レアコレ!

首都圏のJR線におなじみの顔となったE233系。今年初めから投入してきた横浜線(6000番台)が205系の置き換えを完了、つづいて南武線8000番台も落成し10月から営業開始することになっている。
一気呵成の集中増備という点はE231系と同じ様相だが、E233系の車号は投入線区ごとで番台区分され、編成内でもきれいに下2桁が揃えられている。路線ごとに1000番飛びの車号を使っていく中で4000だけが空欄となっており、E231系500番台の投入から償却期間の13年が経ち世代交代も視野に入る山手線が使用するのかとも思われた。しかし同線にはシステムとデザインをさらに刷新したE235系の投入 (新造10両とサハE231-4600から改造1両) が決定し、E233系の増備は現時点では合計3,172両で打ち止め、総製造数は惜しくも103系に届かないことになった。

同一形式同一番台で100両を超えるものは1つもないが、規模が規模だけに各区分の在籍数も自然と多くなる (最大は京浜東北線の83)。そんな大所帯の中にも「レアもの」と呼ぶべき少数在籍車が混じっていたりするのは興味深いところ。先日このE233系を全番台区分撮ったのだが (その数横浜線までで82種!)、となると在籍の少ない番台をどう集めるかが課題といえた。ここではその「E233これくしょん」から、希少車トップ3をながめてみたい。

クハE233-5503

クハE233-5503

  • 外房線 長者町→太東 2014-5
  • D7100, AF-S NIKKOR 70-200mm F4G VR ED, ISO160

第3位は京葉線5000番台。クハE233・E232形5500番台、モハE233・232形5600番台がそれぞれ4両ずつである。
東京~蘇我間を運転する赤帯の電車は、朝夕の通勤快速として内房線・外房線へ直通、昼間に外房線へ快速が直通 (蘇我~上総一ノ宮間は各駅停車) する。なかでも朝と夜に1本ずつ、大網(おおあみ) から東金(とうがね) 線を通って総武本線の成東(なるとう) まで乗り入れる列車は4両編成で、外房線の6両と分割併合運転するのが特徴。この東金運用は京葉線の全通から設定され、かつての103系や201系に6-4分割編成が残っていたのはこれに充当するためだった。したがってE233系化の際にも24編成中4編成が分割対応で製造されている。10両にした時の両端クハと6連のモハは10連からの連番。

モハE233-5603

モハE233-5603

  • 東金線 大網←福俵 2014-5
  • D7100, AF-S NIKKOR 70-200mm F4G VR ED, ISO160


ふだんは10連といっしょに京葉線で動いてはいるものの、同区間は高架ばかりで撮影に適さない。実質撮れるのは朝の東京ゆき1本が京葉線に入るまでしかなく、圏央道を通って早朝の外房へ。ここで勝浦を始発とする6両編成を狙ってから、東金線へ向かう。外房線と東金線の接続する大網はホームの位置が離れているため、分割併合はふたつ東京寄りの誉田(ほんだ) で行われる。
外房線編成は上総一ノ宮で長めに停車しているから、その間に東金線側へまわりこめると踏んで九十九里浜をショートカットしたが、タイミング的にはぎりぎり。果たして撮影ポイントに到着したと思う間もなく電車が通過した。早暁にこっちのロケハンをしておいたのが功を奏したが、あとで調べなおせば東京ゆきになる前に大網発成東ゆきが運転されていることに気づいたり。

第2位は東海道線、湘南帯の3000番台に。同番台は近郊タイプということで唯一編成内にトイレを装備するが、レア車はそれに関係してできたものだ。
国鉄末期から活躍した211系電車の普通車トイレは、田町区(電車区)→田町セ(車両センター) 配置車では1・11号車クハ210と10号車クハ211に、新前橋区→高崎セ配置車は5両編成の上野方クハ210 (1・6・11号車相当) に設置された。このトイレ位置はE231系 (小山セと国府津セに配置) でも踏襲され、湘南新宿ラインと宇都宮・高崎線では国府津車・小山車が混在するので、列車によってトイレの場所が違うという状況になっていた。

モハE232-3201

モハE232-3201

  • 国府津車両センター→国府津 2008-4
  • D200, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO100

E233系3000番台自体は、いったん国府津セへ転属してきたE217系3編成が機器更新の都合で2編成鎌倉セに戻るので、代替として製造された2編成が最初である。これは他の東海道線車とおなじく普通車トイレを1・10号車に設けたが、その後211系置き換えで再度増備を開始したとき、6・10号車の両方にトイレを設置することになった。
もともと6号車に連結されていたのはモハE232-3000で、サービス電源用の静止型インバータ(SIV) と空気圧縮機(CP) が床下に搭載されている。ここにトイレ用の水タンクを追加するスペースがないので、新編成ではこれを8号車へと移動し、6号車にはCPとトイレ設備を搭載した新区分の3800番台を挿入した。このとき車号を揃えるため3801, 3802は欠番となり、あわせて予備パンタを屋上に置くモハE233-3000の連結位置も、7号車から3号車へ変更されている。これら組み換えの結果、もともと8号車に連結されていた3200番台(CPのみ搭載) が押し出されてしまい、同区分が2両にとどまることになった。

モハE232-3828

モハE232-3828

  • 高崎線 熊谷(タ)←籠原 2013-5
  • D7100, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO160

第1位は、2位が2両だから当然かもしれないが、たった1両、しかもいちばんの大所帯である1000番台に……。ただしこの車両は番台区分ではない。
JR東日本では、総合検測車 East i-E(E491系)と -D(キヤE193系)の2編成が管轄在来線のほぼすべてを巡回し、軌道や電気設備のチェックを定期的に行っている。この測定の一部を営業列車に搭載すれば日常的に軌道の測定が可能になるとして、2013年から京浜東北線車両の1両に「線路設備モニタリング装置」が搭載され、営業運転士ながら実測を行っている。

サハE233-1255

サハE233-1255

  • 東海道本線 新子安→東神奈川 2014-5
  • D700, AF Nikkor 50mm F1.4D, ISO400

線路設備モニタリング装置とは、軌道材料モニタリング装置と軌道変位検測装置を組み合わせた装置で、営業列車で走行中に軌道のデータを採取記録する。測定中はLEDライトとレーザ光で軌道を照射するので、荒天時には床下で怪しげな光を放つ姿が見られるとか。
で、その1両というのがサハE233-1209、浦和セ所属 ウラ109編成の9号車 (大宮方から2両目)に連結されている。先に記したが京浜東北線の車両は83編成、よそへは行かないといっても大船~大宮間は81kmもあるわけで、これを押さえるには運用を念入りに調べるか早朝から沿線に張り付いてくるのを待つしかなさそうだが……
そんな車両をとらえられたのは、横浜線6000番台と一緒に東神奈川付近で撮影している時に、たまたま北上する109編成を見つけたからだった。電車は赤羽ゆき、これなら確実に戻ってくるはず (南浦和行きだと入庫される可能性も)。駅にいったん戻り、小休止してから再度捕獲地点へ。しかしこの場所、横須賀線(湘南新宿ライン)、東海道線、京浜東北線北行、横浜線という線路配置の向こうにようやく京浜東北線南行という場所だから、どれかひとつでも電車が来ればアウトである。

サハE233-1209

サハE233-1209

  • 東海道本線 新子安→東神奈川 2014-5
  • D700, AF Nikkor 50mm F1.4D, ISO400

頻繁にさえぎる列車群の間隙を縫って通過した南行電車の9号車は、見比べればたしかに機器の配置が異なる。といってもホーム上をはじめふだん見る範囲ではほかの号車、残りの編成とまったく変わりがない。いまでは「ドクターイエロー」とか「イーストアイ」の名を知る人の数も相当増えたとは思うが、同車にたまたま乗った人は床下でそれに似たような動きをしているとは、まず思わないだろう。

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