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山手線を走るE231系500番台。全104両の6扉車サハE230形500番台が連結されていたことは以前紹介し……とここで過去形になっているのは、すでに運用を離脱した車両が現れているからだ。登場からまだ10年も経っていない車両の置き換えは驚くべきことだろう。償却の13年を過ぎて取り替えられることになった京浜東北線209系が、大多数は機器更新を受けて延命されているのに。
これは乗客転落防止を目的として山手線 (電車区間) 全駅に導入するプラットホーム可動柵 (ホームドア) 設置計画の一環で、6扉車は来年夏ごろまでにすべて4扉車へと置き換えられる。山手線につづいて京浜東北線でも幅広の車体が導入されたこと、埼京線・湘南新宿ラインや地下鉄副都心線の開通、社会情勢の変化などで、すくなくとも山手線に関しては6扉が必要なほどの混雑はなくなってきたという。現在工事が進められている東北縦貫線(東京~上野)の完成を見込んで、京浜東北線ではひと足先に6扉車は廃止され、山手線でも平日朝に行われていた同車の座席収納が2月19日限りで終了している。

サハE231-4650

サハE231-4650

  • 東北本線 上野→鶯谷 2010-3
  • D700, AF Nikkor 50mm F1.4D, ISO200

104両もあるサハE230の取り替え用として製造されるのは、同数のサハE231形。新製がE233系に移行した後にも少数のE231系が製造されていたが、今度こそ最後のE231系になろうか。各編成に2両組み込まれているその外見はちょっと違い、10号車に組み込まれるサハE231-4600番台のちょっとした左右非対称が目を引く。
田町~田端間では山手線・京浜東北線の両電車が並行しており、工事などの影響で京浜東北線電車が山手線の線路を走ることがある。その時ここに京浜東北線の10号車が停車するのだが、E233系先頭車は踏切事故対策で運転台直後の扉が大きく後ろへ寄っている。このため、ここにかかるドアについては山手線が位置を合わせているのだ。

クハE233-1065

クハE233-1065

  • 東北本線 上野→鶯谷 2010-3
  • D700, AF Nikkor 50mm F1.4D, ISO200

……といっても、当該車の比較でわかるとおり位置は同一ではない。完全に合わせるとこんどは客室配置がアンバランスになるので、ホームドア開口部の許容範囲ギリギリに置いたと言おうか。この部分の座席は従来車ドア間7人・車端3人掛けであるのが、同番台はそれぞれ5人・4人となる。さらにクハE231・230-500の当該部は6人、クハE233・232は4人。
ドアの窓が角ばっているのはE233系の特徴のひとつで、足元の台車もE233系用のものだ。このスタイルは今後の山手線への新型車両投入を見越したものとも言われている。それならE233系の図面をそのまま使えばいいように思えるが、両者は床面の高さに35mmの差がある。このため7号車600番台はE231系の設計図をほぼ流用し、また4600番台では台車を修整して寸法を揃えてある。

もうひとつ興味深いがその車号だ。これは4650つまり50番目の車両……と思わせてしまうが、そんなに作りためていたわけでもない。
鉄道に限らず、ふつう車号は (工場による落成時期の違いで入れ替わることはあっても) 製造順に振られるものだ。車両の置き換えにしたって、より古い車両から順番にというのが常であるのだが、これらサハE231-600/4600はなぜか一番後ろ、つまり 651, 652, 4651, 4652 が最初に登場し、サハE230-601~604を置き換えた。これら4両の製造は2005年、落成からわずか5年で除籍という異例の短命車となった。その後も番号の大きいほうから落成・置き換えを行っている模様。

サハE230-604

サハE230-604

  • 山手線 駒込←田端 2009-11
  • D700, AF Nikkor 50mm F1.4D, ISO200

製造はJR東日本新津車両製造所で、4両ずつ落成した車両は中央・総武線から異動したE231系6両に挟んだうえでEF64に牽かれて上京し、入れ替わりに6扉車を北長野へ回送する。解体された6扉車は、一部の部品が代替車両に転用されるとのこと。
それにしても、全車を撮りきったのが昨年の11月で、それから3ヶ月も経たないうちに揃えられなくなったわけで、あれはなんとも絶妙なタイミングだったのか。

この記事へのコメント

2010年06月10日 06:50
おはようございます。
踏切事故対策で、車体の形が変化したり、
停車位置を工夫したりもしているんですね。
電車も奥が深いんだな、って感心しちゃいました(^-^*
色々と教えて頂いて、毎日目にする山手線も新鮮な目で見ることができそうです♪
2010年06月10日 16:14
こんにちは。

上野~鶯谷間のポイント、というよりも上野駅構内は山手・京浜東北線を撮りやすいのでよく通っていましたが、被る確率が高いので特定編成・特定車両を撮ろうとすると途端に難しくなってしまいますね。去年は百周年ラッピングでもポケモンラッピングでもだいぶ苦労しました。

夏になったらまたポケモンラッピングを撮りに行くつもりですが、足元が多少うるさくても田端~駒込間で撮るのが無難かなと思っています。
2010年06月14日 00:15
スウさん こんばんは。

毎日眺め、乗り降りする通勤電車でも、視点を細かくしていくといろんなところが見えてくるようです。まあこんな重箱の隅までつついて見比べているのはマニアックでしかありませんが(苦笑)
最近は各社とも事故対策に特に神経をとがらしいているところで、そんな時流に応じた車体や前面形状の変化を見るのも興味深いところでしょう。
2010年06月14日 00:17
kakeyamaさん こんばんは。

上野駅から山手線・京浜東北線は標準画角で安定して狙えるので重宝していますが、仰るとおりカブリの危険度が高い場所でもあります。
肝心の車両が来る時分に限って中距離電車がのそのそと入ってきたり、クリアになっているのについ隣に引きずられブラしたり画角を外したり、1時間待てば再チャレンジ可能とはいえ、そこには光線の変化もあるわけで…なんとも難しいところです。
2010年06月15日 22:59
こんにちは。集大成のファン誌は、私も大事にします!。ところで、時代と逆行するかのような、田園都市線には参ってます。10両編成中、6扉車が3両、かつ、女性専用者も登場!、連結部は車椅子スペースと、朝のイス取りもきっと凄かろうと思います(^^;。人口減少の目立ってくる15年、20年後、どのようになるのでしょう・・・。京急線の黄金町や京急鶴見のかつての急行停車駅を通過する度に、興味深く思われます。
2010年06月19日 19:55
teruさん こんばんは。

私も一時期(旧)新玉川線区間を通学に使っていましたが、当時から混雑は相当なものでした。その混雑と遅延もなかなか解決の糸口が見えず、6扉車の連結は当初1両で、あくまで一時的なものと聞いていましたが、結局2両そして3両と増えてしまってますね。駅の掲示に見る6扉車×3な準急の雁行には目が点になります。
何にもなかった時代に複々線を確保しておけば…といってもなかなか長期予測の難しいところで、大井町線への誘導を進めていくしかないところでしょうか。

京急鶴見はエアポート急行の設定で利便性は若干復活ですね。私にとっても、ちょっとだけ恩恵が大きくなった列車だったりします。
2010年06月20日 17:38
こんばんは。こちらにも本がやってきました。アドバイスが効きました。ありがとうございます!
ところで、朝の長津田駅、続々と人と電車がやってくる光景壮観ですよ~(^^;やはり渋谷駅とメトロ区間で詰まってしまうので、なかなか難しいものですね。ドア挟みで2,3分遅延するだけで、他への影響がでてしまいます。
2010年06月22日 22:36
teruさん こんばんは。それはどうもです(笑)

渋谷駅は私が使っていたときからかなり混雑の激しいところでした。やむなく二子玉川園(→二子玉川)寄りの出口からバイパスルートを通ったり、いろいろ工夫したことなどを思い出しますね。副都心線クラスのホームになっていれば、とも思います (という副都心線も迷宮なみの複雑さと評判?ですが)

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