ブルートレイン2008: ★★★流れ星三つ(1)

私がブルートレインによく乗るようになったのは民営化後だいぶ経ってからなので、B寝台は当然のごとく"★★★"「二段ハネ」。ビジネスホテルの部屋にくらぶべくもないが、枕を転がしカーテンを閉めれば寝てよし起きてよしの個人空間ができあがる。
かつての三等寝台→B寝台は三段があたりまえで、とくに長距離列車では寝台の組立・解体作業が走行中の車内で行われていた。埃立つ作業中は通路で待たされ、頭がつかえるベッドでは横になるより無く、昼間は幅広とはいえ6人がけのボックス席。そんな窮屈な環境でも寝台券は連日売り切れていたというのだから、まさに隔世の感だ。

1971年に登場した14系寝台車は三段であるが、寝台幅が20系までの52cmから70cmへ広がり、時に「カイコ棚」と呼ばれたB寝台の居住性が大幅に改善した(参考までに、新幹線N700系普通座席の幅が44~46cm)。中段寝台を電動昇降式に、梯子やカーテンをつくりつけにするなど組立・解体作業の省力化も同時に図られている。
二段寝台の登場後、設備区別のため電車寝台"★★"とともに一つ星"★"が与えられ、時刻表にも「ベッドに★マーク」で記載された。凡例で区別する必要があるほど、全国各地に寝台を連結した列車が走り回っていたのだ。
1980年代以降は夜行利用客の減少と設備均等化のため、14形・24形とも寝台の二段化改造が進められた。具体的には上段の固定寝台を撤去し、中段寝台を跳ね上げた位置に固定している。デッキ脇の乗務員室・更衣室は改造後も残り、寝台数確保のためこれらを省略した15形・25形と比較して定員は各車2名ずつ少ない。

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スハネフ14 29

  • 高崎線 籠原→熊谷(タ) 2008-6
  • D200, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D
  • ISO200, 1/200, f3.2

14系の「分散電源方式」は12系客車にならったもので、本形式スハネフ14の床下に装備したディーゼルエンジンで発電機を駆動し、各車両へ電気を供給している。それ以前の客車では、照明などは車輪の回転で発電機を動かし(車軸発電機)、冷房を持つ車両には各車床下にディーゼル発電機を備える「個別電源方式」といえるものだった。
スハネフ外観上の特徴はそのエンジン(画面左側。カバーがかかっている)と、車体側面の給油口、腰部のグリル、そして車端の排気口。オデコがずず黒いのでもそれとわかる。その性質上エンジンは常時稼動で、寝台客車なのに唸りをあげる同車は「キハネフ」と揶揄されもしたが、実際に乗ってみれば防音がしっかりしていて言うほどでもなかった記憶がある。
見た目は似ていても24系とは電源の引通しやジャンパ連結器などが異なるため、〔さくら・はやぶさ〕や〔なは・あかつき〕の14・24系併結においても電源系統はそれぞれ独立し、スハネフのエンジンも常時働いていた。例外は〔まりも〕など気動車併結の場合で、電源は気動車から供給されたのでエンジンは停止、引き出しのショックがほとんどないこともあって車内はとても静かだった。ただ石勝線などトンネルでは両隣車両の「走行用」エンジン音が壁に反響して……。

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オハネ14 91

  • 高崎線 籠原→熊谷(タ) 2008-6
  • D200, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D
  • ISO200, 1/200, f3.2
  • RF2008-09-038

夜行列車の栄枯盛衰と流転を伝える14系14形だが、現有車両でもっとも古い時期の製造でもあり、廃車と置き換えが進んでいる。オリジナルのオロネ14・オシ14はすでになく、オハネ14も在籍はわずか4両にすぎない。その用途は〔北陸〕に上下それぞれ1両ずつのみ。隠れた稀少車ではあるが、確実に1両入るので捕捉は容易ともいえる。

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オハネ24 502

  • 千歳線 島松→北広島 2008-5
  • D200, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D
  • ISO160, 1/200, f4.5

JR北海道に3両在籍するオハネ24 500番台は、オハネフ24 500と同様オハネ14 500番台(三段。オハネ14に北海道向け耐寒耐雪装備を施した)からの改造車。金帯からわかる通り、もともと〔北斗星〕等の増発用に向けられたものだが、現在同列車にただのオハネが使われることがなくなり、本形式はスハネフ14 550とのペアで実質的に〔はまなす〕専用車となっている。
改造元のオハネ14 500は2007年度に廃形式区分、スハネフ14 500も道内夜行の廃止で消滅が予想されるので、これが北海道形14系寝台最後の生き証人になりそうだ。

この記事へのコメント

2008年09月07日 01:18
フムフム、なるほど。。。
冨士に乗ってるときは、ガタンゴトンという音と共にたしかにゴォーと、、、
でも、そんなものかな?って乗ってました(笑)
でも、名古屋で降りて電車を見送っていると
編成の真ん中あたりでやたらゴォーと音が大きくなり、
あれ?6号車だけだったの?って思いました
これが「うるさいスハネフ」なのかと、、、

たしかに、「銀河」や「なは・あかつき」には電源車がついてましたけど、
「冨士・はやぶさ」にはありませんでした
6号車は「冨士」の電源車を兼ねてたんでね
乗ってた6号車は、「スハネフ14 5」っていうのだそうです
2008年09月07日 10:05
さくらねこさん コメントありがとうございます。
〔富士・はやぶさ〕の一夜を堪能されたことと思います。九州のレポートも楽しみです。

さて、おっしゃる通り〔富士・はやぶさ〕には電源車がついていません。でも昔は〔銀河〕のように電源車つきで走っていたんですよ。現在は各編成両端にスハネフ14・15がつき、客車が使う電気をまかなっています。具体的には1・6・7・12号車で、特に真ん中はエンジンつきが2両連なっていますから、音が大きく聞こえたのかもしれません。なお「うるさいスハネフ」は「静かなスハネフ」の対義語で(笑)、口の悪い人はディーゼルカーなみにうるさいから「キハネフ」だ、なんて言います。
ちなみに上の写真はさくらねこさんが上野駅で見送った〔北陸〕用、また〔富士・はやぶさ〕の車両はかつて〔さくら〕に使われていたものなんです。

車番もちゃんと控えてられるんですね~、それ絶対プチじゃないです(笑) スハネフ14 5の写真はまだうまく撮れておりませんが、こんどは意識してみます(笑)
2008年09月08日 01:34
こんばんは~

今ではブルトレも個室寝台が目立ち、開放B寝台もすっかり忘れ去られたような感じさえしますよね。
そんなB寝台の★マークもなんだか懐かしささえ感じられるほどです。

ブルトレブームの最中、北海道では道内夜行しかなく、さらに道内は本州からのおさがりの14系でしたが出入り口の横にしっかりと★が描かれていたのを覚えています。
ただ、道内夜行は当然ながら3段寝台のため★は1コ。
そんなことから★★★の24系に憧れたものでした。

また、私が初めて寝台車に乗ったのが「まりも」なのですが、当時はまだ3段寝台。
このときはさすがに中段に乗る気持ちにはなれず往路に上段、復路は下段に乗ったのですが、今にしてみれば窮屈このうえないとは思いますが中段に乗っておけばヨカッタかな…なんて思ってしまいます(笑)。

そんな14系の500番台もすでに壊滅状態でスハネフ14-500も「まりも」の廃止によりそろそろの模様。
24系に改造された元のオハネ14が生き証人になるのかもしれませんね。
2008年09月08日 08:22
加藤さん おはようございます。

北海道のB寝台も(Bコンパート含め)3列車に2両ずつと、かえって稀少な部類になりました。
また★三段寝台にも乗られたことがあるとのこと、今となっては貴重な体験といえますね。
私の場合、三段は★★電車寝台で下段ばかりです。一度〔きたぐに〕で上段しか空いてないと言われ買ったのですが、諸々の事情でA寝台(下段)に替えてしまいました(笑)

そしてオハネ24 500番台。24系になったため最後まで残ることになりましたが、それにしても14系から24系に変身した車両が24系から14系になった車両と一緒に14系座席車と走る……なんてややこしい!(笑)

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