濃霧注意報

上州名物のひとつに「からっ風」が挙がるとおり、関東平野北部は冬季を中心に山から吹き降ろす乾いた強風にさらされる。その一方で風のない日の夜間~朝にかけては霧が発生しやすく、列車が遅れることもしばしば。そして山の向こう側はもちろん雪。上越線を走る夜行列車は、様々な自然の力にさらされながらその使命を果たしてきた。

今期改正後も定期で残る寝台特急〔あけぼの〕。現経路になってから青森セ(車両センター) EF81が全区間通しで牽引してきたが、昨年3月改正で上野~長岡間の牽引を長岡セのEF64と交代。しかも同列車は0番台が通例、「茶釜」(ぶどう色2号) の37号機も登板することで注目を集める存在になった。
このリリーフは、とくに冬場の上越線における運転の安定を図ったものとされる。長岡セのEF64 1000番台は新津車両製作所で新製された車両を牽引することも多く、補充として0番台2両が高崎セから転属した。国鉄時代のごく一時期〔北陸〕などに充当された時期があったそうだが、本格な特急牽引は初めてのこと、ほかのブルトレ電機が小さな下枠交差式パンタグラフになった中で、ひさびさの「デカパン」復活でもあった。
そんな64を狙って、5月下旬の早朝に熊谷へ。〔能登〕〔北陸〕を外す必然性はないし、それらは順当に押さえられたが、肝心の〔あけぼの〕は……残念、1000番台の牽引。それもまた良かったんだけど、翌週に再度チャレンジとした。
〔北陸〕はビジネス需要の高かった列車で、B個室寝台「ソロ」も多く連結し、2号車にはシャワールームが設置されている。独特の窓配置もそうだし、シャワーのシンボルマークも個室側にしかついていないので、日陰側となる撮影はむしろ曇っていたほうが良かった、のだが……

スハネ14 702

スハネ14 702

  • 高崎線 籠原→熊谷(タ) 2009-5
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO1000

夜が明けるとあたり一面の霧! これでは話にならない。それでアングルを変えようとしない人も、また頑な人といいましょうか。
〔あけぼの〕はまたしても1000番台。じつはこのとき0番台は、故障と検査で2両とも離脱していたのだった。そうそう簡単にあきらめるわけには行かない被写体だったが、0番台が本線復帰しないことには無駄打ちでしかないので、しばらく時間を置いて三度目に賭けることにした。
この日もうす曇だったことから〔北陸〕の寝台側撮影を敢行。先行する〔能登〕は東側からボンネットをアップで狙い、10分後の〔北陸〕までに線路反対へ急ぐが、準備する間もなく警報機が鳴りだし……幸いうまく止まってくれた。

スハネ14 702

スハネ14 702

  • 高崎線 籠原→熊谷(タ) 2009-6
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO500

ホッとひと息つく暇もない。前年と違い、〔あけぼの〕までの間に籠原駅の入換車両がとなりの引上線を占有するので、踏切を通れなくなるのだ。すぐさま反対側へ戻り、今度こそ、ようやく37号機が収められたのだった。

2回の撮影で2号車の車号が同じスハネ14 702だったことに、あとで気づいた。一昨年の車両撮り集めでも、収めたのは同じ702。そういえば、その直前に別の場所 (新町~神保原) で試行したアレはどうだったかな……と思って調べたら、これまた702! 在籍が3両で用途が決まっているとはいえ、同じ車号を4回も撮っていたことに思わず苦笑。

この記事へのコメント

2010年02月28日 22:50
こんばんは!

北斗星かとおもっちゃいました☆
あけぼのという寝台列車も個室があるんですね!

女性にはありがたい設備というか 必須です
でもわたしはロビーとかがあれば
知らない人とお話をしたい派ですから
部屋に戻るのは寝るときだけです(笑)
これは2段ベッドになっている窓なのでしょうか?
2010年03月01日 21:34
Anさん こんばんは。

まもなく廃止になる〔北陸〕ですが、〔北斗星〕にも劣らず個室のたくさんある列車でした。〔あけぼの〕にも個室(A・B)寝台があり、まったくない寝台特急はもう〔日本海〕だけ……。プライバシーや安全の面から個室はもっと必要だったのですが、遅きに失した感があります。

〔北陸〕のこの車両はロビーというほどではありませんが、シャワー室(左側)の待合いを兼ねたミニスペースがあります。個室は〔北斗星〕の3号車「ロイヤル・ソロ」のB個室と同じタイプで、上下は別の部屋になっています。天井が低いのですが、寝るだけなら十分ですね(笑) 〔北斗星〕は3号車だけ設計が違うので(ロイヤルの位置など)、そのあたりも今度観察してみてはいかがでしょうか。
2010年03月01日 22:19
こんばんは。

「北陸」もいよいよラストランが近づいてきましたね。
初めての上京時はまさかここまで早く廃止になってしまうとは思いもしませんでした。

そんな去年はEF64 37、38が長岡に転属しまさか「あけぼの」に充当されるようになるとはこちらも思いもせずに、特に茶釜の37号機のブルトレ牽引には度肝を抜かれた記憶があります。
それも夏に撮れ、13日には再度高崎に転属ということもあって非常に良き記録が出来ました。
本当は国鉄色の38号機が牽くブルトレが一番撮りたかったものでしたが(苦笑)

スハネ14 702の二本立て、霧がかかった中のものも何だか早朝も走り続けるブルトレの印象が感じられるカットですね。
シャワーのラッピングもまた特徴的です。
2010年03月02日 23:49
霧の中をゆく「北陸」、夜が明けたばかりのひんやりした空気の中をゆく雰囲気が伝わってきました。こんな霧でも、しっかりサイドビュー!?さすがですね!
寝台特急のシャワーは、サンライズで体験しました。立ったまま揺れた車内でのシャワーは不安定でした。片方の足の裏をせっけんで洗い、もう片方もと思ったら、、、つるつるすべり、あわてました(汗)
2010年03月04日 23:16
特急北斗さん こんばんは。

〔北陸〕もまもなくラストラン… 直通列車の命運は新幹線と引き替えに、という図式がもう成り立たなくなってきた昨今、国鉄形の列車や車両にとっては、いずれも待ったなしの時期に来ているようです。
そんななかでEF64とくに0番台の〔あけぼの〕投入は度肝を抜かれた出来事でしたね。しかし今般〔北陸〕廃止で長岡の機関車も浮くわけだから…と思ったら、やはり37・38は高崎へ戻るということで、ひと夏の幻ならぬ曙だったのでしょうか。
霧がかった中を走るブルトレも、言われれば夜行ならではの雰囲気かもしれませんね。
2010年03月04日 23:24
さくらねこさん こんばんは。

そうですね。夜明けのすこしひやっとした空気の中、しかしディテール描写には全く向かないから半ばあきらめ顔で撮っていたものです。しかしこんな霧でもムキになって同一アングルで狙い続けるとは(笑) 自分では半ばあきれているところですが、ご高評いただき恐縮です。

〔北斗星〕に乗ったら毎回シャワーを使います。揺れる車内では不安定ですよね。手すりにつかまり踏ん張りながら浴びたのを思い出します。一度前方支障のためたまたま停まった駅で停車時間が延びて、そのときはゆっくりと浴びることができました(笑)
2010年03月07日 18:58
こんばんは。

北陸も残すところあと数日となり、またひとつ寝台特急が消えてしまいますね。
北陸というと残り僅かな14系を使用した列車でもあり、また、個室の割合も多く、独特な窓配置も特徴的だったわけですが…。
北海道でも14系のうち寝台車はもはや元オハネフ24-200のスハネフ14-550しかなく、客車そのものの衰退が著しい中で14系もついにここまできたか…といった感じがします。

それにしてもやたらと出会う車両ってありますよね。
逆に出会わない車両にはとことん出会えなかったりして(笑)。
2010年03月11日 21:15
加藤さん こんばんは。お返事が遅れて申し訳ございません。

14系寝台車は現行ブルトレの中で最年長なんですが、〔北陸〕というどちらかといえば地味な列車にあったためか、今の今まで頑張ってこれたのかなと思います。〔能登〕ともども、他車ではほとんど消えた横軽対策●(Gマーク)が残っているあたりも、その経緯をしのばせるところでしたが。
それにしても〔北陸〕、個室側を撮ろうとするとほとんどの区間が逆光という困った列車でした。それなのに同じ車両を、同じアングルで4回も撮っているとはどういうことなんだと(苦笑) さすがに同一なだけあって、帯の色具合なんかまったく同じなんですね(笑)

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