体感・二軸貨車

春期(大型連休) と夏期に函館地区で運転している〔SL函館大沼号〕。今期(2012年)も4月28日~5月6日の毎日、函館→(仁山経由)大沼公園→森、森→渡島砂原→(大沼経由)大沼公園→函館 の経路で運転された。
同列車は2001年の運転開始からの乗車人員が今期で10万人に達している。達成日となった4月30日には函館駅で記念式典が行われ、当日の乗客に記念品のクリアファイルが配られた。

……というわけで、ことしのゴールデンウィークは前半を使って久しぶりの青函地区へ。まずはその〔SL函館大沼号〕撮影、そして青森へ渡ると北上してきた桜前線とちょうど出会うことになった。
翌日に車で回る撮影場所やその状況を確認すべく、函館駅で「大沼・駒ヶ岳フリーパス」を購入してキハ40ワンマン列車で出発……と、停まっていたのは1次車だった。窓割が増備車と異なるのですぐにわかる。
森で「いかめし」を買って渡島砂原経由で戻るのだが、一番早く出るのは当の〔SL函館大沼号〕なので、折角だからとフリーパスと一緒に指定券を購入しておいたのだ。発車後に乗車証明書が配られるのはいつものことだが、そのあと「10万人を達成しました!」という車内放送があり、あらためて記念品のクリアファイルがプレゼントされたのだった。このシーズンに到達することは予報されていたが、当日だったとは! ありがたく頂戴しました。

DE10 1690ーヨ4647

DE10 1690ーヨ4647

  • 函館本線 赤井川→駒ヶ岳 2012-5
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

客車は釧網本線〔SL冬の湿原号〕でおなじみのぶどう色14系+スハシ44で、函館方に「緩急車」として車掌車ヨ3500形4647号 (いずれも旭川運転所) が連結されている。道内のSL運行では、同車またはヨ4350 (釧路運輸車両所) の連結が恒例だ。
箱型車体に2軸の単車という、いかにも国鉄の車掌車らしい形状のヨ3500。本来の目的はとうに失われ、在籍するのはこの2両だけだが、類型のヨ6000ともども静態保存車は全国に点在するし、道内を中心に無人駅の駅舎としてもよく使われる。用途上非貫通構造で乗り降りはデッキからするものだが、さすがに危険なので下部はふさがれていて、隣車への貫通路が設置された。上り函館ゆきはC11のすぐ後ろなので、機関車のブラストや汽笛の迫力を存分に味わえる。いっしょに水蒸気やススもかぶってしまうことになるが、それもまた楽し、とデッキか用務室に入り浸っていた。
ボギー車にくらべて二軸車の乗り心地はすこぶる悪い。ヨ3500は1段リンク式ながら車軸懸架の板ばねを非常に長く取っている (ワムと比べれば歴然) が、それでもレール継ぎ目ではげしいピッチング (縦揺れ) を起こす。沿線の状況を確認しつつ二軸車の魅力(?) を堪能したあと、戻ったオハ14のじつに快適なこと! トイレもなく暖房はダルマストーブのみ、上下の振動はもとより長編成の貨物列車では発停車時の前後衝動も相当なものだったはずで、こんな環境で長時間の乗務を強いられた車掌の苦労がしのばれる。

チ1015

チ1015

  • 函館運輸所 2012-4
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO250

函館駅ホームから見える函館運輸所に、ちいさな二軸貨車が停まっている。チ1000形1015号だ。
「チ」は長物車を示す。名前のとおり長尺の貨物を運ぶ目的の無蓋車だ。積載物として代表的なものはレール、架線柱などのコンクリート柱などだが、小型のチ1000はもっぱらスペーサーとして、実際に荷重を受けるチキの隣または間に挿入されている。
現在JR北海道では札幌運転所にも在籍しているが、いずれも控車相当になっている。控車 (称号=ヒ) とは機関車と荷役する貨車などの間に挿入する車両で、鉄道連絡船での車両航送が行われていた青森・函館桟橋では、入換機関車が控車1~数両を長い連結器のようにして貨車を出し入れする姿が一日中見られた。控車を使うのは、陸地と船体の間にある可動橋に機関車が乗りかかった場合、橋が沈み込んで段差が大きくなるのを避けるためとされる。
チ1015の片方端は双頭連結器で、キハ281・283系気動車および789系電車の密着連結器、それ以外の気動車・客車に使われる自動連結器のどちらとも連結できるようになっている。

この記事へのコメント

2012年05月13日 23:18
こんばんは。

ゴールデンウィークは道内入りされていらっしゃったのですね。奇遇ながら(?)、私もこの休暇中に函館を訪れておりまして、手軽にではありましたがこの「SL函館大沼号」を撮影しました。

函館はやはり新鮮な車両が多く、初期型のキハ40も然りで撮影していて飽きませんね。
車掌車の「ヨ」も釧路以来2ヶ月振りの対面を果たしましたが、それよりもまずこの「SL函館大沼号」の撮影は約4年振りでした(笑)

SL列車には乗ったことは未だにないのですが、この車掌車は気になります。冬の時期にはちょっとキツそうなので、夏の時期に運転しているSL列車において敢えて乗り心地の悪い車掌車に揺られてみたいものです。
2012年05月14日 23:39
特急北斗さん こんばんは。

特急北斗さんも函館を訪れて〔SL函館大沼号〕撮影など楽しまれたのですね。冬の白い煙は見ごたえ十分でしたが、こちらも急勾配に挑む勇壮な煙が魅力です。
そのSL列車に連結され、展望車という役目がありますが、それにしてはすごい乗り心地が味わえるのが、この二軸車掌車ヨ3500形。一度は乗ってみる価値があると思います。基本的にSL指定券800円が必要ですが、思う存分、というかイヤというほど堪能できますから、遊園地ののりものに比べてもコストパフォーマンスは高いのかもしれません(笑)
こんど乗車する機会には、スハシ44(またはオハシ47)のカウンターでゆったりしてみたいですね。