どっちが前?

ほとんどの鉄道車両がほかの交通機関と大きく異なる点のひとつは、どちら向きにも同じ性能で走れることだが、車両としてはどちらかが前で反対側が後であるわけで。通勤電車など、左右対称に見えるものも多いけれど、ちゃんと前後の、もちろん左右も区別がある。
どちらが前か? の答えは、「図面で左に描かれたほう」なのだが、その決め方にも原則があって、たとえば電車や気動車は運転台のあるほうが「前位」すなわち前側、客車のときはブレーキ弁のある乗務員室が後位、などなど (その他いろいろ決め事があるけど省略)。先刻特集した14・24系ブルートレインの場合、ほとんどの写真で右側が前位だ。できるだけ図面どおりの左側前位としたいところだが、この車両群の特性上、致し方なかった。

各車両を注意して観察すると、側面または妻面の片隅に丸囲みの数字(1)または(2)を見つけることができる。このマークがあるほうが前位で、1位・2位と称する。なお1位の反対(後位)側は3位、2位の反対は4位。機関車の場合は前後に対して角囲みの数字[1][2]が示され、それぞれ1エンド・2エンドとも呼ぶ。

画像

クハ221-78

  • 福知山線 三田←道場 2008-1
  • D200, AF Nikkor ED 50mm F1.4D
  • ISO100, 1/100, f8

この原則はJR化後も従っているものと思っていたが、意外なことにJR西日本の新製車ではそうでなかった。221系電車から、各車とも東京方つまり上り側を前位に統一している。なにが意外かって、営業では「下り」「上り」と案内するのをあまり好んでいない節があるから、だが。歴史的な経緯から、在来線電車は東海道線上で東京方を前位とするのが基本で、したがって下り方先頭車が「逆向き」で連結されることになる。

福知山線を走る221系の篠山口方、つまり下り方にあるこのクハ221を確認してみると、従来なら後位と思う場所に丸数字があった。このサイズでは読み取れないけれど、車体右下のシミみたいな黒丸「・」がそれ(1位)だ。したがってこの電車は、「車両」としては後ろ向きに走っていることになる。もちろん「列車」としては「牽引運転」だから、なんの問題もない。たとえ機関車が最後尾であっても、列車を操縦する場所が先頭であれば牽引とされる。

ちなみに、新幹線電車の場合はどの車両も博多方(東京駅にいた場合で)が前位と決まっている。だから 東京ゆき〔のぞみ〕の各車両は、270~300km/hという超高速でバックしているというわけだ。

この記事へのコメント

teru
2008年12月09日 00:04
こんばんは、勉強になりました!

ところで、オハネフ25 100は片栓構造で方向転換不能とのことでしたが、やはり、ケチっただけだったのでしょうか?その後、200番代や14系15型は、再び両栓となったんですよね。

鉄道模型でも、200番代オハネフ25を所有していないと、中間にオハネフを入れるとやはり妙な編成表現となってしまいますね。そこがまた味わいがあるのですが・・・(^^;。
2008年12月09日 00:53
teruさん こんばんは。

オハネフ25 100番台が片栓で登場した真の理由は、考えてもよくわからんのです(笑)。20系に戻ったとも言えますし。付属編成だけでは使い物にならないから、そもそもオハネ「フ」でなくて良かったのではとも……
確かに連結面を見ると切妻どうしではかなり狭そうです。スハネフ15同士でもそこそこ広く見えるし、14同士なんか明らかに空きすぎ(笑) もしかしたら作業員の方も一喜一憂しているのでは。
2008年12月09日 23:24
なるほど、宮本先生でもよくわからんとのこと、債務抱えた国鉄内部事情があったのかもしれませんね。
20系もそういえば片栓だった。たしかに、ナハネフ23が向き合う写真って見たことないです(^^;。ナハネフ22が向き合ったりしたら気持ち悪いですよね。夢に出てきそうです。
2008年12月10日 22:30
teruさん こんばんは。先生はやめてください先生は(笑)

内部事情といえばアレだなあ、「トワイライト」でも取り上げましたがスハフ14・12を方転して使うやり方が思い出されます。
「SET→ゆとり」や「レインボー」、「エド」じゃなくて「江戸」の折妻面が内側を向いているのは違和感ありありでした。

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