コアラとユーカリ

やままん…と聞いてすぐ場所のわかる人は相当な「乗り鉄」か「資料鉄」だろうが、ユーカリ…と続けば「あそこか!」とわかる趣味者もすこしは多くなると思う。
山万は千葉・神奈川県を基盤とする不動産デベロッパーで、千葉市のすこし北、臼井近くの里山を「ユーカリが丘」と名づけ大規模な都市開発を行った。その中を移動する交通機関に、中量輸送の手段として注目が集まっていた「新交通システム」を採用、地方鉄道法 (当時) に基づいて1982年に開業したユーカリが丘線を、現在も直営で営業している。

1101-1301-1201 山万

1101-1301-1201

  • 山万ユーカリが丘線 中学校←女子大 2009-3
  • D700, AF-S VR-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G, ISO200

新交通システムの法規上の区分は、「案内軌条式鉄道」または「軌道 (案内軌条式)」。これは走行用と独立したガイドレールを使って軌道走行を行うものが対象で、札幌市の地下鉄 (札幌市交通局) 3路線もここに含まれている。1981年に神戸で開業したポートライナーの影響を受け、1980年代には国内各地で同様の新交通システムが走り出した。多くは遠隔制御の無人運転またはATO・自動運転だが、ユーカリが丘線は運転士が操縦するワンマン運転。システムは日本車輌が開発した「VONA」で、同システムの桃花台新交通 (愛知県) が2006年に廃止後は唯一の採用例となっている。
所属車両1000系の3両編成が3本という陣容は開業以来変わっていない。走行タイヤもカバーで覆った丸っこい車体と ユーカリが丘という地名から、「こあら1~3号」の愛称がつけられた。冷房は現在も装備されておらず、その意味でも貴重(?)な存在だ。

路線は京成本線に同時開業したユーカリが丘を起点としてテニスラケット状のリバース線を左回りで走るので、一周ごとに編成向きが変わる (運賃は均一乗り切り制)。途中駅は公園、女子大、中学校という単純な名前が多い。先日同社は駅名を公募で変更しようとしたが、いまの駅名で残してほしいという住民の意向を受けて取りやめとなった。素っ気無い駅名でも、25年を超えてランドマークとしてすっかり定着してしまった感がある。
各駅を基点として住宅地が広がっているが、ループの内側にはいまでも田んぼと里山が残っている。起点近くの高層マンションを見上げる高架からループの左右、そして掘割・トンネルと、一周14分のミニトリップで変化に富んだ車窓を楽しめる。

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