新幹線のお医者さん

鉄道に限らず、保守用車両や機械は使用される状況などから警戒色である黄色を身にまとうことが多い。ふだん本線上にいるのを見る機会は少ないけれど、駅などに留置された姿はよく目立つ。新幹線のそれらも例に漏れないが、その中で際立つ存在といえば新幹線電気軌道総合検測車・通称「ドクターイエロー」。その検測がと1月のある週末に行われるという情報が入ってきちゃったりするものだから、やむなく(?) 撮りに出た。
せっかく撮るのなら、やはりいい写真を…と思って表富士の超定番スポットに足を運べば、予想通り車と三脚の列がずらり。東海道から撤退間近だった500系も前後して通過することから、それらと富士山をまとめようという算段だ。しかし無情にも当日の富士は雲に隠れてベストアングルは望めない。それならそれで、車両狙いで行けばいいということで……。

923-1

923-1


723-19

723-19

  • 東海道新幹線 新富士←三島 2010-1
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D

923形は700系(下)をベースとした検測車両。基本的なフォルムや塗り分け方は同じだが、地の黄色がとても鮮やかだ。モデル線で使用した1000形改造の941形 (電気試験車) からのイメージで、「ドクターイエロー」の愛称がついたのは0系ベースの922形からという。現在はその愛称も定着し、白昼堂々東京や新大阪のホームにあらわれては乗客の注目を一身に集めているが、この配色は駅停車中に一般客が間違って乗ろうとしないため (当然乗れないが) 区別の意味も持たせているのだとか。
東海道・山陽新幹線の運転速度が220km/hへ向上し、さらに300系投入以降の高速化で210km/hどまりの922形は営業列車ダイヤに支障をきたすため、検測は夜間主体になった。老朽化した同形の取替えで開発された923形には700系なみの走行性能 (最高 270km/h) を持たせることで、ふたたび昼間の検測、とくに〔のぞみ〕ダイヤでの走行検測が可能になった。深夜の限られた時間にしか行えない保線が重要度を増すなかで、昼間に実施した検測データを速やかに作業へ反映させるという目的も大きいようだ。

923-6

923-6


725-619

725-619

  • 東海道新幹線 新富士←三島 2010-1
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D

923形はJR東海の0番台と、ほぼ同一仕様のJR西日本3000番台がそれぞれ1編成ずつ。この日は東海車 (T4編成) の出番だった。7両編成には電気や軌道に関する測定機器がぎっしり詰まっており、窓の少なさが黄色の印象をさらに増幅している。922形では、片側面に扉一個と窓一枚だけという車両もあったほどだ。それ以外で目立つのが、2・6号車のパンタグラフ周り。車両屋根の半分以上を占める大きなドームは走行 (集電) および観測用パンタグラフの遮音カバーで、観測用パンタの挙動はとなりの車両からカメラで撮影している。
16両が行き交う東海道新幹線の中で、ドクターイエローは半分以下だから通過はあっという間だ。〔のぞみ〕ダイヤのフルスピードで走ると、2両がやっと。

この記事へのコメント

2010年03月26日 09:43
おはようございます。
ドクターイエローですね~。私にとって500系W編成に続くあこがれの新幹線電車ですが、あいにくドクターイエローを見かけたことはありません。
0系ベースでJR西日本所属のT3編成も好きでしたが、やはり700系ベースのT4・5編成が一番かっこいいですね。
ヘッドライトはHIDを含めて3灯式、下に設けられた検測カメラ用の小窓も特徴的ですし、そのなかにテールライトも入っているという面白いライト配置ですよね。
こうしてみてみると700系に似ているものの、大きく異なるところがたくさんありますね。検測用パンタを含めて2基付いているものもありますしね。
私は7号車?の係員添乗用の車両が700系に一番近い雰囲気を持っていますね。
2010年03月26日 10:01
こんにちは。

ドクターイエローはまだ一度も見たことがありません。
写真ではときどき見せていただきますが、サイドビューは初めてです。
形は700系に似ていますが、ほんとに窓が少なくて、黄色がより鮮やかですね。
なるほどパンタグラフの周りも大きいですね。
カッコいいイエロードクター、見てみたいです!
2010年03月26日 20:39
こんばんは。
電車の色にもちゃんと意味があったんですね。
ドクターイエロー、はじめてみました!写真のスピード感もすごかったです。やっぱりスピードの面では新幹線は別格なんですね。

2010年03月27日 22:31
785@NE-501さん こんばんは。

私にとってもドクターイエローは撮り収めておきたい車両のひとつでしたので、日曜日に出るんだったらやはり行かないと、というのが本音ですね(笑) しかもその後には2月までの500系……ということで、盛況のスポットに足を運んでみました。
923形は700系ベースといってもやはり専用車とあって相違点は多く、仰るとおり前面のカメラ窓や前照灯などは独自のもの。そんなところを見比べてみるのも面白いですね。7号車は比較的窓が多いので、営業車にいちばん近いと言えるかもしれません。
2010年03月27日 22:33
静さん こんばんは。

新幹線の運行を支えるドクターイエローは約10日ごとに運転されているそうですが、それが週末と合う確率は低いわけで、やむなく…なんて言いながらきちんと撮れればやっぱり嬉しかったりします(笑)
あざやかな黄色は初代からずっとなのですが、ほとんどデザインが同じになってしまった東海道新幹線においては、とくに目立つ存在ですね。
2010年03月27日 22:37
スウさん こんばんは。

新幹線を支える検測車ドクターイエロー。名前の通り黄色い車体にしているのは、駅で乗客が間違って乗ることがないように、と言われていますが、これはこれで乗ってみたくなるスタイルかなと思います。私なんかはスタイルというより、あやしげな中身を覗いてみたいという欲求が強いところですけど(笑)
200km/h超となるとやはり真ん中に写し止めるのも難しくなってきますね。必然的に流し撮りになりますが、スピード感も感じていただければ嬉しく思います。
2010年03月28日 13:42
こんにちは。

他の新幹線と変わらぬ速度で検測していくドクターイエローを、しかも短い編成なのに、しっかりと写し止めるのはスゴイな~と思いました。
失敗しても、待っていれば再びやってくる車両ではなく、ほぼ一発勝負なのですから・・・。
それにしても常に高速移動が求められる新幹線の軌道検測は頻度に行わなくてはいけないのですね。
10日に一度の検測ということは、北海道とは違って一般の方もかなり目にする機会もあるのでしょうね。『ドクターイエロー』の愛称で人気があるのも頷けますね。
今のところ新幹線に殆ど縁の無い私でも、黄色の車体は目を牽いて魅力的に見えますし、宮本さんのお写真と解説のお陰で、700系ベースながらその違いもよく分かりました。
2010年03月28日 15:04
こんばんは。

700系にそっくりな形ながら、色が黄色くとても目を引く存在ですね。
私も東海道本線の列車に乗車しながら平行する東海道新幹線を眺めていたことも何度かありますが、この車両は未だに目にしたことがないです。

今はこの黄色い新幹線は東海道・山陽新幹線内でしか見ることが出来なくなったのですよね。
家にある雑誌などで922形を見ると何だか懐かしさも感じます。
同じ検測車として、イーストi(E926形)がありますが、断然こちらの方が目立つ存在ですね。

やはり貴重な存在の検測車、北海道も年に一度やって来ますが、今年は収めることが出来るのか・・・同じ存在のドクターイエローのお写真を拝見して楽しみになってきました。
2010年03月28日 19:11
こんばんは。

もともとは誤乗を防ぐためだったといわれるこの黄色い車体も意外にも高い運転頻度から今ではずいぶんとメジャーとなった気がします。
そのカラーリングから「特別」な雰囲気を醸し出していますよね。

北海道もあと5年ほどで新幹線が開業します。
そのときには新幹線の営業用車両とともに新幹線の検測車も見られるようになるのでしょうから楽しみです。
2010年03月28日 22:45
ドクターイエローのサイドビュー!お見事です!200キロ以上で疾走している新幹線をサイドビューで捕らえるとは、さすがですねぇ。。。そしてその後、もちろん500系もしっかりおさえられたのですね。
しかし、ドクターイエローもかなりメジャーになりましたね。京都駅でも子供連れの親子が見に来ていたりします。東海道は500系の撤退で白一色、ドクターイエローの黄色はとても貴重です。九州新幹線はたしか専用の検測車はなく、営業車に組み込むとか書いてありました。こういう検測車は、本州の新幹線ならではになるのでしょうか。
2010年03月31日 00:46
水無月さん こんばんは。

こんなことができるのも、事前にたくさんの練習台が用意されているからかもしれませんが、おかげさまで本番はうまく捉えられたと言えましょう。お褒めもいただきありがとうございます。
それでもここまで高速に移動されると一瞬の迷いが命取りになるわけで、撮影号車はあらかじめ決めておかないとならないですね。各形式の連結位置を覚えておく……とまでせずとも、パンタのある車両の位置とか、グリーン車などの場所はイメージしておかないと、うまくいかないようです。
新幹線は高速かつ長距離を走るものですから、線路の検測はもちろん車両の方もすぐに検査回帰に達してしまうそうで、そんな裏方の地道な活動が安定した輸送を支えているのですね。
2010年03月31日 00:47
特急北斗さん こんばんは。

黄色い新幹線は現在東海道・山陽のみの存在になりましたが、白い車体の中にあって短くても存在感があります。こんどはEast iことE926形を撮りたいものですね。こちらは新在直通線も検測するので、その機会をとらえられればなあと思います。
いっぽう北海道にはEast i-Dの乗り入れ検測が恒例になって、年に一度の機会を楽しみにされている方も多いようですね。
2010年03月31日 00:49
加藤さん こんばんは。

昨今は鉄道の注目度が高くなったこともあって、このドクターイエローの認知度もすっかり上がったようですね。この配色は誤乗を防ぐための色ということですが、せっかくだから誤乗車してみたいものです(笑)

北海道も気づけば新幹線の乗り入れが見えてくる頃ですね。検測車ももちろんですが、やはりE5系などの新世代新幹線のデビューも楽しみになってきました。それより前にまず、チラが動いてるところを見てみたい、とか(笑)
2010年03月31日 00:50
さくらねこさん こんばんは。

高速で走る車両を真横に仕留めるのは、やっぱり難しいところですね。練習台もいっぱいあったことで今回はうまくいけた感じですが、お褒めいただきありがとうございます。
500系のほうは乗り入れ最終日に向けてアングルを考えていたので、実は車両主体でなかったんです。結局それも本番は実行せずじまいになってしまいましたが……。
最近ではドクターイエローもすっかり人気者ですね。とくに東海道区間では特色のある車両がこれくらいになったので、さらに注目が集まっていそうです。
九州新幹線では特定の営業用車両に検測機器を載せられる構造になって、専用車はありませんね。ドクターイエローの乗り入れは、今の車両では行われないかなと思います。
ゆう
2010年10月06日 19:11
こんばんは
6年以内にドクターイエロも全廃になると
鉄道掲示板に書かれてありました。

10/9 27 ドクターイエロ のぞみ 検測
新神戸12:12 新大阪12:26-16:20
京都16:34
2010年10月06日 23:09
ゆうさん こんばんは。

公式でない情報についてコメントすることは差し控えますが、車両ですからいつか入れ替わりもあり得るでしょう、とは申し上げておきます。

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