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<<   作成日時 : 2009/07/16 23:45   >>

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1999年7月16日の特別運転を最後に、小田急ロマンスカーの一形式が引退した。3100形「NSE」。もう10年になるのか……約2年間、NSEの姿を追いかけ、毎週のように通い詰めたことが懐かしく思い出される。
1963年登場のNSEは、1957年に登場し一世を風靡したSuper Express(SE) 3000形の後継・増備車で、言うまでもなくNはNew。名鉄パノラマカー(1961年)や新幹線0系(1964年)と同世代の車両である。SEの連接構造(当時8連)を進化させた11両連接で、最大の特徴は運転台を屋上に設置して最前面を乗客に開放したこと。パノラマカーともども、イタリアの特急「セッテベロ」をモデルにしたという。

デハ3181

デハ3181

  • 小田急小田原線 栢山←富水 1999-6
  • F5, AF Nikkor 50mm F1.4D, RDPII

小田急ロマンスカーの前面形状は、その時々の流行を反映している。当時は自家用車やバスなども、ふくよかな曲線と飛び出したライトケースで構成されていた。シャープなLSEやHiSE、空力的に洗練されたVSEと比べると、時代の変化がわかりやすい。ちなみにライトケースの突起は単なる装飾でなく、衝撃吸収のダンパを内蔵して万一の場合に備えていた。
NSEは計7編成が増備され、新宿〜小田原ノンストップの〔はこね〕、町田停車の〔あしがら〕など、箱根特急を中心に活躍した。それまで私鉄では特急などフラッグシップとして活躍できる期間は10年〜20年、その後普通車に格下げというのが当たり前だったから、SEとともに30年以上にわたって走り続けた実績だけでも名車と呼ぶに差し支えないだろう。
晩年のNSEは小田原までの〔あしがら〕〔さがみ〕中心に充当され、ラストの直前までは比較的すいていた。展望席指定で2列目に乗ったこともあったが、そのころ空席の多い列車はホームで座席無指定の特急券を発売しており、それを持って展望席直後の予備席と思われる座番(C・D)に腰掛けていたことのほうが多い。

デハ7004

デハ7004

  • 小田急小田原線 開成←栢山 2009-5
  • D700, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D

1979年に登場したLSE(L=Luxury:豪華な)はNSE引退前後の更新工事で塗装がHiSEに合わせられたが、2007年の開業80周年を記念して1編成が登場時の塗装に戻された。2008年3月までの期間限定のはずだったが、全検入場を経て現在も維持されている。
足柄平野の中を走る開成〜富水は周囲が開けた水田で、当然この付近の撮影数が最も多かった。そんな場所も10年も経てば宅地化が進行し、線路際には安全対策の名目で柵の設置も増える。「最後の楽園」だと思っていたこの場所も、かなり撮影しづらくなってしまったなと思う。

高速電車のはしりでもあるSE車は登場翌年の1958年、第1回鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞する。そもそも同賞はSE車を表彰する目的で創立したものだ。会員の投票を基準とする選考に変わってからも NSE (第7回)、LSE (第24回)、HiSE (第31回)、RSE (第35回: R=Resort)、VSE (第49回: V=Vault) とロマンスカーは立て続けに受賞してきた。SEを名乗らず汎用車として登場した EXE (Excellent Express) の年(第40回) は該当なしとなったが、車両の得票数では最多だったという。
そして2009年(第52回) は地下鉄直通ロマンスカーMSE (M=Multi) が獲得し、近鉄と並ぶ私鉄最多・7回目の受賞となった。ロマンスカーは各時代の鉄道を代表する車両だったし、将来登場する車両もまた時代を象徴するものになっていくのだろう。


◆1997年に開業70周年記念としてNSEを改造した特別車両「ゆめ70」は残ったが、その後の稼動実績は少なく、2000年4月にさよなら運転を行い廃車解体された。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
3000形、懐かしい形ですね。小田急のロマンスカーと言えば連接構造が有名で、以前某サイトでロマンスカーの動画を見た際に聴いた独特のジョイント音が耳から離れません。

やはりロマンスカーと言うとこの流線型に特徴があって、こうやってサイドビューにすると とてもその構造が顕著に表れていて良いですね。
北海道でもクリスタルエクスプレスが小田急の10000形に似ていて、こういった独特の流線型を見ることが出来ます。
特急北斗
2009/07/17 22:00
特急北斗さん こんばんは。

連接車であるロマンスカーのジョイント音は独特ですね。NSEはじめLSEやHiSEは台車間の距離が約12.5m、定尺レールの半分とあってレールをたたくタイミングが重なりやすく、軽快なのに重厚感もある不思議な感触でした。当時ガーダー鉄橋だった多摩川を渡るときの音はよく響いたものです。

北海道での前面展望といえば、「簡易展望」(笑)を別としてクリスタルEXPがありますね。なかなか機会が合わず撮れていない車両ですが、いつか収めてみたい被写体です。
宮本康宏
2009/07/18 01:23
こんばんわ!赤い車体が田植えの終わった田に移り、美しいですね♪小田急はあまり知らなくて、名鉄のパノラマカーみたいだなぁと思ったのですが、同世代の車両なのですね。宮本さんはJR・3セクだけでなく私鉄まで詳しくてすごいなーと感心して拝見しております。
さくらねこ
URL
2009/07/21 01:00
さくらねこさん こんばんは。

サイドから水鏡はこんな時分から狙ってたんですね、この人は(笑) 本音を言うと、もう2週くらい前のほうがよかったのですが、お褒めいただきありがとうございます。私も各地の鉄道や車両にはやはり知らないことも多く、いろいろ調べまくってから書いております(笑)

NSEと名鉄パノラマカー、前後して登場した両車両はコンセプトとしては非常に似ていますね。片や通勤を含む一般向け、こちらは観光輸送に特化した車両という違いこそあれ、幅広い世代から親しまれた車両でした。NSE引退から10年、パノラマカーもまもなく8月30日の運転を最後に引退することになります。
宮本康宏
2009/07/23 00:25

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