モハかモハネかモハネハか

一両にふたつ以上の接客または荷扱い設備を持つものを、合造車(ごうぞうしゃ) と呼ぶ。
現代JRにおいて代表的なのは「クロハ」――グリーン・普通合造の制御車だ。背景には特急の短編成化にしたがって、グリーン車に1両まるまる取りにくくなったことがある。その一方で地方路線では「フルムーン」などの需要もあって、そう簡単にグリーン車の連結をやめられないのだろう。そんなことで国鉄時代から「ロハ」はあったが、それより当時は荷物や郵便を扱っていたため荷物・郵便合造車キハユニ26、クモハユニ64などのほうが一般的だった。旧型客車オハニ36は現在も動態保存車があり、国鉄輸送の歴史を今に伝えている。

サロハネ285-3

サロハネ285-3

  • 宇野線 妹尾←備前西市 2009-5
  • D700, AF-S VR-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G, ISO400

寝台にも合造車がある。現在では〔北斗星〕のオロハネ24・25と285系〔サンライズ瀬戸・出雲〕のサロハネ285。国鉄10系客車のナロハネ10→オロハネ10は中央デッキという珍しい形態だった。サロハネ285では、2階建ての階上が一人用A個室「シングルDX」、階下が二人用B個室「サンライズツイン」という構成をとる。
285系電車は同形をふくめ個室寝台主体で編成されているが、7両編成中に1両「ノビノビ座席」という設備がある。これは桟敷席を一人ずつ区切ったもので、寝具は毛布のみと簡素だが、横になって移動できて寝台料金が不要とあって、いつも満席に近い。

モハネ285-203

モハネ285-203

  • 宇野線 妹尾←備前西市 2009-5
  • D700, AF-S VR-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G, ISO400

モハネ285-3202

モハネ285-3202

  • 山陰本線 安来→荒島 2008-12
  • D700, AF-S VR-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G, ISO500

制度上は座席の扱いだからモハに思えるのだが、本形式はモハネを名乗る。これは車端に2室のB個室寝台「シングル」が存在するためだ。じつは寝台・座席合造車という称号区分もあって、たとえば昭和中期に存在したマロネロ38は二等寝台と二等座席の合造車だった。これに従うとモハネハになるはずだが、実態に近い寝台として扱ったということか。ちなみに他の同例では、〔あけぼの〕「ゴロンとシート」は寝台車オハネフをそのまま使用、〔はまなす〕「のびのびカーペット」は座席車オハ14 500番台の改造で番台区分すらしていない。あまり杓子定規には考えていないようだ。
その特徴はなんといっても窓だらけの側面。他の車両は定員と居住性を確保するため2階建て構造である一方、電動車2両 (いまひとつは廉価型B個室「ソロ」) は走行機器を搭載するため平屋構造を取る。「座席」は枕木方向で上下二段に詰め込まれ、カイコ棚のよう。そのひとつひとつに小窓を設け、通路側には上下二段大窓を備える同形式は、JRでもかなり異端系の車両だ。

このネタの周囲を調べていくと、趣味者間ではそこそこ知られるマイロネフのほかに「マイネロフ」という称号も存在したそうだ。なんという煩雑……

この記事へのコメント

2009年09月07日 05:17
おはようございます。

お写真を見て 「サンライズ瀬戸・出雲」 だとはわかったのですが、こんなにいろいろ車両があったとは、実際に見ても意識していませんでした。
上下に窓がいっぱいというのは、こうして横から見ると驚きます。

一度は乗ってみたい列車です。
2009年09月07日 21:11
こんばんは。

合造車はこちらにも多数あって、「キサロハ」や「キロハ」などがありますね。
「クハネ」や「モハネ」などはよく583系で見ますが、この285系も寝台を含む車両で「ハネ」や「ロネ」を名乗るものが多いですね。しかしながら「サロハネ」はあまり聞きなれないものなので少し驚いてしまいました(笑)

こういった形式も複雑なのものが多かったりして、調べてみると本当に面白そうですね。
2009年09月07日 22:39
静さん こんばんは。

「サンライズエクスプレス」は個室主体で、しかも電車とあって形状自体がユニークですね。とくに3~5号車は窓の形がさまざまで見ていて飽きません。それ故に一気に撮ることが難しい車両でもありますが(笑)

夜行列車が極度に減った現在では、乗ろうと思ってもなかなか機会ができない列車かもしれません。私は2回ほどシングルに乗ることができましたが、それ用に設計されただけあって狭いながらも快適な空間でした。ここから瀬戸大橋の朝を眺められたらいいだろうなと思いますが……
2009年09月07日 22:40
特急北斗さん こんばんは。

北海道での合造車といえば、2階建てキサロハが代表格でしょうか。サロハネは現在のところ285系の1形式のみの稀少形式ですね。
旧型客車周辺ではかなり複雑な経緯をたどった形式称号もあって、調べていくと非常に奥が深いと感じます。
2009年09月11日 22:29
サンライズですね♪
この列車の型番は、ほんとよくわからないです。改造で複雑になってるんですねぇ。
私は2回乗りましたけど、関西は深夜の通過なので走っている姿は見たことがありません。真横から見るとこんなに窓だらけなんですね。
2回とも2階だったのですけど(ソロとシングル)、実は揺れで酔ってしまいました(汗)
2009年09月14日 01:19
さくらねこさん こんばんは。

サンライズは車両数の割に区分が多いので煩雑に思えるかもしれません。ただしブルトレ客車と違って連結位置はほぼ固定されています。また3000番台は共同開発したJR東海の所属車両なんです。
各車とも2階建て、または2層構造ですから窓の数も多くなりますが、とくにノビノビ座席のモハネ285-200/3200は異様な雰囲気を見せますね。
ソロとシングルにそれぞれ乗られたとのこと、階上だと揺すられるような乗り心地に違和感を覚えるのかもしれません。
2009年09月16日 02:00
こんばんは。

形式の記号も3つだとそうでもないのですが、さすがに4つとなると違和感すら覚えてしまいます。
そういえばこちらではノロッコ号の客車に「オクハテ」なんてのも…(笑)。
北斗星がデビューして「オロハネ」の形式をみたときにはかつて利尻に連結されていた「オロハネ10」を思い出したものです。

今では寝台列車も個室が主流になったことから形式名も複雑化した感じがありますが、平成生まれの夜行列車用の車両って国鉄時代のブルーの塗色ではなく、個室による窓配置の方が特徴として現れていますよね。
2009年09月16日 23:52
加藤さん こんばんは。

〔利尻〕のオロハネ10はまさに合造車らしいスタイルといえますね。実物を見たことはありませんが、その形が面白くてNゲージのキットを買って組み立ててみたことがあります。それから北海道ならではの記号といえば…そうオクハテ、オハテフですね。姿はすっかり変わっていますが50系客車という点でも重要で(笑)

独特の窓配置といえば、夢空間もそのひとつでした。2両が新三郷の「ららぽーと」に運び込まれ、折しも17日からオープン(屋外展示のみ)という話で、ちかぢか見に行ってみようかと思います。
teru
2009年09月19日 00:15
こんばんは、ご機嫌いかがでしょうか?こちらはだいぶ落ち着いてきました。
オロハネ10・・・子供の頃、鉄道ジャーナルか何かで10系客車の存在を知り、一度は乗りたいと思っている間に消滅。その後、野辺山のSLホテルや鉄道文化村で出会えた時は感激したものです。
2009年09月23日 20:41
teruさん こんばんは。

10系客車はオロハネとかオシ17などといった珍車がありながら、いろんな意味で不遇な生涯だったかもしれません。わずかに残された保存車両が当時をしのばせますが……しかし20系にしても狭苦しい車内だったんだな、と(笑)
2009年09月29日 23:21
こんばんは、御活躍のようですね、今月もステキな写真を立ち読みで拝見(^^。
20系の3段・・・狭くても、登場当時としては豪華寝台特急だったんですよね。それにしてもB寝台とA寝台の快適性の違いが大きすぎますね、今から思うと(^^;。
そういえば、3段式B寝台よりも座席のナロ20に乗るほうが安かったんですかね?今度調べてみようと思いますが・・・。
2009年10月01日 23:10
teruさん こんばんは。どうもありがとうございます。

横になっていけるという点で寝台はBでもグリーンより上にあるんじゃないかなと思いますが、どうでしょうね。現行の料金だと601キロ以上でグリーン料金が二段B寝台に並んでいますが……
3段のころならまだしも、いまとなってはA寝台のアドバンテージもほとんどありません。でも〔日本海〕を通しで乗ってみたいです(笑)

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