愛のさきあと

愛環から名古屋への帰り、八草(やくさ)で降りてリニモに乗り換えた。
「リニモ」―正式名称: 愛知高速交通東部丘陵線は2005年万国博覧会「愛・地球博」アクセス鉄道のひとつで、日本初の浮上式鉄道(法規上は軌道に区分)。浮上は電磁石の吸引力、推進はリニアモータによるHSST方式である。
名古屋から万博会場へ向かう場合は、地下鉄東山線~リニモが最短ルートだったが、列車は車両長14mの3両編成で、小型なほうの東山線に比べても輸送力は小さい。そんなわけでJR~愛環の快速〔エキスポシャトル〕で万博八草、そこからシャトルバスで会場へ―というルートが推奨され、その名目で愛環と中央線の直通運転が整備されたのだった。
とはいえ大阪万博で新幹線が「動くパビリオン」であったように、リニモも万博観客のお目当てだった。私の同線初乗はまさに万博期間中、しかも三連休初日! 名古屋中心部から始発で乗り込んだが、その時点で混雑はかなりのもので、待たずに乗れたのが幸運だったといえる。
満員の乗客は当然ながら万博会場(→愛・地球博記念公園)でほとんど降りてしまい、私ひとりだけが取り残された。その先、名鉄~近鉄~南海と「乗りつぶし」を進めるので、会場に寄っているヒマは無かった。混雑するのがわかっている万博自体にあまり興味はなく、事実行くことはなかったのだが、この会場内で「IMTS」(電波磁気誘導バス)という法規上の鉄道が期間限定で営業し、それに乗れなかったのが心残りといえばそうかもしれない。

画像

161・162・163

  • 愛知高速交通東部丘陵線 公園西←愛・地球博記念公園 2009-2
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D
  • ISO200, 1/50, f7.1

その愛・地球博記念公園で降りて、いい場所がないかなと探す。この日は月曜、記念公園(モリコロ・パーク)も休園で、あたりはひっそりと静まり返っている。進んでいくと、丘陵地から降りていく線路が撮れそうだった。
そこを10分おきに列車が通過する。車両と軌道は接触しないので走行音はきわめて小さい。藤が丘~はなみずき通は地下区間だが、トンネル内を音も立てずスーッと通過するのは忍者の雰囲気(?)だ。
万博終了後はやはり輸送量の落ち込みが激しく、そのなかですこしでも収入を上げようと体験学習イベントを開き、ラッピング車も多く走る。この編成、「HAPPY Linimo サチイロ*」(名古屋芸術大学 学生グループデザイン・中部電力提供)は、クローバーの中に1両ひとつずつ四つ葉がある。車体にも「四つ葉をさがそう!」と書いてあるので、探してみてください。

鉄輪はもちろん、ゴムタイヤ式の新交通システムに比べても勾配区間に強いことが、同区間への選定理由のひとつとされた。最高速度100km/hでありながら、最大70‰(1000mに対し70mの高低差)まで登坂可能という。
最初の画像は軌道を水平にして流したものだが、水準器を使ってカメラを水平した状態で撮影すると、こんな形になる。

画像

121・122・123

  • 愛知高速交通東部丘陵線 公園西←愛・地球博記念公園 2009-2
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D
  • ISO200, 1/50, f8

この記事へのコメント

小さな鉄道博物館
2009年03月11日 05:58
おはようございます。
私も愛知博覧会に行った際、乗車しました。北海道では考えられない列車で、まるで子供の頃に想像した未来の乗り物に感じました。(笑)
こちらでは札幌冬季オリンピックに合わせて開業した札幌地下鉄の試運転に偶然乗れた時(歳がばれてしまいます・笑)にカルチャーショックを受け、駅に到着した際の下からくる熱風とゴムの臭いは今でも忘れません。
2009年03月12日 06:07
おはようございます。

これが、愛・地球博で走っていたリニモなんですね。
思わず可愛いラッピング車の四つ葉のクローバーを探していました (笑)。
リニアモーターで走行すると勾配区間にも強いんですね。
そして静かに忍者のように走る!
列車の走行音も好きなので、ないのも寂しいですけど…。
本当に未来の乗り物ですね。
2009年03月13日 00:42
小さな鉄道博物館さん こんばんは。

小さな鉄道博物館さんも愛・地球博へ行かれたのですね。IMTSは体験できたでしょうか?
それにしても図鑑などで見たむかしの「未来鉄道」はすごかったですね。列車なのに空を飛んでいたり(笑) ようやく浮上式の鉄道も開業したわけですが、進化って意外と現実的なんだなあと感じることも……

札幌のゴムタイヤ地下鉄もまた先鋭的でしたね。連接車と大きな窓が特徴の2000系に乗った印象もまだ残っています。
2009年03月13日 00:46
静さん こんばんは。

四つ葉は見つけられたでしょうか? これが動いているところで探すとなると、静止画よりずっと難しいかも知れませんね(笑)
本当に静かに走るんですよ。それでこんな勾配も上り下りできる。いま体験できるいちばん未来の交通といえるでしょうね(山梨リニアは現在一般公開されていません)

でもごくたまに、本来の鉄道でも浮上リニアかと思うほどスムーズな走行を見せてくれる時があります。本当にごくたまーに、ですが(笑)

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