EAST / WEST

つの間にか北陸新幹線の金沢開業までひと冬を残すのみに。開業時には物議をかもした「長野行新幹線」という表現もいつしか「長野新幹線」に置き換わり、延伸後の呼称にまたひと悶着あったが「北陸新幹線(長野経由)」という形で落ち着きそうだ。
かつて〔あさひ〕と接続した速達特急の復活となる〔かがやき〕など4種の名称で走る北陸新幹線は、JR東日本・西日本の共同開発したE7系とW7系で走ることになる。E7系は2014年3月改正から長野新幹線〔あさま〕で先行デビューし、以降増備に従ってE2系を順次置き換えている。いっぽうW7系は白山総合車両所(金沢)に搬入され、新開業区間での試運転がこれから行われる。
えに記した通りW7系はE7系とと同仕様だが、各車の番台区分方法がまるきり異なり、たとえば両先頭車のE723形0番台, E714形0番台に対しW723形100番台, W714形500番台となるのが興味深い。車内もE7系と同じ見付で、一般の乗客が会社の違いに気づくことはないだろう。ちなみに路線としては上越妙高(現・脇野田) までJR東の所属であるが、乗務員は長野を境に担当を分けるという。

まや長野駅のホームにE7系が2編成並ぶ姿も珍しくない。そのE7系〔あさま〕グランクラスを体験。現在は東北新幹線の一部列車と同様に「シートのみ営業」となり、専任アテンダントのサービス (アルコールを含むフリードリンクと軽食の提供) は省略される。
長野五輪輸送で一時的に200系12連が入線したことはあるが、E7系導入に向け本格的に延長整備されたホームを進むと、「G」をシンボル化したマークの出入口に着いた。12号車グランクラスの形式はE714で、その車号あるいはきっぷの標記にもあるとおり制度上はグリーン車である。
ぐるような造形が目につくこのところの新幹線からすると、E7・W7前頭部の造形は素直なフォルムで、最高320km/hで風を切り拓くE5系と比べるとその差は際立つ。台車カバー、連結面の周回幌に車体間ダンパも省略されたのは、北陸新幹線 (現行開業区間の長野新幹線も含む) の最高速度が260km/hのためだが、大宮~高崎間は現在でも最高240km/hなのでむしろ速いとも。なお東北新幹線ではE2・E3と同等の275km/hで走れる。

E714-5

E714-5

  • 上越新幹線 熊谷 2014-4
  • D700, AF Nikkor 18-35mm F3.5-4.5D, ISO200


でに東北路ではおなじみのグランクラスは編成長野方先頭12号車にあり、グリーン車にも隔てられているから (車内放送等でも普通車客の「立入りはご遠慮」いただいている) 喧騒とはほぼ無縁の空間になる。乗車口が階段から離れてしまうのが難点といえば難点だが。
グランクラスの座席定員と客室サイズはE5系と同じだから、ノーズが短くなってできた空間は付帯設備に回されている。具体的には前位側の扉 (JR東日本の新幹線は全車東京方が「前」だ)、それからグリーン車と共用する洗面所設備の一部である。11号車グリーン車は乗務員室が6号車へ移ったことも影響して定員が4名増え(E2比では+8名)、車端まで座席が並ぶ。
飾り柱の朱が目立つデッキから2-1列の室内に入り、E5とはメーカーが異なる革張りのシートに腰掛けた。電動リクライニングボタンを押すと座席はどんどん倒れていき、思わず笑ってしまう。背もたれ・座面・レッグレストは個別に調整も可能だ。航空機の上級クラス同様のバックシェルとピッチの余裕もあって座席の前は余裕たっぷり。
べるように発車した列車は善光寺平を抜けて長いトンネルへ。モーターなしということを差し引いても、室内への走行音は低く抑えられている。なにしろ壁の厚さが普通車・グリーン車の105mmに対し180mmも取られているのだ。そのスペースも活かして窓枠まわりは間接照明で演出されている。

E514-20

E514-20

  • 東北新幹線 那須塩原 2013-4
  • D700, AF Nikkor 18-35mm F3.5-4.5D, ISO400

ちゅう駅からの乗客を加えても車内は落ち着いていて、碓氷峠を降りて関東平野へ向かう。普通車の様子は知る由もないが、これまで8両だったのに比べればずいぶん余裕があるはずだ。
シートのみ営業サービスは文字どおりのあっさりしたもので、始発駅での「お迎え」もなければ、〔はやぶさ〕〔こまち〕〔はやて〕ならグリーン車でも行われるソフトドリンクのサービスも無し。フルサービスに比べれば安いといってもグリーン車よりはまだ高い座席、また使うか? と問われるとグリーン車でいいかな……というところだが、北陸まで伸びて本格サービスが開始してからのお楽しみということだ。いやその前に、東北新幹線のほうで一度は体験しておきたいところだが……。
もあれ乗り心地に座り心地は堪能できた試乗も東京終着、列車はさっそく折り返し整備に入る。ホームから眺めていると中でチカチカと光が点滅するのは、読書灯の点検も兼ねているのだろう。E5系でも見られるがグランクラス独特のシーンである。
かならず進行方向へセットされる座席は、整備にあわせ手回しで転換する。あまり知られていないが、E514の座席は2列席も含め向かい合わせにすることが可能だ。しかもほかの回転座席と違い、通路側を正面にして回していく。いっぽうE714は座面が後寄りで (E514の写真に見える背もたれが見えないところからもわかる) 、バックシェルが間柱の中央線をまたいでいることから、向かい合わせにするのは物理的に不可能なようだ。というわけで席は前方から順番に、こちらは窓側を正面に回転させていくのだった。

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