みなみ風

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いします。

昨年はいろんな意味で鉄道の意義を問われた一年だったろうか。東北の大動脈となり、そして大きな試練を受けた東北新幹線も、「つなげよう、日本。」をキーワードとして復旧が進められた。関係者の努力によって4月29日に全線が再開通し、9月の平常ダイヤ復帰で〔はやぶさ〕の300km/h運転も復活。各編成の先頭車には、「がんばろう日本」とともに大型ステッカーが現在も貼り付けられている。

782-8003

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  • 山陽新幹線 姫路→西明石 2011-5
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

2012年は山陽・九州新幹線〔さくら〕からはじめたい。瑞穂の国を代表する花であり、最初の特別急行列車にも使われた伝統ある名称が、〔みずほ〕と一緒に帰ってきた。
2011年3月12日のダイヤ改正で博多~鹿児島中央間が全線開業した九州新幹線は、静かな滑り出しとなったが五月連休ごろから旅客数が回復し、「くまモン」が招く熊本はじめ南九州への需要を取り込みつつある。来る3月17日改正で〔さくら〕がさらに増強される予定だ。
山陽~九州直通運転には、すでに東海道新幹線の主役となっているN700系をベースとした専用車が用意された (7000番台=JR西日本, 8000番台=JR九州。以下「さくら編成」)。基本性能は0・3000番台 (0=JR東海, 3000=JR西日本。以下「のぞみ編成」) に準じ最高運転速度も300km/h、輸送需給から8両編成に短縮したうえで九州区間にある35‰急勾配に対応するため全電動車となっている。

781-7006

781-7006

  • 山陽新幹線 姫路←西明石 2011-5
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

デザインは木村一男、水戸岡鋭治両氏 (それぞれJR西・九のデザイン顧問) の手による。青磁をイメージした白藍色の車体は東海道・山陽車のパールホワイトとは一味違う輝きで、光線によっても色合いが変わって見える。腰に巻いた藍色帯の上下には、金色の細線がさりげなく添えられている。車内も のぞみ編成とは異なる落ち着いたインテリアが特徴で、普通車指定席は700系7000番台 "RailStar" を受け継いだ、横2-2列というグリーン車なみの設備だ。
RailStarは全普通車であるがこちらは半室グリーン席が設けられ、レッグ・フットレストとAC電源設置でグレードを引き上げている (普通席は前後壁と窓側席にコンセントを用意)。車内でノートPCなどを使う人が増えて (かくいう私も昨年から使用し、時々車内に持ち込んでいる)、サービス電源は優等車両に欠かせなくなってきた。現在はスマホ・タブレットなどの高機能携帯機器が普及しつつある段階だから、そのうちUSB給電ポートが用意されるかも……。

783-3003

783-3003

  • 山陽新幹線 姫路←西明石 2011-5
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

さて、ここで年頭いきなりの「まさがいちがし」でありますが、のぞみ編成と さくら編成の外見上の違いは?
色とロゴ以外で目立つところは、座席列が1つ少ないことだ。のぞみ編成では300・700系と全定員はもとより各車の座席配置も統一させているため、1・16号車はほかよりわずかにシートピッチが狭い (中間車の1,040mmに対し両車は1,023mm。もちろん回せる)。さらに戸袋との干渉を避けるため、運転室側の数列ぶんは窓だけ中央寄りにずらしている。対する さくら編成では普通車全席が1,040mmピッチとなり、窓のずれもない。
専門的なところでは台車の仕様が異なり、のぞみ編成はJR東海の標準仕様にあわせたが、さくら編成はJR西日本500系などでも使用する方法を採用した。車輪表面のディスクブレーキは新幹線ならではだが、その光り具合の差がわかるだろうか。全Mの さくら編成は当然台車もモーターつきで、その影も確認できる。

N700系7000・8000番台は、鉄道の国際デザインコンペであるブルネル賞 第11回最優秀賞を共同で受賞、2011年グッドデザイン金賞にも選出されている。またJR九州で展開した「祝! 九州」CMはカンヌ国際広告祭はじめ世界的な広告賞を受賞し、世間の評価も非常に高かった。改めて、鉄道の担う役割と影響度の大きさを感じるところである。

この記事へのコメント

2012年01月01日 20:28
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、新年は今をときめく?新幹線でのスタートですね(私は蒸気機関車・・・後ろ向き?)
みずほ・さくら、新大阪で最初に見たとき、その「白」の色合いに感動しました。
青磁色・・・青みがかった白が、ヘッドライトが付くと輝きを増し、「かっこいい!」と思わず声が出ましたよー
開通当初は振るわなかったようですが、着々と利用を増やしているようです。まだお試し乗車(とりあえず大阪ー岡山のみ)しかしていませんが、鹿児島まで乗ってみたいです♪
2012年01月02日 13:27
あけましておめでとうございます
今年もどうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m

実に美しい。

どんなものにも言えることと思いますが
美しいフォルムはかっこいいだけではなくて
パフォーマンスも高いということを
体現しているよいお手本ですね!

北海道新幹線は
JR東日本の意向をくむと思うので
700系ではなく
はやぶさのようなデザインになるのかな。
楽しみですね。

2012年01月03日 00:01
さくらねこさん
あけましておめでとうございます。

蒸気機関車もまた、無骨でありながら美しい 魅力あふれる被写体であることは間違いありませんが、空力を追求し洗練された姿形には新幹線ならではの美しさと力強さを感じさせますね。
そしてこれまで白基調だった新幹線車両も、この N700系さくら編成の「青磁色」とかE5系の「常盤(ときわ)グリーン」と彩りが増えて、でそんな車両が最高300km/hで目の前を駆け抜けるという光景にも感嘆するばかりです。

関西~南九州間では〔さくら〕〔みずほ〕の利用も定着しているようですね。すでに「ひかりレールスター」の一部もN700系に置き換えられていて、3月の世代交代が近いことを伺わせます。

いつもコメントありがとうございます。こちらこそ今年もよろしくお願いします。
2012年01月03日 00:02
Anさん
あけましておめでとうございます。

新幹線の車両は、始祖の1000形試験車→0系から「カッコいいものは速い」という哲学に則って設計されたと聞きます。いまもなお高速・低騒音の運転を追求し続けている新幹線車両は、余計なものをそぎ落としたフォルムの「機能美」を強く感じますね。蒸気機関車とはまた違った魅惑の被写体といえましょう。
来るべき北海道新幹線は、やはりE5系がひとつの基準点になると思いますが、若干は車両を持つであろう北海道のスタイルやカラーを想像するのもいいですね。そのE5系もなんとかして撮れないか、検討し続けているんですけどね(笑)

いつもコメントありがとうございます。こちらこそ今年もよろしくお願いします。
2012年01月06日 23:17
こんばんは。ご無沙汰しております。
遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。昨年は幣ブログへ足をお運びいただきましてありがとうございました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

N700系も量産先行車のZ0編成登場からかなりの年月が経ったように思いますが、気づけば山陽~九州直通用の派生番台も登場し、初めてオールM車のN700系が登場したのも記憶に新しいところです。私はインテリアや外装はやはり九州新幹線用の編成の方が好きですね。さすが水戸岡氏が手がけた新幹線だけあってハイセンスな室内に仕上がっていると思います。
4年後には津軽海峡を越えていよいよ北海道新幹線がやってくるわけですが、その際に導入される車両も楽しみですね。
2012年01月07日 22:45
785@NE-501さん
あけましておめでとうございます。

N700系も先行車Z0編成の登場からもう5年以上経過していますね。量産車がものすごい勢いで増えていって、来年度からは700系を置き換えるN700Aが登場、すでに山陽区間でも700系7000番台レールスターが隅へ追いやられる状況になるなど、新幹線の動きの早さにはときどき驚くところでもあります。
〔みずほ〕〔さくら〕用7000・8000番台は水戸岡氏のデザイン監修ということで、九州リゾート特急のようなハジケっぷりこそありませんが、さすがに手慣れたもので指定席の雰囲気などにはレールスター以上のものを感じました。

気がつけば北海道新幹線もだんだん具体的な姿に近づいてきましたね。どのような車両になるのか、輸送体系がどう変化するかにも注目したいてす。

いつもコメントありがとうございます。こちらこそ今年もよろしくお願いします。
水無月
2012年01月08日 13:12
大変ご無沙汰してしまいました。
送ればせながら、今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

北海道から殆ど出るのことのない私には、新幹線の話題は「圏外」に置いていました。
とはいえ性能は言うまでもなく、デザイン性の高さ、美しさは素直に認めています。
そして年末に来て急加速で進んだ北海道新幹線延伸の着工決定。
いよいよ「圏外」ではなくなったという感じがします。

沿線自治体に「YES」の選択肢しか残さなかった強引な北海道の進め方には、大きなしこりを残した形となり、着工を手離しで喜べない道民は多いかと思います。
この先、道民の血税を多く注がざるを得ない事態には決してなって欲しくないと願うばかりです。
個人的には導入車両は非常に楽しみでもありますが・・・。

最後に私事で恐縮ですが昨年末、諸事情によりブログ移転、潜伏(笑)いたしました。
詳細は貴サイトにありますメール欄にて、ご連絡させていただきますね。
よろしくお願いいたします。
2012年01月11日 21:59
水無月さん
こちらこそ今年もどうぞよろしくお願いいたします。

東北新幹線と九州新幹線の全通からそれぞれ1年1月と9ヶ月、その効果と課題がはやくも見え始めた感じです。
整備新幹線という現在の建設スキームが正しいのかどうかについては議論あると思いますし、その影響は単に並行在来線にとどまらないということを今回十鉄の件が明らかにしてしまったわけです。これからの交通のありかたについては、趣味者といえども心に置いていかなければならないですね。

来るべき北海道新幹線の開業で、北東北~青函の交通体系がどうなっていくのかは興味深く、より多くの人にとって有意義な鉄道となることを期待したいです。
2012年01月12日 23:44
こんばんは!
遅くなりましたが、Web上でも今年もよろしくお願いします。
初めて、九州系700系の側面見ました。ホワイトの感じもやはり少々ちがうものですね。一足先に家族が博多駅で、JR東・海の700系と800系が並んでいるのを見て感動した、と言っていました。その一方で300系の引退、100系も先行き?でしょうか。時代は流れていますね。
2012年01月18日 21:46
teruさん
今年もどうぞよろしくお願いします。

少し青みがかかった〔みずほ・さくら〕のN700系、ホワイトの車体ですが屋根の深い赤が特徴的な800系と山陽・九州系は個性が光ります。500系塗り分けに準じた100系などは、ちょっと落ち着きがなかったような気もしますが、いつしかそれも消えてわずかなオリジナル色編成が最後の運転を続けてますね。
新幹線は0系のころから新陳代謝は在来線よりずっと激しかったのですが、時流に合わせ進化するいまの時代はその移り変わりもいっそう強く感じられると思います。
2012年01月20日 21:50
こんばんは。しばらくご無沙汰していました。

E5系、というよりもJR東日本の新幹線全般は田端のホテルメッツから撮影可能でした。

ただ、防音壁をクリアし車輪まで写し込もうとすると13階以上から見下ろす形になります。また、上下列車がかぶる確率が高めなのも難点です。

そういう場所ですが、今年もポケモンの季節に行ってみるつもりです。
2012年01月25日 21:43
かけやまさん こんばんは。

JR東日本の新幹線はミニ新幹線を除けばどこも車両撮影には至難の模様で、やはりそういった高い建物を利用することになるでしょうか。
それはともかく、メッツやメトロポリタンなどはそのほとんどが駅近とあって、トレインビューも必然的にありますね。いつも早朝から慌ただしく出て行き、落ち着いて眺める暇も無いのが難点ではあります(苦笑)