グリーン・グリーン

「グリーン車」という名称は、1969年に国鉄の運賃体系が等級制 (1・2等) からモノクラス化したときに登場した。それまでの旧1等車がつけていた緑色(淡緑6号) の腰帯と切符の地色などを基にしたとされる。
グリーン車には四つ葉のクローバーを模したグリーンマーク(黄緑7号) と、旧1等の腰帯が引き続きつけられていた (特急形電車・気動車を除く)。合造車では 一・二等→1等→グリーン客室部だけに帯がついていたので、たとえば四国で登場したキロハ28は帯が車両の途中で終わっていた。
現在のグリーン車ないし合造車で外観から識別できるのはグリーンマークだけになっている。1978年の塗装規定改正でグリーン車の腰帯が廃止されたためだ。この前後には「タラコ色・首都圏色」ともいわれる朱一色の気動車、また身延線や飯田線で一色塗り+テープ貼り付けによる見かけ上の2色が登場しており、要は経費節減の一環だったわけだ。

サロ211-1001

サロ211-1001

  • 高崎線 籠原←熊谷(タ) 2011-8
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO400

近郊形113・115系の後継となるステンレス車体の211系電車は1985年の登場。東海道向け0・2000番台の基本編成には113系とおなじくグリーン車を2両連結したが、塗装規定改定の後であるからグリーン車の帯は最初からついておらず、湘南色のイメージを継承したオレンジと緑 (113系のそれよりすこし明るい) のラインは全車共通である。
リクライニングシートが970mmピッチで並ぶ客室は、桟のない窓が1列ずつ並ぶ軽快なスタイル。普通車は下降式の開閉窓であるが、グリーン車は一部を除き固定窓となる。サロ211には洗面所、サロ210には乗務員室を備えており、定員はどちらも64。

サロ213-1112

サロ213-1112

  • 東北本線 蓮田←東大宮 2010-2
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO400

民営化後に増備された211系には2階建てグリーン車 サロ213・212を組み込んで落成、それらと国鉄増備の平屋グリーン車を1両ずつ入れ替えて4号車を2階建て、5号車を平屋としていた (うち2編成は2両とも2階建て)。その後113系が東海道から撤退するにあたり、113系の一員として2階建てで製造されたサロ125・124が併結対応されて211系の仲間に入った (100番台)。同時期に東海道のグリーン車を全車2階建て (定員90/両) とするため平屋サロは高崎車両センターへ転属、耐寒装備の強化とドア開閉ボタンを受けてサロ213・212ともども1000番台 (113系編入車は1100番台) となっている。
東海道筋の211系は今春に撤退、9月から高崎セにも211系代替のE233系3000番台が投入されはじめている。国鉄最後の近郊形グリーン車の姿を見られるのもあとわずかだ。

1981年に登場した185系は、実態はともかく名目は特急形電車であり、こちらも塗装規定改正後ということでグリーン車サロ185も当初は斜めストライプ(0番台) または緑の腰帯(200番台) だった。2010年、特急〔草津〕が前身の準急〔草津〕登場から50周年になるのを記念して、大宮総合車両センター所属のOM03編成が、開始当初使用した80系電車を模した姿に変身、現在も同塗装を維持している。
おなじ非貫通形とはいえアクの強い顔立ちに「金太郎塗り」をほどこした前面は好みの分かれるところだが、側面はどうしてなかなかいい感じではないか。現在も開閉可能な側窓のアルミ銀枠が、湘南色の渋い色調とほどよく合っている。

サロ185-206

サロ185-206

  • 高崎線 籠原→熊谷(タ) 2011-8
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO400

80系は準急形として登場したから、リバイバルとなるこの編成のサロにもグリーン帯がつけられた。185系にとって、いや特急形電車としてはじめて「グリーン帯」を身にまとった車両と思われる。国鉄色リバイバル車両は各地に存在するものの、当時グリーン車だったものはもはや残っていない。正式な復刻とは少し違うけれど、急行電車の全盛期をしのばせてくれるという意味で貴重な1両である。

この記事へのコメント