ふるさと

北海道から九州まで、非電化ローカル区間でひろく活躍したキハ20系気動車。キハ52形は、そのなかで勾配線区向けに2エンジンを搭載した車両である。
国鉄時代、一般的な気動車の駆動は1エンジンで車軸1つだった。すなわち1両で動力を伝えられるのは車輪1個に過ぎない。エンジンを2機載せて2軸駆動すればパワーも向上するという理屈だ(そのぶん重くなるが)。車長(連結面間)はキハ20の20.0mから21.3mとなり、外見では窓が1列増え、トイレの向かい側床上に水タンクを設置している。

1960年前後に登場したキハ20系はJR発足時でもかなりの経年車となっていたから、すぐに淘汰されてしまった。キハ52だけが20年を経た今まで残ったのは、2エンジンの両運転台車であるところが大きかった。国鉄末期の新製車キハ54は北海道と四国のみの配置で、他地区ではこれと近郊形キハ46を延命して使わざるを得なかったという事情も重なる。
それでも次第に数を減らしており、現在その姿を見られるのは、新潟地区の米坂(よねさか)線・磐越西線と、大糸線の南小谷(みなみおたり)~糸魚川間に過ぎない。大糸線を担当するJR西日本は、在籍3両を国鉄標準色・横須賀色(旧標準色)・首都圏色に塗装した。新潟担当のJR東日本でも同形式を含む一部車両を国鉄色に戻し、郷愁を誘う。新津区のキハ52はワンマン対応・冷房化・窓サッシ交換も行われず、登場時にかなり近い姿を保っている。(エンジンは換装した)

画像

キハ52 137

  • 米坂線 成島←中郡 2008-9
  • D200, AF Nikkor 50mm F1.4D
  • ISO100, 1/200, f8
  • RF2009-01-010

昨年の9月連休は国鉄色三昧だった。前日は しなの鉄道に169系の「湘南色」復活を追い、翌日は陸羽東線でキハ58「修学旅行色」を待ち構えた。高い空の下、黄金色に輝く稲田。空中にはトンボが舞い、稲穂にはバッタが踊る。日本のふるさとを想わせる光景に、濃い色の国鉄色はよく映える。

11月、夜の米沢駅。山形へ向かう〔つばさ〕の車窓から、真新しいステンレスのディーゼルカーが目に留まった。「あ、そういえばデビューしてたんだ……」キハ52はじめ国鉄車を置き換えるキハE120だった。
その後も国鉄車両の運用は続いていたが、3月改正で全車キハE120・110での運転となることが決まっている。

この記事へのコメント

2009年02月11日 00:32
国鉄色は、やっぱりいいですね♪
実りの田にこの色あいは、ホント郷愁を誘います
姫新線でこの色の気動車(キハ47かな?)が中国山脈の合間を走っていくのがとってもいい雰囲気でした
(トラックバックさせていただきました)
この色と形、いかにも鉄道という感があって、心に染みます
2009年02月11日 05:08
おはようございます。

この色の列車はあまり見たことないですが、暖かい色でいいですね。
こういう国鉄色の列車が、里山があり田圃がある風景の中を走る姿は本当に風情があって素敵だと思います。
愛媛のような田舎でも、少しずつ減っていく風景ですけど…。
小さな鉄道博物館
2009年02月11日 19:11
こんばんは。
こちらでこの車両を見るとキハ22のツートンカラーを思い出してしまいました。また学生時代は士幌線のキハ12が記憶に残っています。保存車両でこのカラーに出会うと悦に入りじっと眺めてしまいますがまたこのカラーに出会いたいですね。
やはり車両はオリジナルカラーが最高です。
2009年02月11日 23:11
こんばんは。
今度のダイヤ改正・・・「はやぶさ・富士」だけでなく、こうした古参車両が続々と引退してしまうのですね。それにしても素敵な塗装、国鉄時代のセンスの良さを感じます。
2009年02月12日 01:11
こんばんは~

キハ52もいよいよですね。
北海道でこの手の気動車といえばキハ22ですが、そういえば何年か前に私もキハ52を撮ったことがありました。
車番を見れば149。でもどこで撮ったのかデータがなくて分からず…

それにしても国鉄形には国鉄色が一番しっくりきますよね。
でもそんな車両たちが日を追うごとになくなっていくのはやはり寂しいものです。
2009年02月12日 11:58
こんにちは。

懐かしさを感じる色合いです。
子供の頃に乗ったキハ22は、朱塗りのも多かったですが、札沼線ではツートンのキハ53がJR北海道になっても走っていたような記憶があります。
北海道ではすっかり見られなくなった国鉄色ですが、このような風景の中を走る国鉄色の気動車を、まだまだ残していて欲しいですね。
当たり前に見ていた風景が、見られなくなった途端に、貴重なふるさとの景色だったことに気づきます。
2009年02月12日 23:57
さくらねこさん こんばんは。

この週末はどこの田んぼも綺麗に実っていて気持ちよく、そんな中を走る国鉄色も本当にいいものでした。
姫新線といえばヒマワリやコスモスと合う場所ですよね。昨秋ちょっと訪れましたが、時季としてはすこし外れたのが残念なところ。ちなみにここにも新車投入が決まっております。
2009年02月12日 23:58
静さん こんばんは。

私もこの色はほんとうはなじみが薄かったんですね。すでに首都圏色のほうが多くなっていましたから。
それでもこのカラーを見ると、どこか懐かしさを感じるものです。
愛媛でもこういった風景が少しずつ減っているのですね。(一応の)都会に住む私から見ると緑が豊かだなあと感じますが……。
2009年02月12日 23:59
小さな鉄道博物館さん こんばんは。

北海道ではキハ22でしたね。私が最初に渡道した民営化初年にはまだ残っていて、木張りの床などに懐かしさを感じたものです。
そしてキハ20といえばツートンの国鉄色。JR発足前後から、いろいろな「地域カラー」が登場しましたが、結局は原点に返ってくるような気がしますね。
そんな姿を青空の下で収めることができ、満足した秋の連休でした。
2009年02月13日 00:00
teruさん こんばんは。

国鉄色の気動車は、こんな田園風景によく合いますね。同時に、こういった光景を見るのもなかなか難しくなってきました。
キハ52もよくぞ今まで…という感じで、やはり使命を全うしたのかなとも感じます。最後に残る大糸線にも機会を見つけて行かねば、と。
2009年02月13日 00:01
加藤さん こんばんは。

キハ20系の中でしぶとく残っていたキハ52も、いよいよ終焉が近づいてきました。私は意外と見ることがなかった国鉄標準色ですが、国鉄の車両にはほんとうにしっくりきますね。
そして北海道といえばキハ22ですよね。石北線だったか、木の床や二重窓も懐かしく感じたものです。
ちなみにキハ52 149ですが、最終配置は盛岡だったようです。山田・岩泉線でしょうか。
2009年02月13日 00:02
水無月さん こんばんは。

キハ53、ありましたねー。私には結局乗る機会がなかった深名線でも、おなじみの車両でした。
国鉄時代の車両がひとつまたひとつと去っていき、当たり前だった風景がいつの間にか見られなくなっていますね。
そんな中でなんとか間に合ったという感もありますが、青空の下を走る国鉄色は実に伸びやかで、懐かしい感じがしました。

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