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zoom RSS おけいはんのはんなり特急

<<   作成日時 : 2009/11/05 23:30   >>

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京都・大阪両府境には天王山が立ちはだかり、京阪間の交通は淀川沿岸の狭い地域に集中、並走するライバルの姿を互いに見ることもよくある。ここを通過する鉄道は東海道本線、阪急京都線、東海道新幹線、そして一本だけ淀川の反対側を走る路線が京阪電車――京阪電気鉄道京阪本線だ。
京阪線は歴史としては古いが、旧街道沿いを結ぶ路線の成り立ちからカーブが多い。優等列車の所要時分も国鉄・阪急京都線に対し不利な状況だった。そこで京阪は1954年に特急車両1810系を登場させたとき、当時はじまったばかりのテレビジョン放送に着目。1編成に専用受像機(白黒)と屋上アンテナを設置し、放送波を直接受信して車内放映を行った(1956年)。これが「テレビカー」である。(車内テレビ放映自体は、京成電鉄で設置されたものが日本初となっている)

8751 京阪電気鉄道

8751


家庭にテレビなど夢のまた夢という時代。テレビカーはたちまち人気沸騰、通路に置いた補助イスまで絶えず埋まったという (当時の特急は京都・七条〜大阪・京橋間ノンストップだった) 京阪は二人掛けシート車両の愛称「ロマンスカー」を早くから使っていた会社のひとつだが、これ以降は「京阪特急=テレビカー」となり、1900系、3000系(現8030番台)、現在主力の8000系へ連綿と受け継がれてきた。受信設備も進化し、3000系でカラー化、8000系には一時期BSアンテナも設置していた。(このころJRでも座席のモニタでBSを視聴できる車両があった) 現在では「地デジ」地上波デジタル放送に対応し、32形液晶テレビで放映 (地下区間はアナログ) している。
ところがケータイにも「ワンセグ」があたりまえとなりつつある現在、車内テレビへの関心はきわめて薄いらしい。あるとき会社が調査すると、テレビを見ている人がほとんどいなかったとか。実際、テレビは出町柳方に1台設置されているのに、淀屋橋ゆきの列車ではみんな背を向けていたくらいだし……。
そんなことから京阪はテレビカーの役目は終わったと判断、アナログ放送が終了する2011年度までにテレビを撤去することになった。その兆候はすでにあらわれていて、いままでは幕板部に目立つ大きさで「テレビカー」と掲示していたのに、2008年の中之島線開業を機に登場した新塗装では、扉近くの小さな「TV」マークにとどまっている。

8831 京阪電気鉄道

8831


それに代わって「おけいはん」の新たな目玉となったのが、隣に連結されるダブルデッカー車両だ。
鴨東線開業向けおよび3000系代替の特急車として1989年から8000系が導入されていったが、3000系は1編成が残った上、1両を2階建て車両に改造 (1995年 車号3805→8831)。近鉄ビスタカーの認知度が高い関西でも料金不要特急へのダブルデッカー投入はファンや利用客を驚かせたし、平屋車両を2階建てに改造するのも前代未聞のことだ。
この車両が大好評だったことで、8000系各編成にも2階建て車両を新製増結して特急は8両編成となった。ダイヤの見直しで3扉一般車と併用する時期があったが、中之島線開業時にそれらが新3000系による快速急行となったため、特急は8000系中心に戻っている。

8808 京阪電気鉄道

8808

  • 京阪本線 樟葉ー橋本 2009-8
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200-250

8831号車の側面にあるイラストは京都を代表する祭りのひとつ、時代祭行列を描いたもの。(拡大は別撮影の8801号車) 「おけいはん」らしさをよくあらわすデザインだけれど、新塗装では新たな京阪のイメージをあらわす円弧と"ELEGANT SALOON"ロゴに置き換えられ、残念ながらイラストはやがて消え行く運命にある。8030形の塗り替えはまだ先のようで、その姿を最後まで伝える車両となりそうだ。



■参考
時代遅れの「昭和」に揺られ - ますます勝手に関西遺産 (asahi.com関西)
テレビカーの歴史 (京阪電気鉄道サイト)

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コメント(8件)

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おはようございます。

関東へは時々行くのですが、関西へ行くことはほとんどないので、関西の私鉄は珍しいです。
「テレビカー」 なんてあったんですね、知りませんでした。
時代と共に必要がなくなっていくのも仕方ないですが、ちょっと寂しいですね。
イラストは何の行列かと思ったら、時代祭の行列だったんですね。
素敵だと思うけど、これもなくなるのでしょうか。

URL
2009/11/06 07:36
静さん こんばんは。

車内でテレビ放送が見られるなんて、いまでも珍しいことには変わりがないんですけど、いまではケータイなどで好きな番組を視られるくらいですからね。このあと乗った特急がちょうどテレビカーでしたが、やはり大多数は興味を示していなかったようで(笑) 時代の流れとはいえ、京阪電車の看板でもあったサービスがなくなるのは残念な気もします。
2階建て車の時代祭ラッピングですが、こちらも残念ながら新塗装ではつけられていません。もともと京阪線の三条駅が地下化されたときにこの絵がコンコース内に描かれ、それが元のデザインのようです。(さっき気づきましたが、反対側は別のデザインです)
宮本康宏
2009/11/08 01:10
こんばんは。
土地柄、私鉄の知識にはかなり疎い私でして、京阪も名を知るのみで車両などは良く分かりません(汗)
京阪の車両というと塗装が大きく2色に分かれているのが特徴だったような気もしますが、この8000系も赤色と黄色のツートンですね。

テレビの設備があるのも驚きですね。珍しいサービスなのに 関心がないのもこの時代だからでしょうか。
ダブルデッカーは人気を博したようなのですがね。

ロゴが消えていくのも寂しいものですよね。
こちらも785系の「SWA」のロゴが消えつつあり、自分の中にあった「785系=スーパーホワイトアロー」のイメージや特徴が薄れつつあり寂しい限りです。
特急北斗
2009/11/08 23:00
おはようございます。
テレビカーのお話、興味深く聞かせていただきました。
高価だったテレビも、電車内では早期から導入されていたんですね。
まさかこんなに歴史が古かったとは、驚きでした。
これからも電車は新しいサービスを次々と
生み出していくのでしょうか。今後の動向も気になります。
スウ
URL
2009/11/09 03:54
こんにちは。
「おけいはんのはんなり特急」というタイトルから京都らしい柔らかな言葉の響きが伝わってきますが、「はんなり」の正しい意味が分からない私です(笑)。
テレビカーという車両があるなんて初めて知りましたので、ビックリしています。
時代の流れと共に努力してきた様子が「テレビカーの歴史」で見せていただきましたが、テレビが一番の娯楽だった時代は終わったのかもしれませんね。
ところでチャンネル権は誰に?あったのでしょう?
我が家もPCや携帯が一人一台が当たり前となり、家族の誰もテレビに興味を示さないので、未だに画面右上に嫌みのように「アナログ」という文字が表示されております。

ラッピング車両もその路線の特色を示すものと思いますが、趣のあるイラストが消えてしまうのは残念ですね。
水無月
URL
2009/11/09 17:26
特急北斗さん こんばんは。

京阪特急はこの黄色・赤のツートンカラーと先頭部の「鳩マーク」が長年の伝統ですね。新塗装でもそのイメージを残しつつ、色を逆転させた「エレガント・サルーン」になっています。
テレビをちゃんと見たのははじめてなんですが、液晶テレビで地デジ(字幕放送)になっていたのは私も驚きでした。それでも興味を持たれていないのであれば、なくなるのも致し方ありません。
SWAのロゴも消えつつあるのですね。スピード感のあるものだったので残念にも思います。
宮本康宏
2009/11/10 21:12
スウさん こんばんは。

1950年代というと有名な「街頭テレビ」の時期でしたから、そんな頃からテレビカーは始まって、半世紀も続いていたのだ、と知って改めて驚いた次第です。京阪電車の代名詞的な存在でしたが、ただテレビを見るという行為がもう時代に合わなくなってしまったのかも知れませんね。
それに代わる京阪特急の目玉といえるのがダブルデッカー、これが運賃だけで乗れるのですからたいしたモノです。ただ停車駅が増えたせいか2ドアな車両は乗り降りに時間が掛かり、遅れやすいのが難点といえます(笑)
宮本康宏
2009/11/10 21:16
水無月さん こんばんは。

「はんなり」っていう言葉は京らしい響きですよね。「花(華)なり」というのが語源だそうです。ちなみに「おけいはん」は京阪CMキャラクターで、「京阪のる人、おけいはん。」と宣伝しています(笑)

テレビは基本的にNHK総合を流すようで、私が乗ったときもお昼のニュースでしたが、シーズン中は民放のプロ野球中継もしたそうです。野球中継にしたって今では長期低落傾向ですし、ただテレビ画像を流すというのは時代に合わなくなったのでしょうか。
ちなみにウチもいまだに地上・BSアナログでして、PCも録画なんかできません(苦笑) ハードディスクは撮影データでいつもいっぱい(笑)
宮本康宏
2009/11/10 21:17

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