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zoom RSS 送 〜2008年を振り返る一字

<<   作成日時 : 2008/12/25 20:08   >>

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2008年・今年の漢字は「変」であった。変革であり、変化であり、変動であり、そしてなんか「ヘン」な世の中であったと皆が感じたのだろう。
いっぽう、私が選ぶ今年の漢字は「送」だ。それは「変」のなす結果でもあるように思う。現在は鉄道ブームとされるが、それにもかかわらず変動の大きい一年であったことは、鉄道があくまで「交通」という社会の一端を担っていることと無縁ではないような気がする。

実際、毎年のように新系列が誕生して増備され、一方で寿命を迎えた車両が惜しまれつつ引退しているのだが、今年ほどさまざまな列車や車両を見送る年もなかった。いくつかはかろうじて間に合い、いくつかは見に行くことがかなわず、またいくつかは知らぬ間に線路上から去っていたことに気づき、そしていくつかは、まもなくその時を迎えようとしている。

画像

モ7003

  • 名鉄河和線 富貴←知多武豊 2008-5
  • D200, AF Nikkor 50mm F1.4D
  • ISO100, 1/60, f8

昭和30年代、1960年前後にあいついで登場した国鉄・私鉄の特急車両は、まさに百花繚乱だった。
国鉄151系にキハ80系、東武1720系「DRC」、小田急3000・3100形「SE/NSE」、近鉄10100系「ビスタカー」、南海20001系「デラックスズームカー」……。いずれも現役を退いて久しいが、残った2系列も今年相次いで引退のときを迎えることになった。新幹線電車(0系)(1964年)と、名鉄7000系「パノラマカー」(1961年)である。
同時期の登場で、パノラマカー同様の展望席を持つNSEの引退は9年前の1999年7月。それに至る約1年半、私はまさに沿線に「貼りついて」いた。それからもう10年経っていたのだ……。すでに主戦力ではなかったとはいえ、よくぞここまで生き永らえたものだと思い、そしてやっぱり最後近くになるまで気に掛けてやれなかったなとも思う。

画像

モ7152

  • 名鉄河和線 阿久比→坂部 2008-5
  • D200, AF-S VR Nikkor 70-300mm F4.5-5.6G
  • ISO100, 1/200, f8

パノラマカーの特徴として、なにより先に挙げられるのが前面の展望席。私も乗れば大抵そこに腰を下ろした(席のどこかは空いていたので)。しかし側面もそれに負けない「パノラマ」が得られることがおわかりいただけるだろう。
特急から普通まで幅広く使用するため、デッキなしの客室は開放感にあふれている。連続窓の途中には構体枠組が貫通しているのだが、それを煩雑と感じさせず処理しており、現代の車両群にあっても出色の出来栄えだ。窓ガラスはコストを意識してか前面も平面だが、車体の曲面とうまく組み合って柔和かつ鋭敏な印象を与えている。

塗装は赤の一色で、コスト削減の一端とも見ることができる。この直前にはラベンダーに近い薄紫色が標準塗色とされたが、くすんだ色合いは目立たないし褪せやすいしで不評だったらしい。そこへ登場したこの先進的な車両は、沿線で待つ人々にどれほどまぶしく映ったことだろう。鮮烈な深紅の車体色はやがて「名鉄スカーレット」として全旅客車に施される、名鉄のイメージカラーになった。
それから40年を経て、特急は赤を脱してブルーの「ミュースカイ」へ、一般車も小牧線を皮切りにステンレス車体への置き換えが始まった。「名鉄=紅」の時代は、パノラマカーとともに終わりを告げようとしている。

画像

ク1102

  • 名鉄河和線 富貴→知多武豊 2008-5
  • D200, AF Nikkor 50mm F1.4D
  • ISO100, 1/60, f8

1980年代には一部のパノラマカーが客室整備を受けて特急専用車・通称「白帯車」となり、さらに1988年には新型特急1000系「パノラマSuper」が登場した。
展望席がハイデッキに上がってさらに眺望が良くなり(8800系「パノラマDX」で初採用)、一般席も特急専用車にふさわしいグレードとなった。全車指定の特急として名古屋本線を颯爽と走る一方で、道路併用橋だった犬山橋を、車体を大仰に揺らしながら慎重に通過する光景も、また印象深いものだった。
やがて輸送情勢の変化から名古屋本線では自由席の「一般車」を連結し、展望車は豊橋側のみになった。引き続き河和(こうわ)・犬山線では全車特別席の特急として残ったけれど、これも特急施策の見直しで廃止される。12月27日からは種別「ミュースカイ」となる中部国際空港への快速特急を除き、特急は特別車・一般車混結での運転となる。岐阜・犬山側に展望車が立つ姿も、これで見納めだ。

名鉄の発表によれば、26日限りで定期運転を終了する7000系はイベント列車として使用し、2009年中の完全引退が予定されている。


◆2008年の更新は今回で終了いたします。

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
JR以外の車輌はあまり詳しくないのですが
名鉄は名古屋に居た時、やはり「名鉄」=「赤」のイメージを持ってました
名鉄のパノラマカーは、0系と変わらない頃のスタートだったのですね

今年の字は「送」、なるほど!と思いました
「銀河」「なは・あかつき」の廃止に始まり0系の引退、次々発表される国鉄時代の車輌の廃止。。。
かたや京都ー大阪間では1年に2つも新駅ができるなど
走る「送」、見送る「送」、いろんな意味での「送」がありました
来年はどんな年になるのでしょうね

今年の更新は今回が最後とのこと、いろいろと教えていただきありがとうございました
私の方は、このあとまだ津山機関車庫見学のことなどをアップする予定にしていますので、まだのぞいてみてくださいませ
来年もよろしくお願いします
さくらねこ
URL
2008/12/26 00:40
さくらねこさん こんばんは。

やはり私たちの世代にとって、名鉄=パノラマカー=赤なんですよね。そのシンボルがついに去ってしまうことに時代の移ろいを感じてしまいます。26日のパノラマカー引退に続き、27日はモンキーパークのモノレールが最終運転日となります。

これや0系を含め、ほんとうに今年は色々と変化があり、見送らねばならない車両や列車が多かったと思います。半分わかっていたこともありますし、まさかアレまで……とショックを受けることもありました。
来年前半にかけても激動が続きますが、新車両や新路線も予定されています。明るいニュースがたくさんあるといいですね。

いつも丁寧にコメントいただき、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
宮本康宏
2008/12/26 01:34
こんにちは。

名古屋には行ったことのない私ですが、名鉄パノラマカーは知っているので、私鉄としては有名な列車だったのですね。
それも来年には完全引退してしまうとのことで、やはり寂しいですね。

「送」 見送らなくてはいけなくなってしまった列車たち…。
私もJR四国のキハ58・65をさよなら運転で見送ることが出来て、印象深い年でした。

私も鉄道が好きではありますが、全く詳しくないので、いつも教えていただいて、ありがとうございます。
来年もよろしくお願いします。

URL
2008/12/26 10:40
こんにちは。
こちらのブログに初めて書き込みさせていただきます十勝在住・小さな鉄道博物館です。今回は加藤さんのブログから来ました。
鉄道HP色々と拝見していますが当ブログの内容の高さにはいつも注目しています。またRF誌での流し撮り写真は秀逸で目にすぐ止まります。
今回の名鉄は子供の頃からの憧れの列車で名古屋博見学の際、会場はすぐに出てパノラマカーを見に行きやっと念願が叶いました。やはりシンボルカラーの赤は強烈でした。道東専門?で撮影を続けていますがぜひこちらの方にも機会があればお立ち寄りください。今後共よろしくお願いします。
小さな鉄道博物館
2008/12/26 13:43
こんばんは。
今年の表す漢字は「変」ということですが、私自身がますます「鉄道」への魅力にとりつかれ、すっかり鉄道中心の生活へと変化しました。
それとは別に、今年に限らず「変」な人の私でもありますが・・。
鉄道の世界では、仰るとおり「送」の文字があてはまりますよね。とは言っても、私も北海道以外の鉄道の知識は乏しく、いつもこちらで勉強させていただいております。
名鉄パノラマカーは、展望室のある赤い車両が印象的で、また運転手さんが外のステップに足をかけて上っていく光景も面白く感じていました。
その最後の姿を、来年は見送ることになるのですね。一つの時代が終わるのは淋しいことですね・・。

宮本さんからコメントを頂いた時は、飛び上がりそうなくらいの嬉しさと驚きでした。2008年のRF誌のカレンダー北浜の流氷を背景に走るキハ54の2月は、私のお気に入りです。
私の写真は、まだテーマを絞りきれていずに迷走を続けていますが、こうしてお話の仲間に入れていただいたことを幸せに思います。本当にありがとうございました。そして来年もどうぞよろしくお願いいたします。
水無月
URL
2008/12/26 21:26
静さん こんばんは。

東海道新幹線が名古屋に到着する直前、東海道線のむこうに名鉄線が走っていまして、そこを赤い電車が並走したりすれ違ったりする光景はこれまで何度も見てきました。もちろんパノラマカーの姿も。それがもう見られなくなってしまうんだなあと思うと寂しさを感じます。
静さんもキハ58・65のさよなら運転が印象深かったのですね。かつて当たり前に見られた光景が最後になる瞬間は、とても感傷的になってしまいます。

私の知識も受け売りみたいなもので(笑)、各種資料をかき集めて組み立てたものではありますが、すこしでも参考になれば幸いです。
いつもコメントいただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
宮本康宏
2008/12/26 23:24
小さな鉄道博物館様 こんばんは。ご来訪ならびにコメントありがとうございます。

当ブログは車両1両の側面しか載っていないという、ある意味不思議なもので、いきおい文章をあれこれ追加したりして構成しているのですが、注目していただき非常に嬉しく思います。
「数打ちゃ云々」の気配も実はあったりする流し撮りのご評価も、まことに恐縮です。

さて、パノラマカーは名鉄のみならず私鉄電車の代表的な存在でしたね。
名古屋へ行かれた際に、博覧会もそこそこにパノラマカーを見に行かれたとのこと、むしろそれが動くパビリオンということで…(笑)

私も小さな鉄道博物館さんの撮影成果は誌面で拝見しております。地元に根ざしてしっかりと結果を出されておりますね。
道東・釧路には何回か足を運んでおりますが、冬季SLを筆頭に何度でも訪れたいところ。十勝地区での撮影もしてみたいと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
宮本康宏
2008/12/26 23:33
水無月さん こんばんは。

今年はほんとうにいろんなものを見送っていくことになりました。ここで紹介できた以外にもまだまだたくさん。

さてパノラマカーといえば展望席と2階の運転台、運転士が外のステップを上り下りするのも名物でしたね。あと「歌う」ことも(笑)
「復活白帯」は見に行けませんでしたが、イベント列車はそれが中心になるかな……その姿をとどめておきたいと思っています。

RF2008年カレンダー2月の写真を気に入っていただけたのですね。雪を漕いで行った(ただの公園ですが除雪されてなくて……)甲斐もあるというものです。それより先に、その光景にまず自分自身が圧倒され、感無量になったのですけど(笑)
いつもコメントありがとうございました。来年もまたよろしくお願いいたします。
宮本康宏
2008/12/26 23:36
年末のご挨拶をしたのに、またまたやってきてしまいました(笑)
JR東日本のD51が、ボイラー空だきで修理が必要になってしまったと夕刊に出ていました
当面の運行予定は中止になるそうですね
なおるかな〜 
関西ではD51は走っていない(梅小路にはありますが)ので、雪の中や緑豊かな中を力強く走るのは見ごたえあるだろうなーと思ってました
もう新しくつくれないSLだけに、復活を祈るばかりです
さくらねこ
URL
2008/12/28 01:45
さくらねこさん またまたこんばんは。

いやあ、この話はかなりショッキングでした。
「ボイラー不具合を起こした」というアナウンスは事前に知らされていた(首都圏の「運行情報表示器」に掲示された)のですが、まさか空焚きしていたとは…
「修理する」とJR東日本が言っていますからこちらは待つしかありませんが、相当かかるということで、この冬はどう見ても無理そう。雪の中を走る姿を、来年こそは見に行こうかと思っていたのに…。
宮本康宏
2008/12/29 18:33
こんばんは〜

スイマセン、すっかり出遅れてしまいました…
さてさて、名鉄というとパノラマカーですよね。
北海道にいると私鉄そのものが馴染みのない存在ですが、でもこのパノラマカーは子供の頃から知る存在でした。
永らく愛されてきたこの車両もついに引退とは、いずれその日が来ることは分かっていても実際にそのときが来るとやっぱり寂しいものです。
そして来年は「迎」の明るいニュースで充実するといいですね。

さてさて、今年 1年、いろいろとありがとうございました。
来る年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
また、引き続き誌面でのご活躍も期待しております。
加藤 勝
URL
2008/12/31 01:50
加藤さん こんばんは。
あっという間に今年も終わりですね。

名鉄のシンボルだったパノラマカーの引退は、ひとつの時代が終わることをも意味するように思えます。
ほんとうに今年はいろんなものが引退してしまって、寂しさがつのる年でもあったのですが、その話題を通してブログ間で話題を共有できたことは、大きな収穫のひとつだったと思います。
新たな気持ちで迎えられる、明るいニュースが充実することを期待しましょう。

半年前のブログ開設時は最初にコメントを寄せてくださり、またいろいろお話ができて嬉しく思います。
来年もよろしくお願いいたします。加藤さんもまた誌面でのご活躍を期待いたします。
宮本康宏
2008/12/31 21:11

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