという特性上、窓枠やドア枠がステンレスの銀色で残っている。戦前〜戦後の旧国・ゲタ電というよりはむしろ、阪急電車に近いような感じがしたが、どうだろうか。

      クハE230-502

      クハE230-502

      • 東北本線 上野→鶯谷 2009-11
      • D700, AF Nikkor 50mm F1.4D, ISO200

      2002年から山手線向けに投入されたE231系500番台は、それまでのE231系通勤タイプの実績を踏まえたマイナーチェンジ車。10両編成4M6Tから11両編成6M5Tに編成出力を増強し、各扉上2個の液晶ディスプレイでは路線案内・運行情報と広告を常時表示する。混雑緩和・遅延防止を目的として6扉車を2両連結するのも特徴だ。いまでは東急田園都市線5000系が同タイプの6扉車を3両も連結するようになってインパクトは薄れたけれど、全列車52編成に揃って組み込まれた車両のボリュームは、山手線周辺に集まる人口のエネルギーをどこか感じさせる。
      そんな6扉車も近い将来、ホームドア設置工事に伴って編成を離脱することが明らかになっている。そこで私はこの機会に、現在の山手線を象徴するこの6扉車、52編成104両を数えるサハE230-500番台の624扉を撮り切ってやろう! と思い立ったのだ。

      サハE230-504

      サハE230-504


      サハE230-555

      サハE230-555

      • 東北本線 上野−鶯谷 2009-11
      • D700, AF Nikkor 50mm F1.4D, ISO200

      両数も頻度も桁違いに多い山手線のこと、どれか1両を撮るというのなら実に簡単だし (と言い切ったものか議論はある)、特定の1両を追いかけるのもそれほど難しくはない。しかし1形式全部、100両を超える数をもれなく……となれば話はまったく変わってくる。もとより1日で全部撮れるとは思っていない。もっとも運転頻度の高い平日の朝ラッシュ時で、外回り25・内回り24で合計49本。残り3編成は予備か検査入場中である。土休日になると外回り・内回りとも19本と本数自体は減るけれど、日中時間帯がもっとも多頻度でダイヤも安定していることから、今回は土休日に的を絞った。
      1日目にまず38編成76両、2日目は12編成24両。あっという間に100両まで達したが、3日目はまったく増やせないことがわかったのでこの撮影はパスし、4日目にようやく残り4両を捕捉して全104両が揃った。期間でいうと2週間強で、この間に全検など長期離脱する編成が無かったのは幸運だった。
      両数が多ければ撮影枚数も比例するのは当然のこと。2日目以降は重複も承知、とにかく数を集めて文句のないフルコレクションとしたかった。1両2〜3カットを押さえ、他の形式も撮って……ということで、この旬間でシャッター回数が1,400を超えていた。うち1,000くらいがこのサイドアングルだろう。無謀というかおバカきわまる企画だったが、デジタルでなければこんなことも実行に移さなかったのは確かだ。

      山手線電車が環状線を一周するのに要する時間は60分。もし失敗したとしてもきっちり1時間後には同じ車両がやってくるし、昼間はすれ違い場所もほぼ一定しているので撮影の見通しが比較的立てやすい。60分のダイヤは205系に6扉車(サハ204)が増えたとき以来で、現在のE231系では58分40秒で走れるそうだが (最速では58分10秒)、残り1分20秒をダイヤの余裕時分に充てている。



      ■参考 鉄道ファン2010年2月号特集。全車の写真はp.19〜53本文下にあります
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      1111

      2009/11/11 00:11
      きょうは11月11日。鮭の日、チーズの日、ピーナッツの日、きりたんぽの日、もやしの日、電池の日、配線器具の日、靴下の日 (ペアーズデー・恋人たちの日)、下駄の日、ライターの日、サッカーの日、折り紙の日、宝石の日 (ジュエリーデー)、煙突の日、磁気の日、介護の日、コピーライターの日、西陣の日、そしてポッキー&プリッツの日……ということで強引に、プリッツをかじりながらゾロ目について取り上げてみたい。

      多数の車両を抱えるJRグループではさすがにゾロ目車番、車号111や1111を名乗るものも多い。そのなかでいちばん長かったのは、横須賀・総武快速線を走った113系のクハ111-1111。同車は平成11年、横須賀線開業111周年および同線からの113 (111) 系引退を記念し、特別に111編成を名乗ったうえで、11月11日午前11時11分に大船駅を発車する臨時列車 (横須賀ゆき・11両編成) の東京寄り11号車をつとめた、まさに1づくしの車両だった。
      私鉄に目を向けると、1000系 (形) という「キリ」のいい系列・形式は好んで使われ、大手私鉄を中心にその系列に属する1111を掲げた車両もある。2009年度の車両配置表を読み進めると、小田急・京王 (井の頭線)・京急 (新1000系)・名鉄 (パノラマSuper)・近鉄に在籍車が見つかった。そこから今回は、小田急の1111を選んでみた。

      デハ1111 小田急

      デハ1111

      • 小田急小田原線 開成←栢山 2009-5
      • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO320

      小田急の通勤車といえばロイヤルブルーの帯でおなじみだが、これはまた特急車なみに派手な色使いだ (ステンレス車なのでフィルム貼り付け)。箱根登山電車 (箱根登山鉄道) の車両塗装にあわせたもので、同社線の小田原〜箱根湯本間の各駅停車に使用する1000形の一部が専用車となった。
      登山電車というからには急勾配が特徴だが、その同線にどうやって通勤電車が? と思われるかもしれない。ただ正月恒例「箱根駅伝」の中継をご覧になった方なら、雰囲気としてお分かりいただけるだろう。箱根湯本までは勾配やカーブも比較的緩やかで――といっても都心の路線から考えれば十分きついし、同駅を出たとたんに最大の80‰が待ち構えている――もちろんロマンスカーも箱根温泉の玄関口として乗り入れている。
      この乗り入れは1950年にはじまった。登山電車の軌間は1,435mm、小田急は1,067mmなので、レールを三本敷く「三線軌条」を採用したのが特徴だった。1982年には通勤形20m車も入線できるようになり、さらに2006年には同区間の全営業列車が小田急車での運転になった。分岐器などの複雑な構造が珍しい三線軌条も、車庫のある入生田〜箱根湯本の一駅間に縮小されている。

      クハ1254 小田急

      クハ1254

      • 小田急小田原線 開成←栢山 2009-5
      • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO250

      こちらが1000形本来のスタイル。同社にとってはじめてのステンレス車両だったが、従来の鋼製車と併結する機会がとても多く、連結しても違和感の無いような設計がなされた。こうして見ても、梨地仕上げと呼ばれるつや消し処理の外板、側面雨樋の位置が高い張上げ風の屋根肩、扉・戸袋を含め高さを統一した窓の並び、扉も省略せずつながった帯など、各所に入念なデザインが光る。個人的にはもっとも美しいステンレス車両と評価している。
      景気や輸送情勢の変化などを考えれば致し方の無いことだが、最近登場する車両は同社を含めどこも同じように見えるし、実際共通設計化はかなり進んでいる。こだわりのある通勤車両というのは、もう登場しないのかもしれない。


      ■参考 大手私鉄車両ファイル'09 鉄道ファン2009-9付録
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      タイトル 日 時
      TAMA-Z-DEN
      TAMA-Z-DEN またたまでん? いやいや、TAMAはTAMAでもタマズーの多摩。今回取り上げるのは開業10周年を迎えた多摩都市モノレールです。 ...続きを見る

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      2009/09/23 22:00
      TAMADEN
      TAMADEN わかやま電鉄貴志川線の貴志駅で勤務するスーパー駅長たま。ICHIGO-EC (いちご電車)、OMODEN (おもちゃ電車)に続くイベント電車第三弾として、たまをモデルにしたTAMADENこと「たま電車」がことしの春に登場した。前二者に続き同社デザイン顧問を務める水戸岡鋭治氏が監修、「たまんが」(こたすぎ2氏画)のさまざまなポーズ(全部で101匹) が並ぶ外装も、木をふんだんに用いた車内も猫づくし、の「ネコノミー」な電車である。 猫駅長就任をはじめさまざまな施策の効果も手伝って発足以降乗降客数は... ...続きを見る

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      2009/08/11 01:01
      TAMADEN2
      TAMADEN2 わかやま電鉄貴志川線の貴志駅で勤務するスーパー駅長たま。ICHIGO-EC (いちご電車)、OMODEN (おもちゃ電車)に続くイベント電車第三弾として、たまをモデルにしたTAMADENこと「たま電車」がことしの春に登場した。前二者に続き同社デザイン顧問を務める水戸岡鋭治氏が監修、「たまんが」(こたすぎ2氏画)のさまざまなポーズ(全部で101匹) が並ぶ外装も、木をふんだんに用いた車内も猫づくし、の「ネコロジー」な電車である。 猫駅長就任をはじめさまざまな施策の効果も手伝って発足以降乗降客数は... ...続きを見る

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      2009/08/01 07:00
      愛のさきあと
      愛のさきあと 愛環から名古屋への帰り、八草(やくさ)で降りてリニモに乗り換えた。 「リニモ」―正式名称: 愛知高速交通東部丘陵線は2005年万国博覧会「愛・地球博」アクセス鉄道のひとつで、日本初の浮上式鉄道(法規上は軌道に区分)。浮上は電磁石の吸引力、推進はリニアモータによるHSST方式である。 名古屋から万博会場へ向かう場合は、地下鉄東山線〜リニモが最短ルートだったが、列車は車両長14mの3両編成で、小型なほうの東山線に比べても輸送力は小さい。そんなわけでJR〜愛環の快速〔エキスポシャトル〕で万博八草、... ...続きを見る

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      2009/03/11 01:00
      カラフル!
      カラフル! 最近、首都圏のスーパーなどでも「北海道味物語」というカップラーメンが販売されている。映画「旭山動物園物語」公開記念企画のひとつで、売り上げの一部が寄付され「あさひやま"もっと夢"基金」に充てられるという。 日本最北の動物園――旭川市旭山動物園の沿革、危機と復活について、ここであれこれ話す必要もないだろう。いま名実ともに日本の動物園を代表する存在である。 JR北海道でもJR特急往復+バス+入園券をセットにした「旭山動物園きっぷ」を発売し、札幌圏からの誘客に努めてきた。さらに、2007年春季開園... ...続きを見る

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      2009/02/21 11:00
      TOYAKO SUMMIT
      TOYAKO SUMMIT 第34回主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)が開催される。道内では警備も超厳戒態勢に入っているのだろう。と言っている首都圏も例外ではなく、構内を警官が巡回していたり、駅のコインロッカーが閉鎖されたりなど、影響は少なくない。 さてJR北海道では快速〔エアポート〕に使用する721系の3編成に4月末からラッピングを施して走らせている。また駅構内にはサミットを歓迎する各国の言葉と動物たちの写真があふれていた。でも……首脳はここには来ないでしょう? ...続きを見る

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      2008/07/05 00:58

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      復活国鉄形蒸機!一刀両面 (鉄道ファン連載)

      国内で活躍する動態保存国鉄蒸気機関車、16両(2014年10月現在)各機を両側からとらえたサイドビュー写真と、宮田寛之名誉編集長のみどころ解説でお送りするシリーズ。

      2015年8月号では「番外編」と題し、このたび鉄道博物館に収蔵展示されたEF55形1号機を取り上げます。復活後は「ムーミン」とも呼ばれた、電機としては異例の前後非対称・流線形のボディを振り返ってみました。



      当ブログの「蒸気機関車」各エントリもご覧ください。


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