増殖

10月に復原工事が完成する東京駅丸の内口赤れんが駅舎。壁面を覆う仮囲いが外されたというので、日曜夜に東京へ帰着したついでに見てみることに。半世紀近く慣れ親しんだ南北の直線屋根がドームに変わってどうなるかと思ったが、暗闇に浮かび上がるその姿は威風堂々という言葉がふさわしい。
その一方で、後ろのプラットホームに出入りする列車はすっかり様変わりした。旅情を誘うブルートレインの姿はすでになく、通勤・近郊電車もステンレス車のみ。3月改正でJR東海373系の乗り入れが終了し、6月ごろまでには唯一の3ドア・211系も撤退する予定だ。

クハE233-50

クハE233-50

  • 中央本線 飯田橋←市ヶ谷 2011-2
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO800

E231系に続いて、JR東日本が首都圏で大量増備中の一般形電車E233系。東京駅発着列車も中央線快速、京浜東北線、京葉線で車種が同系に統一され、つづいて東海道線への投入が進んでいる。
同系は2013年度から埼京線に、2014年度から横浜線に投入されることが明らかになった。いずれも国鉄205系電車を置き換えるもので、拡幅車体による定員増と省電力・メンテナンスフリーおよび高信頼化がねらい。国鉄最終期になって通勤電車決定版として登場し、首都圏のJR各線ですっかりおなじみだった205系も、ずいぶん隅のほうへ押しやられてきた感がある。武蔵野線直通という形で、現在もコソッと(?)京葉地下ホームへ乗り入れてはいるが……。
前頭部は、E231系では近郊タイプ (俗に1000番台) が衝撃吸収構造、それ以外の通勤タイプが前面強化構造であったのに対し、E233系は通勤タイプも衝撃吸収構造を採用、表情も同じになった。運転室が広がったぶん、直後の乗降扉位置が大きく下げられている。またJR東日本では同系から乗降扉にもラインカラーを貼り付けるようになった。

クハE232-3010

クハE232-3010

  • 東海道本線 二宮←大磯 2012-3
  • D700, AF Nikkor 28-80mm F3.5-5.6D, ISO200

中央線快速・青梅・五日市線でデビューしたE233系は、車内液晶モニターをワイドタイプにした京浜東北1000番台、グリーン車とセミクロスシート車を組み込んだ東海道3000番台、モバイルインターネット環境(WiMAX) を整備した京葉5000番台、とマイナーチェンジを受けながら増備され、いつのまにか総数2,000両を超す一大勢力になった。そんな中でちょっとした異端児なのが、常磐線各駅停車用の2000番台だ。

クハE232-2011

クハE232-2011

  • 常磐線 柏←北柏 2011-4
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO400

まず目につく違いが車体幅。千代田線の車両限界に対応するため拡幅車体でなく側面はストレートに立っている。前面も非常口設置をはじめ他の番台とは表情がまったく違う。
それらに加え、客用ドア自体の間隔がわずかに狭くなっているのも注目点だ。言われなければ気づかない程度の差だが、車端と窓のスペースに違いが見えることがわかる。車体長さが違うように見えるのは縮尺ミスではなく、クハE233(232)-2000は他車より15cm (車体長で21cm) 長い。
2000番台の車体寸法は、同じく千代田線に乗り入れる小田急4000形と同じ。これは同形が日本鉄道車両工業会が定めた「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」に準拠しているため。ただし機器類はE233系をベースにしている。その4000形の寸法に従っているE233系2000番台は、「逆輸入版」といったところか。

クハ4051 小田急

クハ4051

  • 小田急小田原線 開成←栢山 2009-5
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO320

同ガイドラインのステンレス標準車両の代表は東急5000系で、同系もまたE231系が技術ベースとなった。現在東急線を走っている車両は、東急グループの鉄道車両製造部門であった東急車輛製造の設計・製造。901系→209系のころから東急車輛とJR東日本の関係は深くなり、のちに設立された新津車両製作所で製造開始した同系やE217系・E231・233系には、東急車輛の技術や製法が色濃く反映されている。E233系2000番台は全車東急車輛製である一方、小田急4000形の一部は新津所で新製された。
日本におけるステンレスカーのパイオニアであり、多数の車両を生産してきた東急車輛製造は、今般東急からJR東日本に売却され、4月1日に新津車両製作所とともに新会社「総合車両製作所」として発足している。

この記事へのコメント

2012年04月24日 17:36
こんにちは

E231で終わってるならともかく
E233もファミリーが出てきて
もう覚えられません(^^;

わたしはそのなかでなら
いちばんお世話になった
東西線直通のE231-800代が好みです

常磐線にも似てる顔があったと思いますが
もうE233が登場したんですね!
2012年04月28日 21:45
Anさん こんばんは。コメントありがとうございます。

E231系はとくに近郊タイプのこまかい番台区分がいまだに覚えきれませんが(笑)、E233系も大番台中番台と振りわけ方が多いですね。しかも路線ごとにサハ(サロ/クハ)の組成位置が違うという、ある意味混沌……

東西線直通用E231-800番台もファミリーの中では特異な姿ですね。先に登場していた常磐線の209系1000番台とほぼおなじ姿で機器類はE231系そのものという存在。
その常磐線209-1000は2編成しかなく、珍車だらけだった同線でもレアな車両でした。ちなみにこちらはE233系による置き換え対象とならず、現在も同線で走っています。