学都の顔、札沼の主

昼下がりの札幌から、学園都市線キハ201系で北海道医療大学へ向かう。
「学園都市線」の愛称を持つ札沼(さっしょう) 線は、札幌のとなり桑園(そうえん)~新十津川(しんとつかわ) 間76.5km。「沼」は留萌本線の石狩沼田で、もともとそちら側から先に開通したのだが、赤字が著しい区間だったために新十津川~石狩沼田間が1972年に廃止され、今の姿になっている。近年札幌市内 (札幌~あいの里公園間) は住宅開発が進み、また愛称の通り沿線に教育機関が多くなったことで通勤通学客が急増した。JR化後には桑園から札幌まで単線の専用線路が用意され、一部区間で高架化と複線化も行われた。

キハ142-4

キハ142-4

  • 札沼線 あいの里教育大→あいの里公園 2010-5
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

同線のみで見られる形式も多く、最強通勤DCキハ201系のほか、50系オハフ51形客車を改造した"PDC" キハ140系そしてキハ40・48が、朝夕には最長6両編成で運転する立派な通勤路線となっている。非電化の複線を気動車が多数行き来する路線というのはこれまでもあまり例がなく、現在でも他にあるのは関東鉄道常総線の取手~水海道くらいだ。
スピードやサービス (非冷房車も残っている) 向上のため、札幌~北海道医療大学間は2012年完成の予定で電化工事が進められている。高架区間では架線柱をほぼ建て終え、架線・き電線を張るためのビームが取り付けられている段階だった。

キハ40 336

キハ40 336

  • 札沼線 石狩太美←あいの里公園 2010-5
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

高架を降りても家並がつづく札幌市内から、宅地造成が進む「あいの里」地区を過ぎて石狩川橋梁を渡ると、一転して車窓には田畑が広がる。駅間距離も急に長くなり、キハ201系の走りもようやく「らしく」なった。
約45分で着いた石狩当別で列車系統は分割され、浦臼 (うらうす)・新十津川方面は単行ワンマン車両での運転となる。一駅先の北海道医療大学までは一部列車が乗り入れてくるものの、その先は一日数本まで激減、浦臼より先は1日たった3往復という国内有数の閑散区間となる。起点と終点でこれほど様相の違う路線も珍しい。ちなみに学園どころか、利用客まで皆無のため廃止された駅まで存在する同区間も、「学園都市線」と案内されている。
1977年から製造され、現在もなお北海道から九州まで全国各地に広く見られるキハ40系列だが、220PSのエンジン一基に重量級の車体で、走行性能が低いのが問題だった。積雪期は2両での運転を要し、同区間やかつての深名線などでは過剰すぎるため、急行形の2エンジン車キハ56に運転台をつけ足したキハ53形500番台を使用していた。

キハ40 402

キハ40 402

  • 札沼線 北海道医療大学←石狩当別 2010-5
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO400

現在の「札沼北線」を守るキハ40形400番台は、同形の置き換えに2両が改造されたもので、同線唯一のワンマン運転対応車でもある。車両形状はほかの700番台と変わらないけれど、エンジンの交換で出力は450PSに増強された。
キハ40系の性能改善のため、北海道を含む各社でエンジン換装など強馬力化した車両も多いが、こちらは宗谷本線急行に使用していたキハ400・480 (現330番台) の出力330PSを軽く凌ぎ、ヨンマル最強を誇る。一方で冷房装置は搭載していない。塗装は白地に萌黄・青の帯という北海道標準を維持しつつ、乗降扉の萌黄色と正面貫通扉の白で帯がそれぞれ切れていることで他車と区別できる。

この記事へのコメント

2010年05月15日 00:50
背景のマンションと同じように白っぽい色、同じような四角い窓。直線で作られた幾何学模様のような(目がチカチカしそうな?)絵柄に、フリーハンドのようないろんな高さの樹々の組み合わせがおもしろい構図ですね!宮本さんのサイドビューとしては、めずらしい背景ではないでしょうか。
そして、キハ40♪全国あちこちでいろいろな色がみられる国鉄時代の気動車、水無月さんのところでもよく登場していますね。札沼線は本数の少ないところがあると聞いてはいましたが、1日3往復ですか?!うーん、青春18で一度降りたら、次はいつ?って感じですね(汗)それでも3セクにならずちゃんとJRが走らせてくれているのですね。がんばってほしい線ですね。
2010年05月15日 21:24
こんばんは。
札沼線の記事、お待ちしていました!
見慣れた車両をこちらで拝見するのは、何だか不思議で照れくさいような?でも嬉しいです(笑)。
あいの里教育大付近でのPDCは、札幌近郊の人口増加が著しい、この路線の特徴を現していると思います。
背景のマンションも、ほんの10年前は何もない風景だったと思いますし、駅名も代わったり駅も増えたりと、まだまだ発展を続けるであろう路線です。
石狩川橋梁を渡ると、車窓の変化とともに加速も明らかにアップしますよね。やはり住宅が途切れるからなのでしょうね。
札沼北線の主は、ほぼ毎日姿を見ていながら、ヨンマル最強とは恥ずかしながら初めて知りました。
冬の吹雪は場所によっては半端ではない時もありますし、このパワーがあるからこそ地元住民の足が確保されているんですね。3枚目のお写真はトリミングなしのお写真で、嬉しくなりました♪
2010年05月17日 21:15
さくらねこさん こんばんは。

最初の写真、高層団地との組み合わせは確かに珍しいところですね。
前日列車で通ったときに目星をつけて翌日クルマで訪れました。背景の当てにしていた木が思ったより低く、建物が後にデンと構えているから、最初はなんだかなあ…と思ったのですが、改めて見直すとその幾何学的模様が面白く、いつもより上の方も使ってみました。

終点の新十津川には、一日たった3回しか列車が来ないんです。うっかり途中下車したら大変ですが(笑)、新十津川は滝川からバスで連絡できるほか、そう遠くないので根性があれば歩いていけます(笑) 最初乗ったときは私もそう思って歩き出したんですが、途中でなんかマズいかな~っと思ってタクシーをつかまえました(苦笑)
2010年05月17日 21:18
水無月さん こんばんは。

お待たせいたしました(笑) 学園都市線こと札沼線ならではの車両ということでたくさん集めました(それでもまだ残ってる)。もちろん、400番台とアノ場所の組み合わせは絶対に外せない! と(笑) なお厳密にはトリミング等で整えています。
このあたりは冬には相当な積雪もあるのですね。ヨンマル最強(また系列中では希有な2軸駆動)となった400番台も、そういう事情からだとわかりなるほどと思ったものです。しかしここをキハ53 500が走る姿も、できれば見ておきたかったですね…。

あいの里にはこの2年前にも訪れましたが、最初のアングルはそのとき撮れなかったはずです。というのも、当時駅南の東側はまだ造成中で入れなかったからで。現状では手前がちょうど空き地だったという幸運?もありましたが、数年後にはすっかり変わってしまうのだろうな…と振り返るところです。
2010年05月18日 01:32
こんばんは。

PDCにキハ40と札沼線の主たちもしっかり撮られてきたのですね。
この路線に投入されている気動車ってPDCにしてもキハ40にしても番台が多くてワケが分からなくなってきたりしますが、形式を撮り始めるとこれまたハマるものです(笑)。
また、PDCを撮るつもりをしていたらキハ40がきたり、逆にキハ40を撮るつもりをしていたらPDCがきたりとなかなか思うようにもいかなかったりして。

それにしてもあいの里地区はここ近年で大きく変わったところで、以前は本当に何もない泥炭地の原野でした。
そんなところが今ではすっかり住宅地になり、さらに電化されるというのですから驚きです。
私は原野だった頃を知っているのでなおさらそう感じるのかもしれません。
2010年05月20日 18:22
こんばんは。

札沼線でもPDCやキハ40を撮影されたのですね。
キハ40系だけでも沢山の番台があるのに加えてキハ48形などの車両もいて、更にPDCやキハ201系とバリエーションの豊富な路線であると思います。
既に高架部分には電化に向けての工事がなされていて、3月に新川に行ったときにその変貌ぶりにとても驚いてしまいました。

PDCの写真の後ろにもマンションが写っていますし、やはり札沼線のこの区間は街中を走っているのだということを改めて感じさせられます。
電化されれば騒音なども解消されるとは思いますが、古き良き気動車群も淘汰されてしまうと思うと寂しい限りです。
現役バリバリで走っている今が記録のチャンスですね。
2010年05月22日 01:10
加藤さん こんばんは。

札沼線に使われるキハ40は番台区分が細かく、こだわり出すとキリがありません(笑) また半分はキハ201、残りもPDCのほうが主力という感じで、キハ40系は運も味方してくれないと撮れないですね。
現在は立派なニュータウンとなった あいの里地区、以前は釜谷臼でしたか、むかしは何もない原野だったのですね。ウチの近く、多摩丘陵にもそんな場所がありますが、何もない時代を知っていると、その変貌ぶりは同じ場所とは思えないくらいに思えますね。
この路線もいよいよ電化となるわけですが、どんな車両が入ってくるのか楽しみでもあり、同時にすっきりしたいまの線路回りも変わってしまうのかなという気持ちにもなります。
2010年05月22日 01:10
特急北斗さん こんばんは。

今回は札沼線に集うさまざまな車両たちを集めるのも主な目的でしたから、いちおうそれは達成できたかなと思っています。
まずロケハンを兼ねてキハ201で高架区間を通ってみましたが、風景はすでに変わりつつありますね。札幌市外ではまだ目立った動きはないようですが、非電化区間ならではののびやかな光景も今のうちになるかもしれません。
2010年05月24日 16:29
こんばんは。

昨日あいの里教育大まで行ってきました。数年前に来たときにはこのあたりでは線路に近寄れなかったので、列車密度の高いところでこちら側の側面を揃えていくのは無理だと思っていましたので助かりました。

柵が溝の中にあるために足回りがすっきり撮れるのが嬉しいのですが、すぐ隣で建築工事を始めていたので電化時どころかこの夏には使えなくなりそうですね。
2010年05月26日 00:11
kakeyamaさん こんばんは。

前回訪れたとき、このあたりは造成中で入れませんでしたが、今回は開発が進んで入れるようになり、しかもたまたま空き地になっていて撮ることができたという次第です。参考にしていただけたようでなによりです。
ただそういう場所だけに、撮れなくなってしまうのも早いのかもしれませんね。本数の多い区間で撮れる貴重(?)な場所だけに、難しいところです。
2010年06月06日 15:28
こんにちは

いろんなくるまが走ってる札沼線ですね☆
わたしも朝、札幌駅や桑園駅で見かける札沼線の編成は
なんだかギクシャク、PDCのほかにも
ヨン丸くんもヨン八くんもいますもん。

336号と402号で微妙に色違うんですね!
白とグレーに分かれるんだぁと。
くすんでグレーなのでしょうか(^^;

電化された際には赤電も走るのかもしれませんが
いましか撮れない風景を収めておかなければですね。
2010年06月08日 21:12
Anさん こんばんは。

学園都市線こと札沼線、PDCに多様なキハ40そして道内唯一のキハ48など、集めがいのある路線です。電化したらどんな車両が行きかう路線になるでしょうか。
Anさんも白の違いに気づかれましたね。これとは別に併結で走ってきた401を撮って、見返してみると「やっぱり色味が違うよなあ…」と思ったんです。苗穂車だけでなく、旭川や釧路・苫小牧など(たぶん函館も)含めて、わずかに青みがかったグレーが標準のようです。

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