赤い流れ星

終息期に向かう感も強い現在のJR寝台特急だが、2008年現在 すべての客車特急の先頭に立つ機関車がある。それがEF81形交直流電気機関車だ。
EF81は日本海縦貫線を走る長距離客貨列車のため製造された、「三電気」(直流,交流50/60Hz)方式の機関車。平たく言えばEF65に交流機器を積んだ、性能的にはきわめて平均をゆく機関車である。日本海側を走ることから、従来車両の経験を踏まえた塩害・寒冷対策を施してあり、いろんな意味で国鉄機関車の集大成とも言えるだろう。

そんな同機がブルートレイン牽引の主役になったのは、JRになってからのことだ。国鉄時代、東北本線は地上設備の関係から黒磯での交直機交換(EF65-ED75)、常磐線は水戸までEF80、以北はED75。上越線はEF64、東海道・山陽本線は言うまでもなくEF65・EF66の舞台だった。
当初の目的どおり日本海縦貫線の列車とは長い付き合いだけれど、東京でEF81ブルトレが見られるようになったのは国鉄も末期、EF80の老朽置き換えによる〔ゆうづる〕の上野-水戸間が最初である。
以降、機関車が両数も形式も減りつつある中で、同機が現在まで残っていられたのは、やはり三電源に対応する汎用性の高さと、堅実な設計によるところが大きいと思う。

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EF81 98

  • 東北本線 東大宮←蓮田 2008-5
  • D200, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D
  • ISO125, 1/250, f5.6

同機のターニングポイントは、やはり1988年 〔北斗星〕への抜擢だろう。黒磯での機関車交換の手間を減らす目的から、同駅を通過中に電源切り替えができる装置を設け、青森まで一気に走りぬいた。
運行開始時は国鉄色・ローズピンク(赤13号)だったが、やがて真っ赤な車体(赤2号)に銀色の流星を描いた、通称「北斗星色」となった。交直流機なのに赤? という声もあったが(発足直後のJR九州でも関門のEF81を赤色に塗って話題となった)、いまではEF66とならぶブルートレインのシンボルとして定着した感がある。
のちに〔トワイライト〕〔カシオペア〕の専用塗装も増え(いずれも長距離行路のための特別整備を受けた)、〔出雲〕廃止の2006年改正からは前述の通り全ブルトレに関わることになる。

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EF81 43

  • 北陸本線 丸岡←芦原温泉 2007-5
  • D200, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D
  • ISO125, 1/200, f5.6

そんなEF81も〔北斗星〕仕業開始からはや20年。念入りに手入れされていてもやはり疲労は隠せず、運用中の故障も散見されるようだ。〔北斗星〕自体も1往復に減り保留車も発生、そして2010年には新規導入のEF510にその役目を譲ることになった。それ以上の長距離走行を続けるJR西日本の対応も注目される。
残された1年余も、うっかりするとすぐ過ぎてしまう。なにせいまでは一日一回、上り列車しか走行シーンは撮れないのだ。大事にしたい。

この記事へのコメント

2008年12月16日 00:29
こんばんは~
すっかりご無沙汰してしまいました。

さてさて、JR東日本のEF510導入は驚きましたよね~
客車列車もすっかり衰退して今となっては夜行列車と一部のイベント用に残るのみで、そんなご時勢にもかかわらず旅客会社が機関車を導入するとは…
その一方で置き換え対象になっているのが EF81。
北斗星がデビューした頃、EF81がブルトレを牽くことに違和感を覚えたものですが、その活躍も 20年以上なんですよね。
2008年12月16日 01:03
加藤さん こんばんは。お元気そうでなにより(笑)

田端のEF81は、じつは貨物牽引にも(の方が?)忙しくて、北斗星色が常磐線でコキやタキを牽く姿もよく見かけるものです。
これの更新も考えた場合、やはりEF510を導入するのが自然なわけで、ある程度想像はしていましたが、旅客列車にも明言したことには少し驚いたところ。当面は北海道へのブルトレも存続ということですね。

最初に見た〔北斗星〕の牽引機はたしか95号機でした。あのころから強烈だったなあ。間合いで東北北部の50系なども牽いてたんですよね。これまたすごい違和感……。
2008年12月17日 00:10
そうか、今走っているブルトレはみーんなEF81が牽引する区間があるんですね
「富士・はやぶさ」も関門トンネル越えるときはEF81ですもんね
トワイライトエクスプレス色、北斗星仕様、カシオペア仕様・・・
専用の塗装も施されて、あちこちでがんばってるんですね
JR東日本のEF81の置き換えが発表され、西日本はどうするのかなぁ・・・
2008年12月17日 07:52
おはようございます。

赤い流れ星が印象的ですね。
「北斗星」 のEF81、昔、上野駅で撮影しました。
写真を見ると、EF81-81、まだ真っ赤な色ではありませんでした。

トワイライトエクスプレス仕様のEF81も素敵。
2008年12月17日 22:07
さくらねこさん こんばんは。

そうなんです、列車数そのものが減ったからというさびしい理由ですが、EF81は現在の全ブルトレを牽引することになりました。
〔富士・はやぶさ〕も関門のわずか1駅間だけですがお世話になる、欠かせない存在ですね。

それぞれの専用塗装を施され各地で頑張るEF81。〔北斗星〕〔カシオペア〕は残念ながら交代となる一方で、JR西日本では特にアナウンスもなく、四角い機関車の勇姿をもうしばらくは見られそうですね。
2008年12月17日 22:10
静さん こんばんは。

そういえば上野駅で〔北斗星〕を撮影されたと伺いました。1988年夏とのことですから、まだ塗装変更は始まっていなかったようです。
で、撮影されたのが81号機だったんですか! 同機はお召し機で(1985年科学万博のお召し列車を牽引しました)、銀帯を腰に締めていました。

トワイライト色は落ち着いてていいですね。カシオペア色はオモチャみたいであまり評判が良くないような……(笑)
2008年12月18日 15:10
こんにちは。
津軽海峡を越えること、わずか3回という私には実際のEF81を見たことはもちろん無く、サイドからもこうしてキッチリ見たことがありませんデス。
北海道から何とか脱出してみたい・・・。
しかし一日一往復の北斗星、知らない土地で撮影することは難しそうです。
北海道では、長万部~札幌の新幹線工事着工が来年に決まったことで、新聞では大騒ぎです。
着工=開通ではないんですよね。規格も保留のままだそうです。当分、目が話せない話題です。
何だか支離滅裂なコメントですみません。
2008年12月18日 22:00
水無月さん こんばんは。

新幹線の延伸については財源などの問題も山積みで、まだ紆余曲折ありそうですね。

さて、北斗星機を撮った場所は、「ヒガハス」と呼ばれる 超が三つぐらいつく(笑)定番撮影地。各雑誌はもちろん個人のサイト・ブログでもイヤというほど出てきます。
それは早朝の下り~午前の上り列車を手軽かつ安全に撮影することができるからで、上野から30分という立地、しかも東北新幹線が開業する以前からほとんど景色の変化がないという、貴重な場所でもあるのです。〔カシオペア〕〔北斗星〕が近接し、東武「スペーシア」や貨物列車も来ますから、効率の面でも文句なし(笑)

ふだんでも晴れた週末には三脚が並び、特別な列車でも走ろうなら大騒ぎ……ですが、広いしわかりやすい場所ですので、関東にご来訪の際にはぜひご検討ください。
2008年12月20日 00:53
こんばんわ☆
JRの3月のダイヤ改正が発表されましたね
アナウンスどおり「富士・はやぶさ」「つやま」廃止
「ムーンライトながら」「ムーンライトえちご」の定期列車廃止
わかっていたとはいえ夜行列車の衰退が進み、淋しいですね。。。
EF81の置き換えで、北斗星やカシオペアががんばってくれるとうれしいのですが

最後まで走っていた3編成の0系新幹線は
翌日にもう解体が始まったと、朝日の夕刊に出てました
スクラップにして材料ごとに再利用されるのだとか・・・
しばらく博多南で姿を見せていてくれるかと思っていたので
あまりのあっけなさに、これもまた淋しいです
2008年12月20日 01:16
さくらねこさん こんばんは。

今回の発表は、やはり来るべきものが来たのだなあと、むしろ淡々と受け止められるものであったように思います。
また〔あけぼの〕〔北陸〕〔日本海〕そして〔能登〕〔きたぐに〕の日本海側夜行は動きがなく、まだ踏みとどまるだけの需要があるのか、と思ったのも事実ですね。

移動手段としてはすでに役割を終えた夜行列車、北海道向けの列車にのぞみをつなぐことになりそうですね。まだ新幹線に交代するには早すぎるのだから、〔北斗星〕も新たな姿に生まれ変わってほしいと願うところですが……

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