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zoom RSS 汽笛一声・2013

<<   作成日時 : 2013/10/14 00:00   >>

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愛知県犬山市の丘陵地に位置する博物館明治村。その名の通り、明治期を中心とした歴史的建造物を移築復元した野外展示施設である。近代国家の黎明期といえる貴重なたてものが一堂に集う、いわゆるテーマパークの元祖といえる場所だが、のりもの派にとっての注目はやはり、園内で動態保存されるSL・12号機関車と京都市電(通称N電) ではないだろうか。
10月14日は鉄道の日、というわけで今年はこの歴史的な蒸気機関車を取り上げてみたい。

12 明治村 (左)

12

  • 博物館明治村 なごや(SL名古屋)←とうきやう(SL東京) 2012-12
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO400

12号はイギリスのシャープ・スチュアート社 (Sharp, Stewart & Co.) が製造した、スチーブンソン式弁装置を持つ車軸配置1B(2-4)形の飽和式タンク機関車である。1874年に輸入された同機は、日本国有鉄道の前身である鉄道院160形165号となった。尾西鉄道(現・名鉄尾西線) に払い下げられた12号機となった同機は1957年まで現役使用され、愛知県の日本モンキーパーク (おなじく名鉄が運営、当初は日本ラインパーク) に静態保存。1965年の明治村開園にあわせて村内へ移されたのち、1973年に動態復帰した。
飽和式とは、石炭など燃料によって水から加熱された水蒸気(飽和水蒸気)を直接シリンダへ送り込む構造で、初期の蒸気機関車に多く見られた。当代の復活国鉄機のボイラは過熱式といい、飽和状態の水蒸気を圧力を保ったまま加熱することで、さらに高温にした過熱蒸気をつくりシリンダへ送る。高い温度の蒸気は蓄えた熱エネルギーも大きく、つまりシリンダ〜最終的に動輪を動かす力も強いものにできる。この過熱蒸気とベルギーで開発されたワルシャート式弁装置が世界的にも蒸機の主流となっていったのだが、それらとこの機関車の間にスタイルやメカニズムの差はそれほど見受けられず、つまり19世紀に蒸気機関車の基本技術は確立されていたわけだ。

12 明治村 (右)

12

  • 博物館明治村 なごや→とうきやう 2012-12
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO400

12号機のボイラは1985年に一度交換され、もとのボイラも村内に展示されている。それでも近年老朽化が一段と進んでいたため、おなじく復元SLとして運行していた9号機 (米ボールドウィン社[Baldwin Locomotive Works] 製)、京都市電(2両)ともども2010年10月いっぱいで整備のため運転を取りやめていた。2012年9月のN電1両につづき、12号機が11月に復帰。まもなく齢140年を迎える国内最長寿の鉄道車両は、甲高い汽笛を鳴らしけむりを高らかに吹き上げ走り出す。路線延長約800mに5分をかける非常にゆっくりした走行 (あの鉄道といい勝負かも?) とはいえ、鉄道の黎明期を今に伝える活きた文化財である。
牽引される3両の三等客車 (ハフ11,13,14) も骨董品だ。11は1908(明治41)年に青梅鉄道(→青梅線) 13,14は1912年に新宮鉄道(→紀勢本線)向けに投入された。最終所属は秋田県の雄勝鉄道である。客室内は板張りベンチ、暖房どころか照明すらない「鉄道車両」も、なかなか乗れる代物ではないだろう。連結器はこれも貴重なねじ式(バッファつき)である。

ところで同じ場所で撮っているのに往復で機関車の向きが変わっている、ということはつまり線路の両端にターンテーブル(転車台)があるわけだ。くわえて両駅とも乗降プラットホームの脇に機回し線が敷かれ、いまや国内ではなかなか見ることのできない客車列車の折り返し作業が目の当たりに展開される。
両駅ともターンテーブルは手回しだ。人手は機関助士と車掌のふたり、小型機とはいえ21.7t (運転整備重量) もある機関車をそれで動かせるのかと思われるが、機関車をテーブルの真ん中に停止させ重量バランスが取れていれば可能なのだ。大井川鐵道の千頭駅構内にも手動のターンテーブルが設置されており (2011年に設置された新金谷のものは電動)、さすがに5〜6人がかりになるが人力で回している。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
模型みたい(=^_^=)
〜NORINKO〜
2013/10/22 06:22
〜NORINKO〜 さん こんばんは。コメントありがとうございます(お返事が遅れて申し訳ございません)

模型みたいですね。いうなれば1/1の模型でしょうか(笑) 鉄道の創始期にはこんなかわいらしい機関車が、これまた小っこい客車を引っ張ってゆっくり走っていました。
とはいえこの基本的な仕組みは昭和期の大型蒸気機関車に受け継がれていますし、超高速な新幹線、山手線はじめ通勤電車も元をたどればここに行き着くわけで、その原点を見られる貴重な保存機だと言えます。
宮本康宏
2013/10/31 01:19

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