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zoom RSS 復活・夢の行路

<<   作成日時 : 2015/01/01 00:00   >>

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謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本年もよろしくお願いいたします。

7月、岩手・釜石線。2月の訪問時には雪に埋もれていた水田と葉を落とした木々は、どちらも緑濃い山里の夏景色に変わっている。
正午を過ぎてしばらく後、右手から汽笛が聞こえてきた。花巻ゆき〔SL銀河〕の接近だ。釜石線のサミットである仙人峠越えを果たしたC58 239とPDCキハ144系は、足取りも軽く勾配を駆け下りてくる。夏らしく黒い薄煙が煙突からたなびいていった。

C58 239

C58 239

  • 釜石線 岩手上郷←平倉 2014-7
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO250

2014年4月、東北に蒸機が復活した。JR東日本所属として4機目のSLは盛岡市内で保存されていたC58 239。地域復興を目指して復帰整備された同機は〔SL銀河〕として、花巻〜釜石間で運転を開始。PDCとの協調運転という異例の姿ながらも、牽引機としての責務を11月までを無事に果たした。
C58の復活は国鉄時代にC57 1の僚機として整備された1号機 (現在は静態保存)、秩父鉄道の363号機につづき3機目である。239号機が1943〜1970年まで宮古機関区に在籍したのに対し、363も1944年の新製配置が釜石区だった(〜1947)から、肩を並べる機会も多かったはずだ。
軸配置は1C1/2-6-2/プレーリー(Prairie)。8620と9600の後継機として設計された同形は、ローカル線の客貨物列車を中心に活躍した。国鉄最後の蒸機となるはずだったC63も、同タイプの軸配置で設計されていた。

釜石線は花巻〜遠野〜足ヶ瀬〜仙人峠が岩手軽便鉄道として敷設された一方で、山を隔てた太平洋側では製鉄産業が立ち上がる釜石への鉱石輸送を目的として、大橋(→陸中大橋)〜釜石まで日本で三番目の鉄道が開設されていた。この鉄道はいったん廃止され、馬車鉄道を経て釜石鉱山鉄道となる。
岩手軽便は仙人峠駅から大橋への接続を目指したが、間に立ちはだかる峠を当時の技術では克服できず、仙人峠駅と大橋駅のあいだでは物資の輸送を索道つまりロープウェイで行い、人は険しい山道を歩いて行かなければならなかった。

C58 239

C58 239

  • 釜石線 岩手二日町→綾織 2014-2
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

岩手軽便線が国鉄に編入された後もこの特殊な輸送形態は継続したが、戦後台風により山田線が被災したのを機に同区間の鉄道建設が急がれた。先だって1944年には釜石〜陸中大橋間が開業 (鉱山鉄道とほぼ並走) しており、1950年に足ヶ瀬〜陸中大橋間も開業し釜石線は全通した。
線路は仙人峠から大きく南側に迂回して敷設され、陸中大橋付近ではオメガループ(半ループ) で距離を稼いでいる。それでもなお急勾配とトンネルの連続する険しいルートであるため、〔SL銀河〕客車は種車の装備を活用し、動力協調を行うことになった。2012年に久々復活したD51 498〔SL銀河ドリーム号〕でも、この区間はDE10重連が先頭に連結されている。

営業運転に先立って動力協調の試運転が繰り返し行われていた2月、うつくしい白煙が遠野の里に立ちのぼった。新製当時以上の姿となった同機の牽引性能は、PDCの力を借りずとも陸中大橋→上有住の勾配を乗り切れるくらいだったそうだが、旅客車内の快適性なども配慮して動力の配分が決められたという。
復元はJR東日本のこれまでの復活機と同様に現役当時に近い形を保ちつつ、ATS-P搭載 (Ps併設) とデジタル無線の整備など現代むけの装備も兼ねている。東北各地はもとより首都圏への出張まで可能であるから、将来的には363号機との再会も果たせるのではないだろうか。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは!
ご無沙汰です。続々とSLの復活が続きますね。公園展示の車が復活するなんて・・・(^_^)。

この勢いで電気機関車も復活させて欲しいなあと思ってみたりします。難しいですね(⌒-⌒; )
teru
2015/01/17 18:26
teruさん こんばんは。

〔SL銀河〕は4月から運行再開で、雪景色や白鳥との共演はまたの機会ですね。
JR西でもD51 200の本線復帰に着手するなど、蒸気機関車の復活が続きます。多くが公園など公開地での静態保存からの整備ですが、状態は多々あれど候補となる数が多いというところに他の車種と明確な違いが見られます。
宮本康宏
2015/01/27 23:51

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