秘境駅へ

雪の降りしきる北見峠の麓。石北本線の特急〔オホーツク〕を撮ったあと、人通りの少ない国道から左折すると、正面に木造の建屋が現れた。上白滝(かみしらたき) 駅。通年営業駅としては最も停車頻度が少なく、一日に上下一本ずつしか列車が停まらない。

北海道の普通列車はそもそも多くはなく、手元にある古本の時刻表とくらべても札幌圏で飛躍的に増えた程度の違いしかない。旧国境を挟む山間部は列車数もさらに少ないのだが、上川~白滝間は国鉄最後の1986年11月改正で普通列車がたった一往復に削減されてしまった。しかも上川発が早朝、遠軽発が夕方という一見不思議な設定。
この状況は当時の鉄道ジャーナル誌でもレポートされた。真相は、その時点で人家のなくなっていた上川方の利用はもはや期待せず、白滝地区から丸瀬布・遠軽方面へのわずかな通学需要に応じるため一往復が残されたということだった (1992年までは土曜の下校対応に白滝~奥白滝の延長運転があった)。事実、峠の上川方に位置した天幕(てんまく)・中越(なかこし) 駅は2001年にそれぞれ廃止・信号場化されている。遠軽方の奥白滝も、同時に信号場となった。

上白滝駅

上白滝駅

  • 石北本線 2012-3
  • D700, AF Nikkor 35mm F2D, ISO200

道内の駅は大半が無人駅。待合室に車掌車の廃車体を使った通称「ダルマ」とか、簡素な板張りプラットホームだけの「朝礼台」も数多い。そんな中でいまも姿をとどめる上白滝駅舎は、かつて貨物・荷物も扱っていた歴史を偲ばせる。
引き戸を開けて待合室に入ってみる。すき間から侵入した雪の吹き溜まりはあるものの、中はこぎれいに片付けられて、駅ノートと暇つぶし(?)のマンガ本が並んでいた。天井には排気管が渡され、中央にストーブが設置されていたことがわかる。
列車で来ることがきわめて困難なところから「秘境駅」とも扱われるが、駅のすぐ前を国道333号が通り、付近に住宅もあるので駅を訪れること自体はたやすい。「降り鉄」としては、白滝から国道を3km歩いて唯一の上り列車4626Dで旭川へ抜けるのが定番コースのようだ。国道は旭川と遠軽・紋別を結ぶ「中央道路」として開削された歴史ある幹線道路に属するが、旭川紋別自動車道 (通行無料) の開通で交通が完全に転移してしまったため、こちらもすっかり閑散としている。

キハ54 501

キハ54 501

  • 石北本線 留辺蘂←相内 2012-3
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D+TC-14E, ISO200

この区間を通る普通列車はもう一往復ある。それが特別快速〔きたみ〕で、旭川~北見間に1988年から設定されている。キハ54 500番台を投入して特急なみの運転時分を誇るが、長距離路線バスへの対抗から料金不要の快速列車とされた。当初は502~504を専用とした2両編成で、車内サービスとして飲料自販機を設置し、新聞も備え付けられていたという。
旭川~遠軽間を「18きっぷ」だけで移動する手段は、これを加えても一日1.5往復 (下り普通列車では日着が無理)。その先の常紋越え (生田原~金華) も普通列車は希少……きびしい道のりだ。

この記事へのコメント

2012年04月03日 14:33
こんにちは

sideviewならぬ
今回はFrontViewですね!

こちらはわたしも
去年のG.W.に訪問しました

建物のなかの時刻表みると
上下各1本ずつでしたっけ?
おどろきです

ゴーヨンは釧路で
ルパンラッピングされました
ニュースでみましたが
きれいな発色でしたので
見に行かないとです☆

Sideねらえるところあるかなぁ…


2012年04月08日 19:45
Anさん こんばんは。

今回はモノ的には正面からの図ということになりますね。まあ「長手方向」ではあるともいえますが(笑)
石北本線の普通列車一本区間にはもうすこし駅があったんですが、ぜんぶ廃止されてしまったので、停車列車が一日上下1本ずつは上白滝が唯一の存在になってしまいました。昨年訪れていらっしゃいましたね。駅内の時刻表を見ると、たしかに各1本しかない……

花咲線のキハ54「ルパン三世」ラッピングもなかなかのデキと見えまして、約3年間という運行期間中に盗…いや捕獲してみたいですね。車体を横からとらえるのでしたら、釧路川橋梁が一番簡単なのですけど、見回り通路の手すりが順光側についているのが実に惜しい。
いっぽう「名探偵コナン」ラッピング車が鳥取地区にデビューしています。こちら車両の共演はちと難しそう(笑)

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