お届けものです。

鉛色の冬空から時折雪が舞う京都・大阪府境は、色はなくなったが雑草が消えてすっきりした。ここでいつものように車両を撮影、狙いは向日町・京都総合運転所からの〔文殊1号〕〔雷鳥33号〕回送だ。
もうそろそろ通過する時刻……という頃合いに、左手からひょいとあらわれたのは朱色の凸型DL。ん? DD51牽引の貨物がここに? と一瞬思ったが、うしろに気動車1両がくっついているのを見て納得。配給輸送、網干総合車両所(兵庫県) へ入場する車両を届けに行くところだった。

鉄道でいう配給は、いまでは車両の無動力回送と同義に見られているが、もともと業務用品や保守部品を車両基地や工場の間で輸送することを指し、そのもっとも大きい荷物が車両そのものということになる。車輪・台車など床下機器やクーラーなど屋上機器の輸送にも対応する専用車 (配給車、形式称号「ル」) も登場したが、現在部品輸送はトラックになっているためほとんど用途がなく、在籍はJR西日本にクモル145-クル144の1ユニットのみ。
国鉄時代、車両の異動はいまよりずっと広範囲で頻繁に行われていた。自力走行で新天地へ赴任することもめずらしくなく、103系の関ヶ原越えといった営業運転ではありえない姿も見られたという。全国に配置された特急形485系も然り、いま国鉄色に戻って人気のクハ481-1508は、北海道は旭川から九州の西鹿児島(→鹿児島中央) までその足跡を残している。
分割民営化後は当然会社間をまたがることはないし、都市圏を中心にATS-Pなど新信号システムの整備がすすんだこと、電車や気動車の運転区分がはっきり分かれてきたこともあってか、地域間などの移動は機関車におまかせとなってきた。この日輸送されたのは亀山鉄道部のキハ120-302、関西本線の非電化区間である亀山~加茂間を担当する。柘植(つげ) から草津線経由で来たようだ。
奇跡的に差し込んだ西日に、つややかな国鉄DL標準色の車体が映える。出番が少ないためあまり汚れもしないとは皮肉なことかも知れないが、結果として旅客会社のカマはどれもきれいな姿を保っていて印象がよい。

DD51 1109

DD51 1109

  • 東海道本線 長岡京→山崎 2011-1
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO250


配給列車牽引は、営業運転が極端に減った旅客会社の機関車にとって貴重な出番で、甲種輸送とおなじく注目度が高くなった。とくにJR東日本では車両新製や改造・廃車のための入出場、改造待ちでの疎開などを目的とした配給列車が頻繁に運転され、電車牽引のため連結器まわりを改造した機関車も登場している。
また新津車両製作所では他社向け車両(車体)も生産されるようになり、JR東日本向けのものは車籍登録して試運転後、同社のEF64かEF81が所属区へ配給。他社向けについてはJR貨物の機関車が牽引する甲種輸送となる。

この記事へのコメント

2011年03月05日 10:10
こんにちは。

わっ!DD51!しかもオリジナル塗装。
しっかりと陽が当たって、つややかに光る車体、とても綺麗ですね。
凸のサイドビューは、やっぱりいいなぁ。

配給列車ってちゃんとした意味が分からなかったのですが、ここにきてようやく意味がしっかりと分かりました。
それにしても、全国的にもDDの出番は減っているのは寂しいことです。

先月末の来道、お疲れ様でした。お天気も安定していて何よりでした。北海道での作品、お待ちしています!
2011年03月05日 22:40
こんばんは。

関西のDD51は同じ原色を纏っていながら、仕様によって様々な特徴がありますよね。
私も前に関西に行ったときに関西のDD51がロンチキを引っ張って来たことがありますが、北海道では見られないワイパー窓が特に印象的でした。
愛知ではまだまだDD51が安泰でしょうか。とはいえ着実に数を減らしている事実に関しては寂しさが拭い切れません。

キハ120も線区によって様々な塗装がありますね。
関西本線はこのパープルですが、高山本線で活躍しているキハ120は前後の顔ででこの色が違って最初見たときは驚いたものです(笑)
2011年03月06日 01:16
水無月さん こんばんは。

原色DD51はちょっと目の毒だったでしょうか? (苦笑) ともかく、国鉄色のきれいな状態を保ったDD51はやっぱりいいなあと改めて思います。
定期列車の牽引は本州以南ではすでに無く、せっかくきれいな姿になっていても活躍の場がないのが残念なところです。また各種情報によれば吹田区(JR貨物)のDD51も今改正で仕業から撤退とのことで、ここまで耐えてきた国鉄機が急に崩れてきているのを実感させられます。

釧路では週末から重連まで天気もほどよく、よい収穫を得られたことと存じます。都合上全部とはまいりませんが、こちらもいくつか紹介していきたいと思います。
2011年03月06日 01:18
特急北斗さん こんばんは。

JR西日本のDD51は〔出雲〕など山陰線の列車を牽引していたため、いわゆるB寒地タイプになるようですね。運転台窓は旋回窓でなくワイパー付きですが、スノープラウが足元を引き締める感じがします。
キハ120も線区によっていろいろデザインが変わっていますね。高山線の前後非対称カラーは私もびっくりしたものです(笑)

本州以南での本線DLは後継機がありませんね。城東貨物線については今改正からELに交代らしく、吹田区のDD51も引退となるようです。となれば愛知が最後の砦となってしまうのでしょうか。たしかまだ重連もあったはずで、見られるうちに撮っておかないといけませんね。
2011年03月12日 20:19
朱色が西日にあたってつやつや、イキイキとしていますね。関西本線の紫の車両1両の回送、時々見かけます。普段の配給列車では、トラ、チキや車輪を積んだォトキなんかがくっついて走っているのを見かけます。こっちはJR貨物の担当かもですが。
向日町にいるクルクモル君、そういうお仕事用だったのですね!変わった格好だなぁといつも見ています。そして、これはもうこの1台しか残っていないという貴重な車両なんですか?!
昨日の東北・関東の地震ではJR東日本全面運転見合わせになり、都内などでも帰れない方が多く出て大変でしたね。宮本さんもご無事で何より・・・
2011年03月14日 00:39
さくらねこさん こんばんは。

お気遣いいただきありがとうございます。まず無事であったのはなによりでした。
本題についてはしばらく後にあらためてコメントさせていただきたく、どうかご了承ください。
2011年03月27日 21:43
さくらねこさん 改めましてこんばんは。大変遅くなり申し訳ございません。

さて、今回はいろいろと話題になっているDD51のお仕事のひとつとして配給をとりあげてみました。関西線キハ120形の配給輸送列車、時々ご覧になっているのですね。それから車輪などを積んだ配給も……と、なかなか貴重な光景をよくご覧になってますね(笑)

そうなんです、現在配給車として現役の電車は、京都総にいる2両だけになってしまいました。電車と貨車の「あいのこ」みたいなユニークなスタイル、103系顔をしながら出自は101系といったところでも、なかなか特徴的な車両といえますね。私も向日町通過時にはバラエティに富む車両群でも特にこの2両を懸命に探してしまいます(笑)

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