ブルートレイン2008: 富士・はやぶさ(2)

九州特急向け24系25形のA寝台として製作された1人用A個室寝台・オロネ25(0番台)は、国鉄~JRを通しても数少ない新製の個室車。部屋数14は当時としては最も定員の少ない旅客車だった。両サイドとも窓配置がB寝台とまったく異なるため遠くからでもすぐ判別でき、14系に編入されオロネ15 3000番台となった現在も登場時とほぼ同じ外観を保っている。
〔富士・はやぶさ〕の車両撮影地に幸田を選んだのは、東上する列車を「山側」(東海道本線で富士山のある側)からとらえるのに必要な諸々の条件を満たしていたからだが、このアングルではオロネ15が通路側。この形式だけは個室が「海側」で設計されたのである。通路側でも十分ユニークな形だが、やはり海側からも撮らねばならなかった。

東海道線で海側を撮るのは順光だから一見容易に思えるが、意外にも好適な場所は少ない。JR東日本区間は沿線が開発されつくしているし、JR東海区間は上下線のロープがほぼ全区間で張られている。場所の選択上やむを得ず……ということはよくあるが、有りと無しでは無しの方がいいに決まっている。
東海区間のとある場所で撮ってはみたがいま一つすっきりせず、延長戦に突入。大磯駅からバスで5分、大磯ロングビーチ近くに、昔から定番とされるアングルがある。最近になって住宅が建てこんできたようで、実際に使えるのはおそらく当時からの空地一箇所くらいだった。
曇り空にもや、しかも直前に近くで草焼きがはじまり厳しい条件の中、EF66 53を先頭に、列車がほぼ定刻に通過する。ここまでずっと50号機ばかりだった。

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オロネ15 3001

  • 東海道本線 二宮→大磯 2008-7
  • D200, AF Nikkor 50mm F1.4D
  • ISO200, 1/320, f5.6

朝のブルトレを撮影していると、かなりの確率で編成のどこかから水しぶきが上がっている。洗面台の水だ。A個室「シングルDX」は室内に洗面台を備え、本形式では2室を1ブロックとしてパイプ7本が床下へ導かれ、さらに4本にまとめられて線路面へ降りている。

2回のオロネとスハネフ15を得て最後尾……これは! あわてて体勢を立て直して、なんとか1枚うまく残った。撮影済みではあったが、若干品質に難ありだったもので。
国鉄時代を含めて、車両の需給調整のため14系→24系の改造は行われていたが、スハネフ14 100番台はめずらしい24系24形→14系の逆改造例。オハネフ24から変身した3両のうち1両が奇跡的にいままで残った。乗務員室側のクーラーもしっかり移設して見た目はオリジナルのスハネフとほとんど変わらないが、ただ一箇所反対端の手すり位置が違うことで、かろうじてそれと判別できる。

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スハネフ14 101

  • 東海道本線 二宮→大磯 2008-7
  • D200, AF Nikkor 50mm F1.4D
  • ISO200, 1/320, f5.6

この数年間で、「伝統ある」という言葉で守られてきたはずの〔さくら〕〔あさかぜ〕〔出雲〕そして〔銀河〕も、あっさり吹き飛んでしまった。そしてブルトレばかりか〔ながら〕にまで立ちこめた暗雲……この最後の伝統も、「伝説」になる時期がやってきたということなのかもしれない。

この記事へのコメント

2008年09月12日 10:26
おはようございます。

オロネ25といえばブルトレブームの最中、最も憧れた車両でいつかは…なんて思ったものでした。
でも時代は流れて今ではもっとセレブな個室が登場し、かつての栄光も寝台特急というカテゴリとともに落日を迎えているような気がしてなりません。
そんなオロネ25も今は15形に編入されたんでしたよね。
どうもこの車両はかつて24系25形の最高峰としての印象が強いだけに「オロネ15」という形式がこれまた違和感がアリアリです。
2008年09月13日 01:02
加藤さん いつもコメントありがとうございます。

さてオロネ15となったオロネ25、当時は国鉄で最高に贅沢な車両だったんですよね。ホテル並みのベッドを備える部屋も出てきた今となっては、どうしても劣って見えてしまいます。
この半端な広さは登場直後からいろいろ批判されたようですが、やはり空間の使い方が無駄というか、もったいないように思えます。
オールソロやニューツインDXのように2階建て構造をとればもっと広く、使い勝手も良くなるのでしょうが、いまさらそれを期待するのは無理というものでしょうか。

それにしても〔富士・はやぶさ〕、14系を名乗っていても、気がつけばもと25形のほうが目立ってしまうという、妙な列車になってしまったものです。

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