i-s' Eyes

JR東日本の在来線は営業キロで6,000km余り。複線(以上) を考慮した本線の軌道総延長は約9,600kmに達する。広範囲にわたるその路線網を守る総合検測車両は、現在ではE491系電車「East i-E」(イーストアイ・ダッシュE) とキヤE193系気動車「East i-D」(ダッシュD) の二形式が分担している。先に登場した新幹線総合検測車「East i」 E926形と同じ白地に赤帯というイメージで、1編成ずつの在籍。両者とも車両検査時以外はたいていどこかの路線を検測して回る、縁の下を支える働き者だ。
昨年12月のとある週末、常磐線へ向かった目的は207系900番台 (すでに廃車)。乗ったのも一度きり、共通運用のためこれまで撮ることも難しかったから、この日行われた「さよなら運転」はまさに最初で最後のチャンスというわけ。しかもこの週末はEast i-Eと-Dがあいついで上京、同日に常磐線を通過することがわかれば、これも撮らずにはいられなかった。

柏付近で207系の編成・走行写真を一応押さえ、終了後は急いで駅に戻り、松戸へ。先に来るのは、久留里線の検測に向かうため高崎線~武蔵野線経由で回送される"-D"。同車は秋田車両センターに在籍し、出張の際はもっぱら機関車に牽引されての回送となる。武蔵野線なら定番の場所に行きたいが、残念ながら間に合わない。
それでも予定1本前の電車に乗れたので、時間と気持ちに余裕ができた。やがて右から国鉄色EF65PFにエスコートされて3両編成が登場。客車列車の運転自体がJR東日本でもほとんど見られなくなって、こういった車両やレールなどを輸送する「配給列車」が現有機関車のおもな仕事になっている。

キクヤE193-1

キクヤE193-1


キヤE192-1

キヤE192-1

  • 常磐線 金町←松戸 2009-12
  • D700, AF-S VR-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G, ISO320

スマートな車体に「East i-D」の大きなロゴが目立つ。屋上には大きな箱や、気動車なのにパンタグラフを備えるのがめずらしい。これは架線の状態を観測するためのもので、電化区間の一部は同車が担当。また機動力を活かし、自社のみならずJR北海道と一部私鉄での検測を受託するなど、守備範囲が広い。先頭車のゴツい台車は軌道観測用で、このため「キク」という気動車では珍しい非動力制御車の称号が与えられている。

つづいて常磐緩行線(各駅停車)の、こちらは本番の検測を行う"-E"。勝田車両センター (常磐線) に所属する交直流電車で、保安装置にはATS-Ps, P、山手線などで使用されるデジタルATCも備えており、同社電化区間のほとんどを検測できる。常磐緩行線も千代田線乗り入れの関係で専用ATC区間だが、これにももちろん対応する。

クヤE490-1

クヤE490-1

  • 常磐線 柏←北柏 2009-12
  • D700, AF-S VR-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G, ISO1600

さきほど207系を撮ったのと同じ場所に戻ってみたが、あいにくの空模様がどんどん暗くなってくる。降り出した雨は通過直前にいっそう勢いを増し、同列車までなんとか踏ん張ってみたものの、撮影続行は不可能とすぐに退散。あと10分、せめて5分……雨雲には待ってほしかった。
ほぼ同時期の2002年に登場した両車は、機能はもとより形態までほとんど同じで、電化区間でロゴがなければ間違えてしまいそう。1両目の中央には隣接する線路の様子を観測するため投光器が備えられており、あたりが暗く沈む中でそこから放たれる光がいっそうまぶしい。

この記事へのコメント

2010年06月23日 21:44
こんばんは。
JR東日本のEast iの在来線シリーズですね。
キヤE193系の方は今月我が地元北海道にやってきました。
i-Dの方はこちらで目にした事がありますが、i-Eの方は見た事がありませんね。
キヤの方はなかなか聞きなれないディーゼルサウンドを響かせながらやってくるのも私にとっては印象的です。
EとDの両者はびっくりするくらい顔が同じですが、足回りは全く別物ですよね。いつか本州に行ったときにE491系のほうを撮影したいなーと思いますが、撮りたい時に自分のいる近い場所を走ってくれるかの問題もありますが・・・・。検測車ですから、遠征などで撮影しようとするのは結構厳しいものですよね・・・。
このようなところも事業用列車ならではの面白さだと思っています。
2010年06月27日 21:21
785@NE-501さん こんばんは。

East i-Eとi-D、電車と気動車だから足回りは別物ですが、顔や車体、機能はほとんど同じという異色の兄弟車といえます。i-Dの北海道乗り入れはすっかりおなじみになったようですね。カミンズ社のエンジン音は、こちらではすっかり慣れちゃっていますが、北海道形の中にあると新鮮に感じるかもしれません。
どちらも関東での検測機会もそこそこ多いようで、とはいえ週末を狙おうとなると、ほかの目的もいろいろあるものですから(苦笑)なかなか合わないのが難しいですね。

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