Next N'EX

謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年もどうぞよろしくお付き合いください。
ということで、気分も新たに次の時代へ……新型車両からスタート。


東京都心と成田国際空港をノンストップで結ぶ、JR東日本の特急〔成田エクスプレス〕(N'EX)。12両という在来線特急では長大な編成が30分間隔で総武・成田線を行き来する、空港アクセス列車の代表のひとつといえる。
成田線の支線となる成田~成田空港間は、かつて計画されていた成田新幹線のルートをたどっている。東京と新東京国際空港(当時)を30分で結ぶアクセス鉄道になるはずだったが、反対運動から用地買収が難航して計画が完全にストップ。国鉄分割民営化と同時に計画自体が消滅し、成田周辺に完成していた高架橋や旅客ターミナル直下の地下駅躯体などが利用のあても無く放置されていた。国鉄の空港アクセスは成田駅から一般路線バスというほぼ無関心状態で、空港乗り入れを待ち望んでいた京成電鉄も、ターミナルからかなり離れた場所を成田空港駅 (現・東成田) として、シャトルバスで連絡せざるを得なかった。
それが当時の運輸相 (現・都知事) の「鶴の一声」で、この施設を活用した空港アクセス鉄道整備が決定。JR・京成がそれぞれ単線で乗り入れ (軌間がそれぞれ1,067mm・1,435mmと違う)、1991年3月に両線の新・成田空港駅が開業した。のちに第2ターミナルビルの開設にあわせ、空港第2ビル駅も開業している。

JRと京成は所要時間ではほぼ互角といえるが、N'EXは首都圏の路線ネットワークを活かして山手線沿線の副都心や横浜へ直通するとあって、全列車全車指定席、割安なB特急料金区間でも本列車のみA特急料金を適用、と強気の姿勢に出た。対する京成も「スカイライナー」(車両愛称であり列車種別でもある) に新型車AE-100形を投入。先頭部に非常扉を設けて地下鉄都営浅草線~羽田空港方面への直通を視野に入れていたが、諸々の事情から結局行われないまま今日まで来ている。
N'EX専用の253系電車は3両編成で登場。JR東日本の特急としては短い単位だが、これは6両編成を東京で分割し、新宿と横浜へそれぞれ運転するためだった。ちょうど好景気にも重なって利用は順調に伸び、半数は6両編成へ増強されている。
普通車は向かい合わせ固定のボックスシートで、583系以来の採用。シートピッチや足元空間を広く取って、荷物などを置けるメリットを強調したけれど、やはり特急列車で向かい合わせや後ろ向きに座らされることには抵抗が強かった。サッカーワールドカップ日韓大会を機に増備された車両は回転式シートとし、従来車も客室中央向きに座席を固定した「集団見合い式」に配置変更されている。

クロE259-4

クロE259-4

  • 総武本線 佐倉←物井 2009-10
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

そのN'EXに2009年、新型車両E259系が登場。10月から営業運転を開始した。
いうまでもなく253系はJR生まれの新世代、にもかかわらずリニューアルではなく新車代替となったのは、京成が北総線を延伸、幻の成田新幹線区間を経由して空港へ直結する成田新高速鉄道「成田スカイアクセス」を、7月に開業させることへの対抗措置とされる。新線は都心に近い京成高砂から成田までほぼ一直線、しかも新スカイライナーAE形では民鉄の国内最高に並ぶ160km/h運転を予定しているからだ。もちろん自家用車やリムジンバスなど、ほかの交通機関に対する競争力維持も含まれていよう。
E257系をベースにした6両編成は、E653系・E655系 (なごみ/新お召電車) ともほぼ同じ設計・車体断面となっている。カラーリングは253系を継承し、北極圏の太陽をイメージした肩部の赤が鮮烈だ。前頭を大きく絞り込み、屋根上に飛び出した運転台の真下に貫通路を設けるスタイルは、JR北海道の特急形車両と何かにつけ比較されるところ。貫通形ではあるが乗客の行き来ができなかった253系とは違い、こちらは連結時いつでも通り抜けができる。なお、両系列の併結運転は行われない。

成田空港へ本来の目的で行くことがいまだに無い私だが、撮影後に空港まで足を運んで (ちょうど警備強化日にあたってしまい、セキュリティエリアを出られないかと思った) E259系の列車に乗った。ほかの特急より若干広いピッチの座席は先代と同じく黒に赤のワンポイント。4ヶ国語の車内案内 (LCD・放送)、全席装備のモバイル用ACコンセント、WiMAXワイヤレスブロードバンド接続環境など、当代の特急列車としてふさわしい設備を整えている。

クロ253-3

クロ253-3

  • 総武本線 佐倉→物井 2009-9
  • D700, AF-S VR-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G, ISO400

同系の増備は今後も続き、全132両をもって夏ごろには置き換えが完了する。入れ替わりに111両もの余剰車が発生する253系だが、まだ今後の行方が明らかにされておらず、各種の憶測を呼んでいるようだ。首都圏近郊の波動用として残存する183・189系の置き換えというところが一番妥当だろう。

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