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<<   作成日時 : 2011/01/15 00:00   >>

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カモステンドリ……ナンですかそれは? 珍鳥? 鳥を捕まえる独特の猟法? はたまたどこかで生まれた新ゆるキャラ!?……とあれこれ想像させておいて、まったく違います。

長崎本線・佐世保線で1976年から運転を開始したエル特急〔かもめ〕と〔みどり〕は、登場時から博多〜肥前山口間で連結している。博多〜鳥栖間は鹿児島本線と共用する高密度区間であり、以前から両線向けの優等列車併結運転は恒常的に行われてきた。両列車の併合部にも485系電車の貫通形クハ481-200番台が投入されたものの、なぜか活用されることはなかった。
1985年から〔かもめ〕と〔みどり〕を個別に運転して博多〜佐賀間で一時間あたりの特急本数を増やす施策がとられ、翌年には全列車が単独運転となった。JR化後に〔かもめ〕の増発で併結運転が再開されたがそれでも貫通路は使われず、九州所属485系は扉そのものが埋め込まれてしまった。

1992年、大村湾に長崎オランダ村の新テーマパーク「ハウステンボス」がオープン。最寄り駅として大村線にハウステンボス駅が開業し、アクセス特急〔ハウステンボス〕乗り入れのため佐世保線の早岐(はいき) から同駅まで電化された。
〔ハウステンボス〕は早岐まで〔みどり〕と併結、さらに両列車は基本的に〔かもめ〕とも併結するため、合計で12〜13両の堂々たる特急列車が登場することになった。そんな長編成を停める余裕があるのか気になるところだが、鹿児島本線や長崎本線は東京から寝台特急列車が乗り入れてきた歴史もあり、各駅ともじゅうぶんなプラットホーム延長は保たれていた。とはいえ博多駅では留置線の関係や列車輸送力の調整などでホーム上での分割併合作業も多く、運用の苦労が垣間見える。
3列車の連結順序は、いつも肥前山口側から〔かもめ〕-〔ハウステンボス〕-〔みどり〕と決まっている。だから全部あわせて「かも・ステン・どり」……とは私が勝手にそう呼んでいるだけだが。485系は他区間の新車投入にともない、2000年から783系に置き換えられた。

クロハ782-3

クロハ782-3

  • 鹿児島本線 原田←天拝山 2010-11
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO250

JRグループ初の新系列車両がこの783系特急形で、1988年に「ハイパーサルーン」の愛称でデビュー。特急形電車としてはじめて構体にステンレスを使用し、すべての車両中央に出入台を設けて前後A・B室それぞれコンパクトな客室を持つのが特徴。指定・自由席や喫煙・禁煙席の区分けを柔軟に設定できるのが利点で、後続する787系や883系などにも中央バゲージラックあるいはセンターブース (ボックス席) の形で継承された。反面いちばん乗り心地の良い車両中央がデッキで、客室が車端よりになってしまうのが難点か。当初は空調機器も全部床下にあって、屋上は振子車並みにスッキリしていた。
窓自体国鉄形よりぐっと大きくなったが、両先頭車の運転台後方区画は仕切りがガラス張り、床をかさ上げ窓高さもさらに拡大した、いわば「パノラマシート」区画。JR九州初期の看板車両として、最高速度130km/hで島内の幹線を軽快に駆けまわった。
0番台のクロハはおもに博多〜熊本間の〔有明〕3・4両編成に使用されていた。登場当初はカンパニーカラーの赤帯+白ストライプだったが、1994年からのリニューアルを機に、787系が採用したテーマカラー (緑赤青黒) を用いたデザインに変更されている。

クロハ782-508

クロハ782-508


中央に挟まれる〔ハウステンボス〕用のクロハ782は、真っ赤なフロントマスクが強烈な印象を与える。4両編成の車両端は先代485系のイメージを受け継いで、赤・黄・青・緑で大胆に塗りわけた。帯部のロゴ "HUIS TEN BOSCH" とは、オランダ語で「森の家」という意味。出入口の脇には、ヨーロッパ旧家にみられる紋章をイメージしたハウステンボスのエンブレムが飾られていた。しかしトンネル走行中に外れて窓ガラスを破損する事故が起きたため取り外され、現在はステッカー貼り付けとなっている。
全体に小窓が並んでいる車両はもと全室グリーン車クロ782形で、鹿児島〔有明〕(のちに〔つばめ〕)を中心に使用。編成短縮のため後方B室を普通席に改装し、クロハ782-500番台となった。

クロハ782-102

クロハ782-102


〔ハウステンボス〕の博多方と〔みどり〕の早岐方は中間普通車を先頭車化したもので、両編成間の貫通路もこんどは使用されている。100番台のA室はグリーン席に変更された。
列車名が〔みどり〕なのでイメージカラーも緑色。だが先代の485系はなんと「赤いみどり」だった。485系レッドエクスプレスは水戸岡鋭治氏による初期鉄道作品のひとつで、1990年の「赤いかもめ」を皮切りに九州の同系は次々と赤一色に染まっていった。原色塗りの車体にさまざまなレタリングを施した外装、正反対に暗色系を中心とする落ち着いた室内は、水戸岡デザインの特徴を示すものといえる。ボンネット車も例外なく変えられたのにはさすがに違和感をおぼえたものだが。

九州特急ならではの光景のひとつ、三様の三階建て特急列車は、じつはもうすぐ見納め。3月の九州新幹線全通によって〔リレーつばめ〕〔有明〕の任を解かれる787系が転用されて、改正以降〔かもめ〕は「白いかもめ」885系を含めすべて単独運転となる。
四半世紀のランデブーを続けてきた〔かもめ〕と〔みどり〕。両列車間の通り抜けは結局できないまま、その歴史に区切りをつけることになりそうだ。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
「かもステンどり」?
はい!すぐにわかりましたよ〜
博多に初めて降り立ったとき、次々やってるいろんな列車にキョロキョロしていたのですが、3つの列車が連結された特急には驚きましたから!
しかし、ハウステンボスの車両はほんとカラフルですね。遊園地行きのウキウキ感いっぱいです(JRっぽくないですけど〜水戸岡デザインだから許す(笑))
さくらねこ
URL
2011/01/16 00:58
こんばんは。

かつては多層建て列車ってけっこうありましたよね。
こちらでも急行で見られたもので、私が覚えているのは「大雪」・「紋別」・「はぼろ」がありました。
3階建てになると13両にもなっていたので印象に残っています。

九州で見られる多層建て列車もいよいよ見納めですか。
貫通形の利点を最後まで生かさなかったという話は興味深いです。
そういえば781系のライラックでも4両+4両で運転されていたことがありました。
こちらも九州の783系と同じく行き来できませんでしたから印象に残ったものです。

それにしても783系からJR形車両が始まるわけですが、どれも国鉄を払拭するデザインとなって今に至っているんですよね。
加藤 勝
URL
2011/01/17 01:18
こんにちは。
ご挨拶が大変遅くなってしまいましたが、今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

「かもステンどり」・・・私には何のことやら、思惑通り?新ゆるキャラかと思ってしまいました。

3つの列車が連結されて13両ですか。走行シーンは見ごたえがありそうですね。といっても、この光景は3月で見納めとなってしまうのですね。
「かもめ」というと、は白いソニックが「白いかもめ」で走る885系が浮かんだのですが、そのルートとは違うのですね。
遠い地なので、車両とルートの正確な組み合わせが今ひとつ掴めていません(汗)。いつ見てもJR九州のカラフルな色使いは、ステンレス車両にも効果的に使われていて、やっぱり目を惹くなぁと思います。
水無月
URL
2011/01/17 11:38
こんにちは。

私も題名、すぐに分かりました(笑)
783系も登場時の姿から今の姿への変貌ぶりは凄いですよね。列車によってそれぞれの塗装の塗り分けがあるのも面白く、この三階建て特急では一度にそれが確認できるのが良いですね。
そういえば以前、某動画サイトでこの783系の動画を見た時に電子ホーンがこちらの785系とソックリで不思議と親近感が湧きました(笑)

そんな三階建て特急も3月で見納めなのですね。
存在感が大きかっただけに、見られなくなるとは残念です。
特急北斗
2011/01/17 15:37
さくらねこさん こんばんは。すっかりお返事が遅くなってしまいました。
やはり簡単に分かってしまいましたか(笑)

三者三様の三階建て特急という姿は、博多駅に数多く出入りする特急の中でも群を抜いて目立ちますね。なかでも〔ハウステンボス〕は「おもちゃの列車」というコンセプトだそうですから、ハウステンボスへ向かう列車としてはピッタリですね。実際には〔みどり〕の自由席としても使われちゃっていますが(笑)
485系の時代は全面塗装でもっとカラフルでした。現在宮崎に行っていますが、こちらもまもなく引退ですね。各地でがんばってきた国鉄特急形、とうとう最終章へ向かいだす一年となりそうです。
宮本康宏
2011/01/21 00:20
加藤さん こんばんは。お返事が遅くなってしまいました。

かつては全国各地で見られた多層立て列車、古い時刻表を見るとよくまあそこまで直通させていたもんだと思ったり(笑) 急行によるものがほとんどで国鉄末期には消滅していましたから、JRの特急で復活するとは意外でした。
485系貫通形はもともと東北特急で使う計画が中止となり、〔かもめ〕〔みどり〕が併結するということでわざわざ転属させ九州ボンネットと交換したりしていましたが、けっきょく使う機会がなかったようで、そのうち行われた先頭車化はほぼ非貫通形となってしまいましたね。

783系といえばJR初の新型車両なので、考えてみるともうベテランの域です。大胆なデザインに愛称表示器もなく、車両の形自体がブランドとなっていくさきがけともいえるものでした。

〔ライラック〕での781系4連の非貫通2併結、ありましたね。私がいちばん驚いたのは0系R編成が6×2で運転したことかな……。
宮本康宏
2011/01/21 00:26
水無月さん こんばんは。
こちらこそ遅くなりましたが、本年もよろしくお願いします。

ことしもいろんなゆるキャラが増殖しそうですね(笑) って話は置いといて、九州にはこのような3併結の長編成列車がいまでも残っています。残念ながら3月改正までのようですが、向こうから直線をすっ飛んでくる姿はなかなかの迫力ですね。三者のデザインの違いを見られるのも興味深いです。

ちなみに783系かもめは「白いかもめ」と走るルート自体はまったく同じで、停車駅もほとんど変わりませんが、時間は10分程度差が出ています。設備的にも白いほうが好まれるようですね。
ステンレス車体というと無機質な感じがしますが、そこはさすがJR九州といいますか、うまく色を使ったデザインをしているなあと思います。
宮本康宏
2011/01/21 00:28
特急北斗さん こんばんは。お返事遅くなってしまいました。やはりすぐにおわかりですか(笑)

783系といえばJR最初の新系列車で、またはじめてのステンレス特急でした。シンプルなラインがスマートさを演出していたように思いますが、リニューアルや転用を機に列車ごとのデザインの違いもでてきて、とくにこの三階建て特急では一度の撮影で全部見られるという美味しい列車でした(笑) 軽い特急のさきがけですが、電子ホーンというのも民営化後ならでは、そして785系と同じ音色なのですね。

堂々三階建ての姿が3月で解消されてしまうのはちょっと残念ですが、かわりに真っ赤な「ハウステンボス」が先頭に立つ姿が、鹿児島線内でも多く見られるようになりますね。
宮本康宏
2011/01/21 00:32

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