HUDSON DRAFT

おかげさまで本ブログも3周年、ここまでの197エントリ (臨時を除く) で取り上げた車両は400両を超えました。節目となる今回の被写体は、このたび本線復活を果たした蒸気機関車C61形。大型貨物機D51形のボイラを活用し、急行旅客機C57形の足回りを組み合わせた、ハドソン形急行旅客機です。

ハドソン (Hudson) 機と聞くと、これまでは「シロクニ」ことC62形を連想する向きが圧倒的だったろう。C61形もハドソンを名乗るのは、これが先輪-動輪-従輪の車軸配置が 2C2 (車輪配置では4-6-4) の機関車を総称するアメリカ式呼称だからだ。ちなみにD51形の 1D1/2-8-2 はミカド (Mikado)、C57形の 2C1/4-6-2 はパシフィック (Pacific)。
C62もD52のボイラを転用した機関車であり、戦後の諸事情で機関車の新製がままならず、苦肉の策で書類上改造扱いとした点でも、C61とは共通の生い立ちといえるだろう。このほか地方路線への転用のため従輪を2軸として動輪軸重を軽減した改造機もあり、C59 (Pacific) → C60 (Hudson)、D50/D51/D52 (Mikado) → D60/D61/D62 (1D2/2-8-4 = Berkshire: バークシャー) といった例がある。

C61 20

C61 20

  • 上越線 渋川←八木原 2011-6
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

JR東日本ではこれまで2両の蒸気機関車を復活させてきたが、技術継承と予備機確保を名目として新たに復活を決めたのが、1973年に廃車され群馬県伊勢崎市の公園に静態保存されていたC61 20号機。同機の選定は、D51 498C57 180という母体の双方を持っていることが重要なポイントだったようだ。2010年1月から大宮総合車両センターで整備開始、ことし3月末に車籍復帰してD51と同じ高崎車両センターに配属された。
7月からはじまった「ググッとぐんま」群馬デスティネーションキャンペーンにあわせ、同機はまず上越線での運転が計画されたが、ひと足早く6月から〔SL C61復活号〕として運転を開始。追加装飾を極力廃した形態で牽引するのはこれも貴重な旧型客車、と国鉄蒸機末期の姿が再現されて多くのファンを集めた。同時にD51は青森DC開催中の奥羽本線へ赴き〔SL津軽路号〕を牽引、さっそく保有機増加のメリットも活かされている。

C61 20

C61 20

  • 上越線 後閑→沼田 2011-6
  • 左: D200, AF-S VR-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G, ISO200
  • 右: D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200
  • 2D画像は右側

私も上越線へ何度か通ってみた。はじめてのハドソン機を撮影することはもちろん、もう一つしてみたかったことがある。それはいま流行り(?)の「3D」。走行中の鉄道車両を立体写真として撮影したらどう見えるのだろうか?
以前、連写結果を合成した擬似的立体写真を作ってみたことがある。それ自体見え方は悪くないと思ったが、やはり擬似は擬似、やってみるなら同じ瞬間に撮った2枚で作ってみたいもの。その題材としてSLは格好の材料だった。
同時撮影には当然2つのカメラ+レンズが必要である。ふつうは同じカメラと同じレンズを用意してのぞむところだが、そこまで準備できない私は無謀にもまったく違う2つのセットを用意してトライしてみた。三脚には昔COOLPIX用に買ってみたフラッシュ用ブラケットを利用して2台を並べ、レリーズは2個を輪ゴムで背中合わせに留め、親指と人差指で一気に挟むという力技ではある。
わずかなレリーズラグに起因するロッドのズレが惜しいが、これを交互表示させてみると機関車が一生懸命走っている風に見え、それはそれでおもしろいところだ。

2枚目 (右側面) 写真のアナグリフ画像を作成しました (白黒版, カラー版)。左目側に赤、右目側に水色のセロファンを貼ったメガネでこの画像をご覧いただくと、機関車が背景の山から浮き出て見えると思います。もっと手軽にという向きには、裸眼立体視用写真も用意しました (画像を左-右-左 で並べ、左から平行法・交差法で見られます) ので、見やすいほうを選んでご覧ください。GIFアニメ (プルプル立体写真) はこちらです。
これら各種のステレオフォト作成には「ステレオフォトメーカー」 (http://stereo.jpn.org/jpn/stphmkr/) Ver.4.33a を使用しています。
※ 3D画像の見え方には個人差があり、また長時間見続けることは眼の負担となることもありますので、十分にご注意下さい。

7月の群馬DCオープニングを飾るべく、JR東日本は保有3機を高崎へ集結。2日は水上と横川に向けてC61+C57とD51が同時発車、9月には秩父鉄道のプレーリー (1C1/2-6-2 = Prairie) C58 363も加わって日替わり重連牽引が予定され、群馬はけむりの絶えない夏になる。
大幹線で華々しく活躍し、世間にも「銀河鉄道999」で強い印象を残したC62にくらべ、C61の影はどちらかといえば薄かったかもしれない。とはいえ同形は電化されるまでの東北本線北部や鹿児島本線などを担当し、初の東北特急〔はつかり〕やブルートレイン〔はやぶさ〕〔はくつる〕牽引の実績もある。今回の同機復活が、復興めざす東北への大きな牽引力となることを願ってやまない。

この記事へのコメント

2011年07月09日 20:14
3周年おめでとうございます。どれも貴重な写真ばかり、宮本さんのサイトで本ができますね。期待しています。
C61は煙がでてませんが、やはり迫力がありますなぁ。一度は遠征したいものですが、なかなか機会がありません。こちらは相変わらずの『合間撮影』です。新しい試み、時間ができれば試してみます。楽しみ。
2011年07月11日 00:34
teruさん こんばんは。お祝いの言葉ありがとうございます。
なんでそこまで…と思うところもあったりなかったりですが、ずいぶんと溜まってきたものです、はい(笑)

現役機関車としては最大級の部類に入るC61形。折り返しの水上駅整備線で近くへ寄ってみると、いっそう迫力を感じました。
それにしても、夏場のSLはなかなか煙の表情を出すのが難しいですね。完璧な一枚を求めて何度も通いつつ、なかなか到達しません。
体力消耗がはげしいこの頃ですが(苦笑) また遠征なぞしてみたいもので。
2011年07月11日 22:40
こんばんわ

単なる箱と違ってめかめかしぃ蒸気機関車は
サイドねらいにもってこいの題材ですね!
正面がちのけむりもくもくなお顔は
たくさんのかたがおさめていただけますし(^^;

車輪も多いですね。
EH500よりも多い!
2011年07月13日 00:01
Anさん こんばんは。

迫力ある黒煙や汽笛とドラフト、時に優美で時に息せき切ったりする姿が蒸気機関車の魅力ある特徴ですが、メカニカルな要素をふんだんに持つところでも魅力的な被写体で、どこへ向けて撮っても興味が尽きません。正面がち構図も撮りたいことは撮りたいんですが(笑)、いろいろ周囲条件もありますし、やはり最高の一枚をまず得ておかねばと半ばムキになっていたりします。

2C2+2-2の合計11軸は、現役機関車としてはEF58やD51・C57(10軸)を抜きました。ただDD16形300番台がラッセルヘッド連結時に計12軸となるので、夏季だけ最多軸数という微妙さ(笑) 貨車では変圧器などを運ぶ大物車(シキ)が、モノがモノだけにさらに多い軸数ですね。
2011年07月22日 18:58
こんばんは。

遅ればせながら3周年おめでとうございます。
今後も貴ブログの発展を心からお祈りいたします。

C61、やはりハドソン機とあって迫力がありますね。こちら札幌では苗穂工場でC62 3が静態保存されていますが、まさにあの大きさの蒸機が本線を走っているんですよね。静態保存とはいえC62の大きさにも圧倒され、C61の復元が発表されるまでは、こんな大きなハドソン機が走ったらどれだけすごいのだろうと思っていたものでしたが、動態保存されているSLはC11しか見た事が無いだけに、テンダー車を連結した大型蒸機を私も一度撮影したいと思う被写体です。
2011年07月24日 23:53
785@NE-501さん こんばんは。お祝いの言葉もいただきありがとうございます。

函館本線で奮闘していたハドソンC62 3の姿は雑誌テレビ等でしか見たことがなく、「ロクイチ」といえばのEF58 61もわずか1回の遠目俯瞰ぎみに終わっていたので(苦笑)、これが初のハドソン機ロクイチ撮影ということになります。
D51の太胴ボイラにC57の大型動輪を組み合わせたC61は、なるほど両者の特徴を共有する姿で、その大きさとゆとりのある走りっぷりに魅せられました。C61でこれですから、さらなる巨体のC62が全力疾走する姿はさらにすごかったのだろうな、とも…。
今回の復活でJR東日本のSLは3機となり、それぞれの特色を生かした運転が期待されます。関東へお越しの際は、ぜひその魅力を味わっていただきたいと思います。

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