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zoom RSS 風が吹いている

<<   作成日時 : 2015/07/07 00:00   >>

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高城町を出た仙石線の電車はトンネルを抜けると、水田を見下ろす築堤に出る。ほどよい高さにある線路と付近の景色は、103系を狙ったころと変わっていないようだ。
冷たい風が吹く中、いつものように線路に並行して構え、電車がやってくるのを待つ。右から205系のカラフルな電車があらわれた。「マンガッタンライナーII」だ。萬画の街、石巻は石ノ森章太郎の出身地で、氏の生み出したキャラクターを1両ごとにあしらったラッピング車両である。
仙台に戻ると、発車案内に〔スーパーひたち〕上野ゆきの文字が。夕方にもまだ早く、浜通りをたどる4時間の道のりにもすこし誘惑されたけれど、以前にも乗っているし…とあっさり東北新幹線に切り替えて2時間で東京に戻った。2011年2月のことだった。

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クハ204-3102

  • 仙石線 高城町→手樽 2011-2
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, ISO200

震災で大きな被害を受けた仙石線が2015年5月30日、ついによみがえった。休止中だった高城町〜陸前小野間の運転を再開、あわせて東北本線と仙石線を連絡線で結んだ「仙石東北ライン」も正式に開業した (書類上はダイヤ改正日の3月14日に開業)。これは東北本線の松島駅近くで仙石線が近接する場所にわたり線を設けたもので、従来から保線用に線路がつながっていた (ただし向きが逆) のを活用、拡張して営業路線とした。分岐点は松島駅構内扱いで松島〜高城町間に0.3kmの営業キロが設定されるが、旅客は両駅を直接行き来することはできない。
連絡線を挟んで前者は交流電化、後者は直流電化だから交直セクションが設置……とはならず、渡り線は非電化のままで、通過する営業車両は同ライン開業に向け登場したハイブリッド気動車HB-E210系となる。キハE200HB-E300につづき回生電力吸収用バッテリを搭載した電気式気動車で、JR東日本ではすでに手堅い構成といってもいいかもしれない。同社は今後キハ40系列の置き換えとして純粋な電気式気動車の新製を計画している。
車両はE721・SAT721系と同様の3ドア式。しかし同系のような低床構造とはならず、新潟地区に投入されたE129系と似た車体で、屋上もバッテリなどがあるため残りは客室内に機器室として置かれている。山側に偏っているのは、塩害対策に海側の眺望・採光も意図したものだろう。気動車列車扱いなので列車番号は「D」、車内放送で「この電車…列車は、仙石東北ライン…」と言い直すのが印象に残った。

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HB-E212-4

  • 仙石線 高城町→手樽 2015-5
  • D810, AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR, ISO125

すこし高い位置にある線路のロケーションは幸いにも不変だった。風が吹き続ける中、電車や気動車の撮影に立った道路は海岸から最短約300mで、記録によればすぐ後ろまで浸水したらしい。ひととおり撮影して手樽に戻り、やってきた石巻ゆきは「マンガッタンライナー」初代編成である。以前は土休日の一部快速列車に固定されていたが、5月改正以降の快速は仙石東北ライン直通のみに設定され、電車はすべて各駅停車となった。ただ高城町から仙石東北→仙台方面へはあまり接続が良くないので、松島観光なら従来通り仙石線が速くて便利だ。
陸前富山から海岸線にさしかかると防波堤がかさ上げされ海は見えにくくなったが、つぎの陸前大塚からは景色が広がった。移設区間にある東名(とうな)、野蒜(のびる) 両駅の周囲はまだ区画のみ整備された状態で、丘の切れ目から見える海岸方向はまだ時が止まっているかのようだ。
吉田・鳴瀬川橋梁の手前で旧線と合流、この橋は2000年に河岸整備の一環および強風による運行支障で移設されていたものである。国鉄時代から仙石線の線路改良は、石巻線と別駅舎だった石巻駅の移転統合 (1990年)、仙台市中心部の地下化とあおば通延伸 (2000年)、多賀城付近の連続立体交差 (2012年完成)、と細かに行われてきた。

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クハ204-3108

  • 仙石線 高城町←手樽 2015-5
  • D810, AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR, ISO200

ひさしぶりに電車のマンガッタンライナーを迎えた石巻駅はにぎわっていた。不通区間の代行バス (松島海岸〜矢本間) とは別に三陸自動車道経由の直通路線バスが走り、都市間連絡を担っていたが、仙石線の全線再開により便数を減らすこととなった。またマンガッタンライナーは暫定的に石巻線キハ40へのラッピング車として運転していたが、こちらも本家にバトンを渡し、同線はキハ110系に車両置き換えとなっている。
駅移設により一足早く再開した石巻線の女川まで、そのキハ110で往復してから再び仙石線へ。仙石東北ライン快速は2両だとさすがに混雑していた。鳴瀬川の土手に上がると、移設区間の丘陵地から降りてくる電車・気動車が、陸前小野までずっと眺められる。河口に目をやると、海岸には松がまばらに並んでいる。風は変わらず吹き続けていた。

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