みどりの風-II

10月14日は鉄道の日。当時の新橋~横浜間 (いまの汐留~桜木町間) で正式開業した日本の鉄道は、「汽笛一声新橋を……」の歌にもある通り前半は蒸気機関、後半は電気と内燃機関 (ガソリン・ディーゼルエンジン) を動力として発展してきた。
現在JR東日本の各地区で一般臨時列車として運転されるジョイフルトレインは、電気鉄道の代表格といえる新幹線駅から非電化区間のローカル線へ、内燃動力車 (=気動車・ディーゼルカー) で乗り入れる。〔リゾートしらかみ〕をはじめ、その多くはキハ48形気動車改造の展望車両によって運転されている。
今後同系の経年が進むことや、豊かな自然の中を走るのにふさわしい環境性能を得るため、同社は東北新幹線新青森開業を機に、ディーゼル・電気ハイブリッド車両を投入。2007年に実用車としてはじめて登場したキハE200形で、小海線での試験運行を続けてきたハイブリッド鉄道車両は、新たな段階に入った。

キハE200形の制御はシリーズ (直列) ハイブリッドといい、ディーゼルエンジンを備えながらも最終動力は電車と同じモーター単独 (VVVFインバータ制御) となる。エンジンで回した発電機で生成した電力に加え、ブレーキ時にモーターから回収する電力も蓄電池に貯めることができるのが最大の特徴で (鉄道車両としては世界初)、燃費の向上と排気ガスの低減による環境性能の高さをアピールする。エンジンが停止している停車時や起動時の静かさも売りのひとつだ。
このキハE200をベースにした新型リゾート車両がHB-E300系。JR東日本では本系列の登場を機に、ハイブリッド動力車には「気動車のキ」に代わり「HybridのHB」という新称号を与えることにした。これは、自社設計の車両について完全に国鉄制式を脱したJR四国に次ぐものと言える。「ハ」はどこへ行ったのか、今後グリーン車が作られるとどうなるか、という疑問はあるだろうが、そもそも日本の鉄道はモノクラスなわけで、等級制の時代 (1960年までは1~3等、1960~69年は1・2等で運賃・料金が違っていた) を引きずる「イ・ロ・ハ」とは、そろそろ決別する時期に来たのかもしれない。
なお同系で運転する列車は全車普通車指定席の快速で、列車番号末尾に"D"がある通り運転上は気動車列車である。

HB-E302-2-HB-E301-2

HB-E302-2-HB-E301-2

  • 大糸線 南神城→神城 2010-10
  • D700, AF-S VR Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G, ISO200

第一弾は篠ノ井~大糸線向けに投入された2両編成で、「リゾートビューふるさと」と名づけられた。2010年10~12月の信州デスティネーションキャンペーンにあわせ、10月2日から同名の列車として長野~松本~南小谷間で運転を開始。つづいて12月から五能線〔リゾートしらかみ〕(新・青池編成)、津軽線・青い森鉄道~大湊線〔リゾートあすなろ〕の運行が予定されている。
篠ノ井線では、日本三大車窓に数えられると同時に貴重なスイッチバック駅でもある姨捨(おばすて) に停車 (南小谷ゆきのみ)、大糸線に入ると北アルプス白馬連峰や木崎湖・青木湖の静かな水面を眺められる。今回の区間は全線電化だが、非電化の飯山線や小海線でも運転されるとのこと。
側面にある白から緑へのグラデーションは、高原を代表する樹木で長野県の木でもある白樺をイメージしたもので、色濃い木々の中にはやくもとけ込んでいる。通路からかさ上げされた座席がゆとりあるシートピッチで配置され、大きな窓からの眺望も良さそうだが、全固定窓のため風を感じる機会がないのはちょっと残念なところか。

展望を楽しむのが目的の列車とあって、その速度は緩やかだ。下り列車についてはダイヤの関係などもあって、特に大糸線での停車時間が長く取られている。そればかりか、景色が自慢の区間は徐行運転までしてくれるので、松本を基点にある場所で走行シーンを撮影し、おもむろに車を走らせて次のポイントへ先回り、ということが何回もできる。ETC搭載車に限れば、姨捨のスイッチバックまでも撮影範囲に入れることが可能だ。

この記事へのコメント

2010年10月15日 01:20
リゾートビューふるさとは、ハイブリッドのキハE200の仲間なんですね。キハE200は、2007年7月に信州に行った折、乗換で降りた松本駅のホームで偶然車両展示をやっていました。そのころはまだプチ鉄道おたく(笑)でしたので、「ハイブリッドって何?」って駅員さんに聞きまくったのでした。それから3年、次の世代に進んでいるのですね!

キハE200の展示はこんな感じでした⇒http://blogs.dion.ne.jp/sakuraneko_photoart/archives/5912673.html
2010年10月20日 22:30
さくらねこさん こんばんは。お返事が遅くなりまして申し訳ございません。

キハE200形の登場からもう3年経っているんですね。松本での展示をご覧になったとのこと、HB-E300系はそのシステムを継承させたものだそうです。
12月からは青森地区でも運行を開始しますね。白神山地や津軽・下北半島を快走する姿を見るのも楽しみです。
2010年10月21日 21:35
こんばんわ!

最近の雑誌をにぎわしていた
ハイブリですね~(^^)
やっぱりディーゼルでも
フイ~ンて音がするんでしょうか?

北海道にもハイブリッドのキハ160がありますが
乗ったことも走ってるのを見たこともなく
興味があるんですが・・・。
いつも苗穂工場のどこかに停まってるんですよ。
2010年10月24日 20:28
Anさん こんばんは。

このハイブリッド車両は最終動力がモーターだけなので、発車時は本当にイマドキの電車並みの音ですね。走り出してからおもむろにエンジンが掛かる言ってみればスロースターター、ですが実際の出足はずっと鋭いわけで…。また停車時とか惰性走行時などエンジンが停止している状態では、気動車とは思えないほど静かに走っています。窓が開けばその静かさもより味わってもらえるのになあ、とか思ったり(笑)

北海道のモータアシストハイブリッド・キハ160形も当初は日高線で1両だけの異彩、そして試験車となった今はなかなか目にする機会もないようですね。

この記事へのトラックバック