エクストラ・ショット

車両サイドビューの撮影結果を見直していると、意外にもシャッタースピードは速い。だいたい1/100~1/400sの範囲におさまっているようだ。
この撮影で重視しているのは、前背景を流すことよりもむしろ車体を完全な真横から捉えることのほうだ。そうしないと台形になって形が崩れるし、あまり遅いと車体の隅まで流れるから。(換算)焦点距離50mmより広角をほとんど使わないのはこのためでもある。
もうひとつ、対象は先頭車両だけとは限らない。となれば小刻みにアングルを振り直す必要があるわけで、スローシャッターほどその立て直しが難しくなる。
実際、厳しい条件下で先頭車以外が全滅だったことも一度や二度ではなく、どうしても安全側に倒しておきたくなるものだ。スローの動感はハマると抜群だとは知っているけれど、一度きりの撮影でそこまで踏み出すのは、やはり容易ではない。

秋の信濃路キャンペーン2008「歩こう!信州」のイベント列車として、信越本線の開業120周年を記念した〔SL・DL信越120周年号〕が長野~黒姫間で走った。今回私が注目したのはD51よりもむしろDD16が、それも重連で推進・牽引することだった。しかも一日に2往復で時間の余裕もある。
D51を含めた車両撮影自体は豊野付近での1本目で一応の結果を見たので、あとはどちらかといえば遊びみたいなものだった。撮影者の列に加わってカメラを構えたりした後、最後は1本目と同じく豊野で、場所を若干変えて臨んだ。
午後になって降り出した雨は本降りに近かったが、そんなことはもうどうでもよかった。もともと太陽は山の陰に隠れる時間だったし。

画像

DD16 11・301

  • 信越本線 三才←豊野 2008-11
  • D700, AF Nikkor 50mm F1.4D
  • ISO400, 1/10, f5

国鉄最小級の本線用ディーゼル機関車であるDD16形は、簡易線とよばれる低規格ローカル線向けに投入された貨物機。入換や、最近ではイベントSL列車の補機としておなじみのDE10シリーズよりさらに小さい、12m級のかわいらしい車体で、キャブをうんと端へ寄せた非対称形が外見上の特徴。遠目にはDEとの違いがわかりにくいが、ボンネット側面の白帯が省略されているのがポイントだろうか。
C12やC56といった小型蒸機に替わって貨物列車牽引にあたったが、該当線が特定地方交通線となって廃止ないし三セク化、または貨物輸送廃止で国鉄末期には用途を失った。現在籍車はJR東日本に4両・JR西日本に1両という希少な存在である。

それでも残っているのは理由があって、特に300番台(改造車)はそれらの線区の除雪用に用いるためだ。前後にラッセルヘッド――実態としてはかつての除雪車「キ」――を連結して、冬季は全長36mにも達する大型機関車に化ける。飯山線・大糸線などで使用されてきたが、JR東日本では新型除雪機械の導入がはじまっており、排雪列車としての活躍は今冬限りではないかとうわさされる。

ちなみに、こういう性格の機関車だから、重連総括制御は行わない。今回の場合監視要員?も含めて運転台に各車2~3名の乗務員が詰め、SLも3名乗務が基本だ。これに駅や沿線の見張をする駅員・保線掛、周囲には警官や民間警備員をあわせて数百人……イベント列車とは、かくも手間のかかる代物なのだと思わされる。

この記事へのコメント

2008年12月20日 21:54
こんばんは。なにやら充実したブログになってきましたね。気持玉を押してみました。(^^。
時々見てますよ。
2008年12月21日 00:10
teruさん こんばんは。

驚いていただけましたか?(^^;
なんだかいろんな機能が追加されて、見た目には賑やかな(笑)モノになってますね。
しばらく様子を見てみようかと思います。(スタイルシートを少し修正する必要がありそうだな……)
2008年12月21日 09:41
こんにちは。

DE10は四国でも走っているのを見たことがありますが、DE16はもっと小さいんですね。
それでもそんなに人出が必要だとは、イベント列車というのは本当に大変なのですね。
大きな写真で見ると、客車にたくさんのお客さんが見えてビックリしました。

私も気持玉、面白そうなので押してみました (笑)。
2008年12月21日 22:12
静さん こんばんは。気持玉 いただきました(笑)

ある警備の方の話では「(地主などから依頼された)民間の警備で200人」と仰っていましたし、それが試運転の頃から張ってた(4日間、本運転3日間)そうですから、確かにすごい規模だったといえます。
この週末も各地でイベント列車が走り、関東は関東でブルトレ最終フィーバーが始まっているだろうし、どこも大変だったのではないでしょうか。私はウチで片付けなどしてましたが(笑)。

じつは真横からボックスシートを撮ると、乗り具合があんまりわからないんですよ(笑)。私も斜めアングルになった2両目を見て「おー、乗ってる乗ってる」とつぶやいたものです。
2008年12月22日 11:54
こんにちは。
わわっ・・・SS1/10って、私から見たら『神』です!
背景の流れ具合も素晴らしくて、DD16重連の姿が際立っています。
DD16、初めて見ましたがホント可愛らしいですね。
DEとの違いもよく分かりました。

イベント列車って本当に大変なんですね。
撮影に行く時も、JRを利用して貢献しなきゃ(笑)。

気持玉?あ、私もポチしますっ!
2008年12月22日 22:05
こんばんは~

おおっ !
DD16とは意外な被写体できましたね(笑)。
こちらも国鉄時代には見ることができた DD16ですが、気が付けば全国的にも貴重な形式なんですよねぇ。
そういえば手宮から C62を搬出したのも DD16で一見するとプロテクターにも見えてしまう手すりがボンネットに取り付けられていたのを思い出しました。

それにしてもこの機関車、やっぱり可愛らしい(笑)。
特に横から見るとその小ぶりな体格がよく分かるというもので同機の特徴をよく捉えられていると思います。
2008年12月23日 00:53
水無月さん こんばんは。

これはタネもシカケもございまして(笑)、本文の通りすでに「押さえ」がある前提での遊びというかネタ狙いのチャレンジというか。それも三脚にすえてスパスパと連写し、いちばん良いのを選んだという次第。
一発勝負でここまで行ければ相当なもんですが、やはり小心者ですので(笑)
でまたそんなに持ち上げられるとアレになりますので、榊くらいにとどめて下さい(なんのこっちゃ?)
気持玉もありがとうございます~。

地方のイベント列車は本来その土地の方のためで、そこに集まる人の懐に期待している面もあるはず。撮るのはタダなんだから、移動にJRや公共交通機関を使い、現地でちゃんとお金を使うことでささやかながらも貢献したいものです。
2008年12月23日 00:58
加藤さん こんばんは。

これ以前も以後もあるかどうかというDD16重連、横姿はやはり外せないと思って長野まで行ってきたわけですが、2両で客車1両チョイという小ささを、非常にはっきりと認識できました(笑)。
お褒めもいただき、ありがとうございます。

プロテクターみたいな手すり付きというのは、三笠にある15号機でしょうか? (ウィキペディアに載ってました) 何かの理由で前方監視が必要になったのでしょうか、かわいい機関車がかなりいかつい姿です(笑)

この記事へのトラックバック