カラフル!

最近、首都圏のスーパーなどでも「北海道味物語」というカップラーメンが販売されている。映画「旭山動物園物語」公開記念企画のひとつで、売り上げの一部が寄付され「あさひやま"もっと夢"基金」に充てられるという。
日本最北の動物園――旭川市旭山動物園の沿革、危機と復活について、ここであれこれ話す必要もないだろう。いま名実ともに日本の動物園を代表する存在である。
JR北海道でもJR特急往復+バス+入園券をセットにした「旭山動物園きっぷ」を発売し、札幌圏からの誘客に努めてきた。さらに、2007年春季開園にあわせ全車指定席の臨時特急〔旭山動物園号〕を設定、あべ弘士氏デザインのイラストで装飾したキハ183系4両編成がデビュー。翌2008年春季からは「オオカミ号」を加え5両編成化。運転全区間が電化のいわゆる「架線下ディーゼル」だが、その機動力を活かして道内各地への出張運転も行われる。
外が5色の目立つ姿なら車内も動物一色、一端には記念撮影用の「ハグハグチェア」(横からもそのデカいシルエットが…)も設置された、楽しい空間となっている。

私も2006年夏の渡道時に旭山を訪れ、目玉の行動展示を見て回った。ということで、今回はその内容も交えて各車を紹介していこう。

ペンギン

キハ183-4 (ペンギン号)


ペンギン 札幌方の先頭車5号車は、同園の復活を象徴するペンギン。1999年から冬季開園を実施し、そこで行われるペンギンのお散歩は、すっかり冬の風物詩になった。翌2000年には「ぺんぎん館」が完成、陸上のヨチヨチ歩き(短足にみえるが意外に脚は長い)と対照的に、水中で機敏に動く姿がよく知られるところとなり、水色の車体を軽快に飛ぶ姿も描かれている。


チンパンジー号

キハ182-48 (チンパンジー号)


チンパンジー オランウータン 4号車は緑色、熱帯の密林だろうか。「チンパンジーの森」には空中遊園とそれを見学する空中回廊が設けられ、そこで遊ぶチンパンジーの姿を間近で観察することができる。実際には彼らが見学者を間近で観察している…のかもしれないが。

それと並ぶサル群展示の目玉が「オランウータン舎」。空中遊技場との間には上空17mに渡り廊下――といっても鋼材とロープだけというもの――が設置されている。その巨体にしては身のこなしが軽く、握力もかなりのもので、頭上はるか上を難なく渡る姿は圧巻。


ライオン号

キハ182-47 (ライオン号)


キリン フラミンゴ 3号車は「もうじゅう館」からライオンが登場。黄色がからっとしたアフリカの空気を感じさせる。ふつう動物園では一番人気といえるライオン・トラ・ヒョウ類で、「ととりの村」(鳥類展示)「さる山」につづく初期の園内改装(1998年)。しかしなんだか印象が薄いなあ……と思っていたら、この日は時間の都合で同館には寄っていなかったようだ。代わりに現在構想中の「アフリカ生態園」で展示されるはずのキリンと、「ととりの村」のフラミンゴを。


オオカミ号

キハ182-46 (オオカミ号)


カピバラ 2号車は前述の通り、2008年に新規開館した「オオカミの森」にちなんで、2008年春季から追加された車両。赤色に木立で表現した暗がりには、すこしばかりの不気味さも同居する。
私が訪れたのはまだ作られていない時期だったので、ここも代わりに、といってはなんだが「くもざる・かぴばら館」のカピバラ。まったりのんびりする世界最大のネズミは、ここでは行わないが冬至の「湯治」がよくニュースになる。


ホッキョクグマ号

キハ183-3 (ホッキョクグマ号)


ホッキョクグマ アザラシ 1号車旭川方先頭車は、こちらも旭山のシンボル「ほっきょくぐま館」から。極地をイメージした濃い青色は、やはり雪景色がよく似合う。客室前部にカーペット敷き「モグモグコーナー」を設置し、5両化時に座席を撤去して全車フリースペースに変わった。
ホッキョクグマはアザラシなどを襲う習性があり、その視点で恐怖体験(?)ができるのぞき見ドーム「シールズアイ」はいつも長蛇の列だ。水槽も見学者が水面に頭を出したアザラシに見えるように作られており、それを狙って水中にダイブする姿も見られるかもしれない。

そのアザラシも人気の高い展示だ。「あざらし館」では上下水槽の間に縦のトンネルが作られ、そこを彼らが上下するたびに歓声が上がる。好奇心が強いというか、見られることはまんざらでもないらしい。



鉄道趣味的観点でいえば、いまや貴重品になった183系スラントノーズで、このぶんだと最後まで残る初期型になるのではないか。ただし特急マークは外され、ホッキョクグマとペンギンのイラストが描かれている。追加の2号車は、撮影時はポリカーボネート板の貼り付けをしていなかったが、現在は他車と同等になっているそうだ。

  • 1・5号車=岩見沢→峰延 2007-12, D200, AF-S VR Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G
  • 2~4号車=深川→納内 2008-5, D200, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D
  • 旭山動物園=2006-8

この記事へのコメント

小さな鉄道博物館
2009年02月21日 19:11
こんばんは。

流石に「旭山動物園号」流し撮りも撮影されているのですね。こんなにサイドの絵柄をはっきり見たのは初めてです。特に「オオカミ」号に目が行ってしまいました。雪景色時は更に目立ちますね。

RF誌4月号REPORT早速拝見させていただきました。正に今一番タイムリーな話題が満載で30年前旅をしていてブルトレ最盛期を思い出しました。やはりブルトレの輝きは違います。最後の博多駅の写真がとても印象的でした。
2009年02月21日 23:40
わぁ♪最初の写真をあけてびっくり!
5両のサイドビューが並んでるではありませんか!
こんなにはっきり見れたのは初めてです♪
どの車輌も、それぞれの動物たちの住環境をうまく絵にしてあるんですね
カラフルで楽しいし♪

そして今回は動物達の写真もアップされたんですね
ペンギンが空を飛んでるように見え、映画のタイトルを思い出しました
チンパンジーの写真、つたって歩くチンパンジーを興味深々で見ている親子、綱渡りをしているのを指差して見上げている人々・・・
旭山動物園の工夫を凝らした展示がよくわかる写真ですね!
きちんとした技術を持っておられるから、他の被写体でもさりげなく見事な写真を撮られているなぁと感心してしまいました

↑あ、RF誌4月号出ましたね、早速見に行かなきゃ!
2009年02月22日 07:24
おはようございます。

「旭山動物園号」 のイラストを横から見たのは私も初めてです。
先頭車が 「ペンギン号」 と 「ホッキョクグマ号」 なのは知っていましたが、中の3両のイラストはあまり見たことがありませんでした。
ホントにカラフルですが、色もそれぞれの動物たちに合わせているんですね。

動物たちの写真も満載で、とても楽しいです。
オランウータンの 綱渡りは近くの とべ動物園で見ましたが、やはりこの旭山動物園の成功で、全国の動物園も見せる展示をしてくれるようになったのでしょうね。
2009年02月22日 22:33
小さな鉄道博物館さん こんばんは。

ここまでの流れから予想のついたこと(笑)と思いますが、最終的には〔旭山動物園号〕が岩見沢でのハイライトでした。中間車はあともうちょっと…さらに「オオカミ号」も追加されたので、また撮りに行かざるを得なくなったわけですが(苦笑) でも私はこの「オオカミ号」が気に入っていたりします。
小さな鉄道博物館さんのPOSTも拝見いたしましたが、富良野線にも入線したのですね。

拙作REPORTもご覧頂きありがとうございました。この話題はタイムリーというか、遅らすわけにはいかないということで、急遽4月号に載ることになりました。
30年前のブルトレ最盛期を肌で感じられたのですね。そのときは当たり前に走っていたのに、無くなるから…といって撮影に出る面も否定はしませんが、先刻のブルトレ特集含めてその姿を収められたことは、ひとつの収穫になったと思います。
2009年02月22日 22:39
さくらねこさん こんばんは。

5色のカラフルな〔旭山動物園号〕、雪の中を走ってもとても映えますね。それぞれの動物たちの姿と環境がいきいきと描かれ、絵本がそのまま走っているようにも見えます。そうそう、映画のサブタイトルは「ペンギンが空を飛ぶ」でしたね。

また今回は動物たちもいっしょに紹介しましたが、旭山動物園では「行動展示」の先駆けとして、いろんなことが考えられていて、それがちゃんと見る人に伝わっているんだなと思いました。すこしごった煮の感もあるかなと思いましたが、そんな魅力がお伝えできたようで嬉しく思います。
2009年02月22日 22:43
静さん こんばんは。

イラスト・ラッピング車はこの撮影が向いてますね(手前味噌ですが)。しかしその実力もまた厳しく問われます(苦笑) この〔旭山動物園号〕は5色のカラフルな編成、先頭車はもちろんのこと、中央3両も動物の環境をうまく表現した列車だと思います。

動物たちの写真も楽しんでいただけたようで、ありがとうございます。
そうそう、とべ動物園でもオランウータンの綱渡りがありましたね。全国の動物園でもまだまだ魅せるところはたくさんある、ということを知らしめた功績は大きいと思います。
2009年02月24日 00:39
こんばんは~

タイトルの通りカラフルにきましたね(笑)。
それにしても 1両ずつ色使いの違う朝日山動物園号、サイドビューを狙うのにはもってこいの被写体ではないでしょうか。
そして車両だけでなく動物園にもしっかり行かれているところはさすがですね(笑)。
ちなみに私は道民でありながら未だに朝日山動物園には行ったことがなかったりします。

そして今月号、私もしっかりと拝見させていただきました。
来月には全てが廃止になってしまう九州ブルトレの内容はまさにタイムリーです。
また、宮本さんらしいサイドビューからのカメラアイも存分に生かされていていますよね。
2009年02月24日 13:07
こんにちは。
旭山動物園号のサイドビュー、きっと拝見できるとお待ちしておりました♪
オオカミ号が仲間入りして、再び撮影に来られたのですね。赤い車輌が入ったことでカラフルさを増して、色のバランスも良くなったように思います。
この時期、臨時観光列車が走るので、岩見沢界隈でも8~9時台は豪華特急タイムです。私も先日ノースレインボーEXPやスーパー宗谷、旭山動物園号と続けて撮影したので、「カラフルタイム」としてブログにアップしようと思ったのですが、鮮やかなサイドビューで、先を越されてしまいました(笑)。
旭山動物園は私も3年ほど続けて行きましたが、年々入園者が増えるのは嬉しいのですが、動物撮影のマナーがあまりにも悪く、最近はご無沙汰です。こちらで楽しませていただきました。

明日はいよいよ待望の釧路です。宮本さんの念の効果があったのでしょうか、すんなりと決まりました。というか、私の騒ぎように夫が根負けしたのかもしれません(笑)。
2009年02月24日 22:29
加藤さん こんばんは。

〔旭山動物園号〕はそのカラフルな車体から、ぜひとも全車撮っておきたいと思っていました。しかし、流しながら4~5回の連続撮影はいまもって難しいなあ…と毎回プレビューを確認しては溜息をついているのが実情。まだまだ鍛錬が必要(?)ですね(笑)

RFレポートもご覧頂き、ありがとうございました。本当に最後のチャンスということで、特別の計らいもあって4月号に載せてもらいました。北のDD51特集も加藤さんの作品もまたすばらしく、とくに長和の湾越しは目から鱗です。また行きたいポイントが増えた!(笑)
2009年02月24日 22:36
水無月さん こんばんは。お待たせいたしました(笑)

この時間帯はこちらもカラフルな「ノースレインボー」、加えて〔スーパー宗谷〕も来ますし、貨物やあの711系も通りますから、おっしゃる通りカラフルタイムですね。楽しみにしております。
あれ? なんで「ノース」が通るんだっけ…と思ったら、2月になってからでしたね(苦笑) この編成は、GW連休に海峡を越え弘前へ向かう(青森までED79が牽引!)ので、その姿も収めておきたいと思います。
旭山は私が行った夏でも大賑わいでした。そうなると確かに撮影等マナーに関して難しいところですね。ガラ空きの動物園は寂しいですが、賑わい過ぎるのも考えものです。

先週の帰省は悪天候で大変だったようですが、その中でも良い撮影をされているようですね。そしていよいよ釧路SL、お気をつけて行ってらしてください。くーちゃんにもよろしく(笑)

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